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【読書】松原タニシ『恐い間取り』を読んだので感想文を書くね。

著者は「事故物件住みます芸人」の松原タニシ。

著者が事故物件に住んで起こった怪現象、事故物件に住んでいた人の体験談、心霊スポットの訪問記などが書かれた本。

様々な部屋やスポットでの出来事を細切れにまとめた本なので、どこからでも読むことができる。さらに、それぞれのエピソードには、その場所の間取りが載っており、頭の中で間取りを描かなくても、容易に読み進めることができる。だからこそ、ちょっと余計にゾワッとする。

1枚だけ新しい不自然な畳、排水溝につまった人毛、窪みのあるロフトのはしご、ピンク色に塗りつぶされた鏡…などなど、事故の痕跡が残る部屋の様子や、そこで起こる怪現象などが綴られている。死者の生きた証が生々しく残っているのを想像して、切ない気持ちになった。

前半は事故物件に関して書かれているのだが、後半は心霊スポットへ行った話や色んな人が体験した怪談になっている。

場所が関西だから路線や駅名を言われても全くピンとこないし、個人的には事故物件の話しをもっと知りたかったので、後半部は読み飛ばしてしまった。

やっぱり、事故物件の話だけで1冊の本を書くのは厳しかったのかしらん。

また、著者が体験した特殊清掃の話は面白かった。蛆の力、恐るべし。

いつも疑問に思うけど、室内の死体にどうやって蛆が発生するのだろうか。

蛆ってハエの幼虫だから、ハエが卵を植え付けにくるのだろうけど、一体どうやって彼らは死体のある部屋に入り込んでくるのだろうか。昔の人は蛆が自然発生すると考えていたが、それは分かる気がする。

著者は写真に一人だけ真っ黒になった姿で映ったことがあり、それをある和尚に話したところ「5年もたない」と言われたとのこと。そしてそれを言われた5年後が、2021年だということで、来年までは松原タニシから目が離せない。

最後に、この本でハッとさせられる文があったので紹介したい

本編とは関係のない、あとがきでそれを見つけた。

芸人になって思い知らされたのは「人と違うことをやるってなんて難しいんだろう」ということです。「人と違うこと」を思いついたとしても、それを周りに面白いと認めてもらうことにとても苦労します。自分が面白いと思ったものが、他人にとって面白いとは限らない。

だから、人と違うだけではダメなのだ、ということのようだ。

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