見出し画像

スポーツで起業したいならやってはいけない5つのこと

Ascenders株式会社の橋本です。

起業してから何度か「スポーツで起業したい」と言う相談を受けるようになりました。スポーツの会社を創業して5年が経ち、これまでの経験と相談者の傾向からアドバイスをしていきたいと思います。

これまでの相談の9割が10代20代で、30歳以上は1割だったのでこのnoteは20代に向けて書いています。

⒈ なぜ起業するのか言語化しない(何をしたいのか言えない)
⒉ 進む方向性を決めない(目的を決めない)
⒊ スポーツビジネスを学ぼうとする
⒋ 仮説検証しないで始める
⒌ 仲間を集めない(組織を作らない)


⒈ なぜ起業するのか言語化しない

「なんで起業したいの?」

「スポーツで起業したい」と言う人に最初に聞くのはこの質問です。起業はあくまで手段であり、大抵の場合、起業したい感情の方が強いパターンが多いです。感情でもダメということはないですが、手段でしかないので、解決したい課題や成し遂げたい想いの最善の手段が起業であるなら起業すべきだし、既存の会社の方が解決できるならそれを選択するべきです。

組織に入りたくないのであれば、個人事業主としてフリーランスで活動すればいいわけです。自分がトップに立ちたいのであれば、その想いに賛同してくれるだけのビジョンと戦略を描く必要があります。

納得させるには、起業は手段でしかないので、その手段が自分にとってなのか市場あるいは対象にとって最適であるというのが明確であることを伝える必要性があります。じゃないと「それ起業する意味ある?」「あなたがやる意味ある?」という質問が出ます。

⒉ 進む方向性を決めない

ここが決まってるか否かでアドバイスは大きく変わります。IPO目指すか目指さないかという話ではなく、急速な成長を目指すのか?特に意識しないのか。チームの立ち上げで考えると分かりやすいと思います。サッカーで言うと街クラブを作るのかJクラブを目指すのか?トップを目指すビッククラブにしたいのか、地域に根付いた健全な経営でプロチームとしてやるのかは大きな違いです。

これは結局、チームの経営層、オーナーや社長が決めることです。あなたが起業するのであれば決めるのはあなたで、方向性(目的)を決めるべきです。途中で変わるのは問題ないですが、決めないと方向性が変わったことさえ分からず、原因の言語化ができなくなります。

決まると、あなたが変わるわけでなく周囲が変わります。アドバイスも具体的になりますし、紹介してくれる人も変わります。なんとなく半年やった人より、半年悩んで、考えて方向性を決めた方が遅れてスタートしたとしても最終的には方向性を決めた方が最速で目標に行き着くと思います。


⒊ スポーツビジネスを学ぼうとする

時々「スポーツビジネス学びたい」「学んだ方がいいですか?」と聞かれることがあるのですが、答えはNoです。起業するなら100%Noです。一部の人が「スポーツビジネスはこうだ!」と提唱しています。それ自体が間違ってるとは思わないですが、スポーツビジネスと定義づけられたもの=スポーツで起業に必要な能力には絶対にならないからです。

起業する上で特定領域、例えばスポンサーセールスに関わるプロダクトを作る想定で、専門的な知識や経験が必要な場合、所謂(学問領域や一部の人が提唱する)スポーツビジネスというものを学べば良いわけです。私も「どこでスポーツビジネス学びましたか?」と聞かれるのですが、大学でも、セミナーでも学んだことは一度もありません。スポーツビジネス関連の本は5冊くらい読みました。

スポーツビジネスとは?と言われたら私は、スポーツに関わるビジネス全般と捉えています。学ぶとしたら、自分のやろうとしてる領域(プロスポーツなのかアマチュアなのか、観戦市場なのか、スポーツメーカーなのか)や分野について知ればいいわけです。

ビジネスの基本を学び、産業構造やビジネスモデルについて学ぶ方が圧倒的に必要です。自分が決めた方向性に近しい起業家を見つけてその人に聞きに行くか本を読んだ方が早いと思います。起業するなら、起業に必要な能力スキルを身につけた方が良いです。

⒋ 仮説検証しないで始める

やってみないと分からない、が持論ですが、正直やらなくてもいいこと、やらなくてもは分かることは沢山あります。私はスポーツに関わることは学生時代から今まで以下のことをやってきました。

・イベント企画、大会運営、設営、グッズのデザイン制作、販売
・プロチームの試合の運営、設営、スポンサー獲得
・コミュニティ、オンラインサロンの立ち上げ
・リオ、平昌オリンピック(現地)
・アプリ開発(サービス0→1)
・選手のマネジメント、エージェント(代理人)移籍交渉
・インキュベート、セミナー事業
・チームの国内研修、海外研修の実施
・講演会、パネルデスカッションの登壇と主催
・DtoC、商品開発、販売
・Webサービス、キュレーションサービス
・メディア制作、運営
・toB営業、受託、制作
・資金調達(デット、エクイティ)
・株式会社、一般社団法人、NPOの設立

やった理由としては弊社のビジョン実現のために、どの領域にどんなペインがあって、市場規模や成長性を見極め、どこからやるのかを戦略として考えるためにやったことがほとんどです。シンプルにやったことある人がどこにいるかも分からず、二次情報が手に入らなかったからです。スポーツを広く捉え、スポーツの総合商社を目指してる故はありますが、結局は目的次第です。

解決したい課題や本気でやりたいことが明確なのであれば、やりながら試していけばいいので最適な手段を調べ上げ、検証していけばいいです。まだ何をするか明確でなければ、小さく(コストをあまりかけずに)仮説検証することが重要です。

プロダクトがなくても問題ないです。すぐアプリやwebサービスを作りたがるのですが本当に辞めてください。私もかつてやって失敗しています。SNSを活用したり、ヒアリングで需要確認はある程度できます。プロダクトも仮説を検証できる最小限の機能のプロダクトを作ってやってみれば、0か50か100ははっきり分かります。0なら辞めればいいし、100ならやりながら考えればいいし、50なら再度検証を繰り返せばいいのです。

⒌ 仲間を集めない

1人だと続かないです。1人でやるなら個人事業主でフリーランスで活動すればいいわけです。個人事業主から法人化して人を雇ってのパターンもありです。なぜ起業するのかにも通じますが”事業を起こす”という意味では1人だと絶対にできないのでたった1人でもいいので自分のビジョンや事業に共感してくれて、伴走してくれる人を探してください。社員や共同代表とか形はなんでもいいので、一緒にビジョン実現を目指せる人を探してください。

これには理由が2つあって、1つは誰にも共感されないことは共感されない、0と1は違うということです。100人中99人に反対されても1人支持者がいて、単純に1000人なら10人です10000人なら100人も既にいると言うことです。0人ということは0です。

これは何をするのかにも言えます。99%がうまくいかないと言われた場合と100%うまくいかないは違うと考えてます。しかもサービスを受ける側ではなく、供給する側でも共感を得れないというのは、ほぼほぼやろうとしてる事または手段が間違ってるか、伝わってないかです。

自分がやろうとしてることを周囲に伝え、1人も集まらないのであれば、起業という手段はとらない方がいいと思います。1人でもいれば可能性があると言うことと、やれることも増えるということです。

結局、進む方向性を決めた時、その規模感で仲間の数は決まってきます。仲間を集める力も起業には必要です。それがもう1つの理由です。先ずは1人目を見つけましょう。


まとめ

スポーツで起業を考えてる人がいたら、以上の5つをやらないのではなく、必ずやってからアドバイスをもらうことをおすすめします。絶対に自分の成長もビジョン達成も加速すると思います。

特に1と2が重要で「そもそも何したいかも分からない」が圧倒的に多数で先ずはいろんな経験をしてスポーツで何をしたいのかを明確にすることをおすすめします。企業ではなく、個人としてスポーツ界で何か何し遂げたいことがあれば弊社のAscendersという場所も是非とも検討してもらえたら嬉しいです。いずれスポーツで起業したい人も歓迎しています。


自分にしか発信できない、スポーツに関わる全ての方にとって役立つ情報をGiveし続けたいと思います。