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「リライト」の監督は胸を張れない

「リライト」…筆者が放送部の活動で制作したテレビドラマ。第71回NHK杯全国高校放送コンテストの創作テレビドラマ部門にて準優勝。

全国前は県大会1位、全国後は準優勝という噂を聞き付けた色々な人から言われることがある。

「雄仁凄いじゃん!」  と。

確かに、成果としては十分良いものである。これからの我が校の放送部に名を残す作品となるかもしれない。
しかし、私は言われる度に思うことがある。

「私が凄いわけじゃない。」  と。
私にとって素直に受け取れない言葉なのである。

私はこの作品で監督のみならず、脚本や編集、しまいにはキャストまで勤めた。制作期間なんて冗談抜きで毎日登校し、制作に取り組んだ。

しかし、しかしである。NHK杯が今だから言えることなのだが、この作品、実はかなり顧問の先生に手助けをいただいた作品なのである。
構成、脚本は主に私と顧問の2人で組んだ。時折ヒマリ(方言女子)にも助言を貰った。
極めつけは今回の映像の画角は殆ど顧問が決めたのである。

なぜそうなったのか。
私は今までずっと「1人」でドラマを制作してきた。1人と言ってもキャストとして他の生徒を出演してもらったが、それ以外はずっと心は「1人」だった。故に私は誰にも相談などせず、独学で制作してきた。
そして結局県では決勝進出した事の無い残念な部長が形成されたのである。
それを顧問のO先生に話すと、「一緒にやろうよ」と言われた。ちなみに私はその言葉で泣いた。
それから私はドラマのノウハウを教えてもらいながら制作していった。
これが「リライト」制作の秘話である。

「じゃあそれで複雑な気持ちなってンのか?」という声が聞こえてきそうである。
もちろんそれもある。しかし、真に思うところはそこでは無い。

「この作品は、私たちの作品」である。

私だけの作品ではない。キャストとして出演してくれた女子4人、裏でカメラやマイクを構えてくれた1年生、ノウハウを教えてくれた顧問のO先生、そして、3年間見守ってくれたもう1人の顧問、N先生。みんなの思いが籠った作品なのだ。

それをあたかも「雄仁の作品」と思われるのが嫌なのである。

「リライト」で伝えたかった事がある。
それは、「仲間の存在の大切さ」である。
放送活動とはチームで動くものである。一人で出来るものではない。
これを読んでくれている放送に携わる中高生。しっかりと心に留めておいて欲しい。

すっかり長くなってしまった。今回はこれくらいで。
「リライト」を観てくださった方。サムネの画像、どこか分かるかな?
では、さらば。

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