写真は懐かしいですが

おはようございます!
 
セピア色の写真が出てきました。
 
病院創業期の木造の建物です。
鉄筋コンクリの建物に慣れていると、
木造の建物はとても儚く見えます。
みしっみしっと歩く音が聞こえそうです。
 
隙間風を思わせるこのような小さな建物で
患者さんを診ていたのかと、
先人の苦労がしのばれます。
 
貴重な写真です。
 
翻って、今です。
 
何枚の写真が撮られているでしょうか?
きっと数百倍、いや数千倍の写真が
撮られているでしょう。
 
ブルーインパルスが飛んできたとなると、
大抵の人がスマホを向けて写メを取ります。
 
ブルーインパルスの
あっという間の飛行を
生身の目に焼け付けている人は
どのくらいでしょうか。
 
美味しい料理が出てくると、
とにかく写メを取る人が増えました。
 
あまりに美味しくて、
写真を撮るのを忘れましたと
SNSに投稿するくらいです。
 
香りをたのしみ、
食感、味をひたすら楽しむ人は
どのくらいなのでしょう。
 
今に集中するのではなく、
過ぎ去ってしまう今を記録し、
保存するのです。
 
保存する倉庫は、
パソコンやスマホで
ほぼ無限にスペースがあります。
過去を楽しむために、
次から次へとそこに保存するのです。
 
DX技術はそれを可能にしてくれました。
 
保存した写メを見ると、
その時を思い出し楽しいものです。
 

 
ただ、養老孟子さんは
情報化とは固定化だといいます。
 
人間は時々刻々と変わる動物で、
固定化されたものではありません。
 
朝起きたら、
同じ自分のようでありながら、
昨晩寝る前の自分とは違うのです。
 
諸行無常なのです。
 
先のことを考え、
楽しみにしたり、心配したりするものです。
 
写メを無限に撮り、保存することにより、
過去を楽しめるようになった反面、
先のことに思いをはせる時間が
減ってはいないか?
と気になります。
 
エクセルを使うとエクセルの思考になり、
ワードを使うとワードの思考になり、
パワポを使うとパワポの思考になります。
 
ツールは人の思考を無意識に制限します。
 
写メを使うと写メの思考になり、
もしかすると先に思いをはせる時間が
減っているかもしれません。
 
今日もよろしくお願いします。
 
安島

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