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最高の入社体験の創出を目指して

iCARE エンプロイーリレーションズ(ER)の安田です。
今日はERとして新入社員の入社体験向上のために取り組んだ施策についてお話したいと思います。
この話は、ERというチームのミッションのど真ん中の話ではないのですが、入社体験向上を通して、従業員と会社の関係、従業員同士の関係の向上を図る。そういう意味では、ERとしての重要な仕事の一つだと考えています。

なぜ入社体験の向上が必要だったか

まずなぜ入社体験の向上が必要だったかについてお話したいと思います。
私が所属するERはPeople Experience部に属しておりますが、私がPeople Experience部にジョインしてまもなくこの入社体験の向上に取り組もうという話が持ち上がりました。

なぜでしょうか?
いくつか要因はあります。
1つ目の大きな要因は、ここ1年位の間で一度に入社してくる新入社員の数がどんどん増えてきた、という事情があります。一度に入社してくる社員数が少ないうちは、仕組み化が整っていなくても受け入れる側が手厚く対応すれば、それほど大きな不備や不満に繋がりませんでした。ところが一度に入社する社員の数が増えてくるにつれて、受け入れる側の負担が増え、仕組みが整っていない状態だと、抜け漏れや対応の遅れ、新入社員入社後のスケジュールが決まっていない・決まらないといった様々な問題が起こるようになりました。
それに伴い、入社後面談の中でも新入社員がオンボーディングに苦戦する様子が浮かび上がってくるようになりました。
またオンボーディングする側からの不満の声も上がるようになりました。

そうした背景の中で、入社体験の向上の話が持ち上がり、ERがその解決に当たることになりました。

状況のアセスメント

入社体験の向上に取り組むに当たりまず始めたのは状況のアセスメントです。

  1. 各部署でどうやってオンボーディングをしているか?

  2. 各部署でオンボーディングの上で困っていることは何か?

  3. People Experience部でどうやってオンボーディングタスクをこなしているか?

主に上記3つのアセスメント、ヒアリングから開始しました。

各部署のヒアリングを通して、いくつかの課題が浮かび上がりました。

  1. 各部署側で、People Experience部の各担当が入社準備、オンボーディングタスクとして何をしているかわかっていないため、部署固有でない全社共通でできるオンボーディングタスクを担っており、無駄が生じていた。

  2. 各部署側で、People Experience部の各担当がどんなタスクをいつまでに実施する予定なのか知らないため、それに依存するオンボーディングの予定をたてるのに苦戦していた。

  3. 各部署側で、People Experience部の各担当が実施するタスクの状態(作業中、完了等)を把握する手段が無いため、自分たちが期待する期限までに期待された状態になっていない時に、都度People Experience部の各担当に問い合わせ、無駄なやり取りが発生すると同時に、双方大変な思いをしていた。

  4. People Experience部のオンボーディングタスクの抜け漏れ、遅れにより、各担当への無駄な問い合わせややり取りがあった。

またPeople Experience部内でのアセスメント、ヒアリングを通してもいくつかの課題が見えてきました。

  • 新入社員迎え入れに関するタスクは、タスクとしてBacklogを使って管理していたが、自分たち(自部署内のメンバー)にしか見えない状態にしていた。

  • タスクは集合的に扱われ、一つ一つのタスクがいつまでに完了するのか不明な状態だった(一つ一つのタスクが期限をもっていなかった)。

  • タスクが完了しても、各部署側に完了が知らされる仕組みがなかった

解決法を検討

こういった状態を踏まえて、それを解決する手段をまずはPeople Experience部内で議論しました。
まずはその時点で課題管理に使っていたBacklogの使い方を改善することがまず真っ先に上がりました。
その時点では、一人の新入社員の準備として必要な複数のタスクを一つの課題として扱っていましたので、それを複数の課題にバラすことを検討しました。
ところがそうなると一人あたりにつきたくさんある課題をBacklogに登録することそのものの煩雑さが問題になりました。CSVでBacklogに課題をバルク登録することも検討されましたが、そうすると今度はCSVの管理が煩雑になり、どちらも結局は大変そうということになりました。

具体的な解決方法

そこで今度はベタではありますが、スプレッドシートにチェックリストを作り、そこでオンボーディングに必要なタスクを管理する方法を検討しました。
これはいかにも面白みのない方法ではありましたが、自分たちが最低限必要としている課題を全て解決してくれることがわかりました。

チェックシート(のテンプレート)

スプレッドシートの列として次のような項目を用意します。

タスク(上記画像内の「期待される状態」)、担当、予定日ルール、期限(予定日)、実施状態を表現するチェックボックス

採用担当を起点にしてこのチェックシートを使って、新入社員の入社準備を進めていきます。
各部署のオンボーディング担当も入社一週間前には確定させ、People Experience部の各担当と一緒に入社に向けて準備を進めていきます。

関係者全員が黙っていても期限を守ってタスクを実施してくれる、という夢のようなことはさすがにおこらないので、期限がきたらERが「タスクが実施されていませんよ」と各担当にリマインドをかけていきます。
このリマインド(しつこいリマインド)によって各タスクは期限に合わせて確実に実施されていきます。

こうした取り組みによって、取り組み以前に問題だったオンボーディングに関する課題が解決されていきました。
具体的には下記のような改善をすることができました。

  • 部署固有でない全社共通でできるオンボーディングタスクがきちんと可視化され、People Experience部が全社共通のタスクとして集約的に担うようになった。

  • People Experience部のオンボーディングタスクの予定と実施状況が可視化されたことによって、それに基づき各部署が早期にスケジュールをたてられるようになった。

  • People Experience部のオンボーディングタスクの実施状況が可視化されたことによって、問い合わせ、無駄なやり取りがなくなった

  • People Experience部のオンボーディングタスクの抜け漏れ、遅れがなくなった

  • 入社後面談で新入社員から「放置されぎみ」といった不満を聞かなくなった

なお、このチェックシートは、現在「入社体験状況管理シート」という名前で運用しています。
ちょっと長ったらしいですが、People Experience部や各部署のオンボーディング担当が「自分たちの」タスク管理のためではなく、「新入社員の」最高の従業員体験を創出するためのツールであってほしいという願いを込めています。

この思いはPeople Experience部のメンバー間でしっかり共有されていて、このシートを使った入社体験が日々向上していることを実感しています。各タスクが丁寧に実行され、足りない項目は追加され、不要になった項目は削除されていっています。People Experience部のメンバーの努力と工夫で、運用をはじめてまだ約2ヶ月にも関わらず、様々な最適化がされています。

とはいえ、この「入社体験状況管理シート」もまだまだたくさんの改善の余地を残しています。あるいはスプレッドシートを越えて、もっと最適なツールに進化させていく必要があるかもしれません。最高の従業員体験の実現を目指して、最高の仲間と一緒にさらなる高みを目指していきたいと考えています。

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