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転職活動という名の47の星巡りについて

安田です。
株式会社iCAREを今月末で正式に退職することになっており、現在転職活動中です。
昨年11月末にTwitter(およびnote)で退職エントリーを書かせていただいてから、たくさんの企業様よりお声掛けをいただきました。

お声掛けいただいた皆様には心から感謝しております。

47社とお話させていただきました

現在約2か月がたった今も、実はまだ転職先を決定はできていないのですが、数えてみたら47の企業様とカジュアル面談もしくは面接をさせていただいていました。
47という数字は、一部を除いてお声掛けいただいた企業様もしくはご紹介いただいた企業様全てとお会いした結果の数字です。
予定が立て込みすぎてお断りをせざるを得なかった企業様や、僕の能力・関心から大きく外れているので遠慮させていただいた企業様もいくつかありましたが、基本的にはお声掛けいただいた企業様全てとお会いするようにしていました。

なぜ47もの企業と面談をしたのか?

47社とのカジュアル面談と聞くと、転職のために無思慮にたくさんの企業様とお話をしていたと思われるかもしれません。
しかし、必ずしも何も考えずにそうしていたわけではありません。

実は今回の転職にあたっては、「こういう会社でこういう役回りをしたい」といった希望をあらかじめ用意していませんでした。
というのは、以下のような問いの答えを正確に持っているという自信がなかったからです。

  • 世の中にどんな会社やサービスがあるのか?

  • エンジニアとして自分にどういう価値があるのか?

  • 自分が何をしたいと思っているのか?

なので、カジュアル面談を通して、様々な方のお話を聞きながら、それらの問いの答えを明らかにしたい、という思いがありました。
どんどん変わっていくWeb市場、エンジニア市場の中で、未知の世界がたくさんあることは容易に想像できましたし、自分が漠然と思い描いている自己イメージの解像度を上げたいという思いもありました。

もちろんカジュアル面談の前にもっと情報収集すれば、もっと的を絞ることはできたかもしれません。
ただ、僕としてはいろんな会社の話を直接聞きたいというもう一つの動機がありました。

たくさんの会社のお話を聞きたかった理由

それは、いろんな組織での採用やらマネジメントの手法・実態を知りたい、学びたい、意見交換したいという動機でした。
私はiCAREでVPoEとしてエンジニア採用や開発組織マネジメントに取り組んでいたので、他社がどのような工夫や取り組みをしているか非常に興味がありました。
なので今回の機会を通してそれも同時に実現したかったのです。

実際どうだったか?

世の中にどんな会社やサービスがあるのかを知ることができた

実際、47の企業様との面談はとても有意義でした
まずたくさんの会社とお会いすることで、広く世の中にどんな会社やサービスがあるのかを知ることができました。

今回お会いした企業様の規模はまちまちで、すでにかなり大きくなった企業様もあれば、まだ起業したてで一人だけでやっている会社様もありました。
僕に関心を持つ企業なのでスタートアップの企業がほとんどなのですが、それぞれの企業が革新的なソリューションで世界を変えようとしていて、それを技術責任者や代表自らが面談の中で語ってくださるわけです。

その世界観の面白さ、事業に対する熱意、それぞれの現実との熱い戦い。
それらは本当に刺激的でした
それぞれが固有のドラマを持っており、さながらとても魅力的な47の小説を読んでいるように感じました。

単なる情報だけであればネット上にも存在するわけですが、自分からも質問したり意見を交換したりしながら、それをインタラクティブに、より立体的に知ることができるわけですから、本当にエキサイティングな機会だったと感じています。

自分の知らない自分を知ることができた

自分にどういう価値があるのか?という疑問についても、面談を通してぐっと解像度を上げることができました。
他社の方が自分のどんな点に魅力を感じたかをお聞きすることで、それを知ることができましたし、何より他社の組織状況を知ることで、自分のマネジメントのどこがどの程度うまくいっているか、うまくいっていなかったかを知ることができました。
つまりは他社の状況を通して、自分のマネジメント力を計ることができたわけです。

自分が何をしたいか?については、面談を通して、自分が考えていた以上に自己認識できていなかったことを感じました。
例えば、自分は直近でBtoBの開発をしてきたわけですが、BtoCの会社のお話をお聞きし、自分がそこに身を置くことを想像してみた時、あらためて「あー、自分はBtoBの開発のこんなところに面白さを感じていたんだな」と気付きました。
また、スタートアップの場合は、いろいろな事業フェーズがありますが、それぞれの企業のお話を聞きながら、あらためて「あー、自分はこういうフェーズで仕事をしたいと思っていたんだな」と気づくこともありました。
おそらくですが、こうした気付きは具体的な企業やチームの話を聞かないとなかなか得られないものなのではないかと思います。

採用やらマネジメントの手法や実態を知る

それらの企業は当然いろいろな組織上、事業上の課題を抱えているわけですが、それもとても興味深かったです。

上記の通り、どの企業一つをとっても同じものはないのですが、それでも類似した壁にぶつかり、そこで類似の解決を試みたり、類似の仕方で苦戦したりしています。
そうしたお話を聞く中で、自分が取り組んできた課題の何が他社と共通した普遍性の高い課題で、それに対してどうするべきだったか?を整理したり反省したりすることができました。

また、それとは逆に、僕がぶつかってきたような問題に対して、僕の気付かなかったような解決方法を採用して成功しているようなお話もありました。
そうしたケースでは自分の不勉強さを痛感するとともに、そのお話を聞くことで自分がマネジメントにおいて一つレベルが上がったような気がしました。

カジュアル面談は他流試合だ

これらの面談を通して直接様々な知識・意見を吸収できたことも有益でしたが、もう一つ有益なことがありました。
それは、これらの面談を通して、自分の無知さ、ものの見方の浅薄さを知らされ、それを通して成長や学習への意欲が高まったことでした。

すごく具体的な例だとたくさんの企業の方が「チームトポロジー」の語彙を使って話されたり、会社の紹介資料に含められていたりしました。
僕自身は、というとその用語がチームトポロジーから来ている程度の知識はあるけれども、実際は本を読んでいないので、よくわかっていない。
これは「こいつ全然知らんなー」って思われないためにも、面談の会話を成り立たせるためにも読まねば!とプレッシャーがかかって慌てて読みました。

ほかにも類似のことがたくさんあり、恥をかかないためにも?この機に実にせっせと読書をしました
また、例えばマネジメントに関する考えや経験をお話しする機会もたくさんあったのですが、それを繰り返す中で自分の中で考えが整理されていき、あらたな視点や世界観にたどり着くこともありました。

カジュアル面談は、他流試合みたいなものなのかもしれません。
見知らぬ相手と試合(面談)をさせてもらい、自分の道場(自分の会社)では学びえないものを学ぶ
今回たくさんの企業様のお話を聞くことで、いわばたくさんの道場で他流試合をしてきたのと同じような学びと成長を得られた気がしています。

カジュアル面談は転職・採用だけに利用するのはもったいない

上記の通り、カジュアル面談がもたらすことができる世界はとても豊かです。
星の王子様が様々な星巡りをする中で本当に大切なものに気付くように、様々な会社とのお話を通して、世界と自分を知り、何を大切にしなければならないかを知ることができます
なので、カジュアル面談を、次の職場を探すためのツールとしてのみ利用することは本当にもったいないことだと感じています。

以下のような、いろいろな目的で活用できるはずです。

  • 世界を知る

  • 自分を知る

  • 自分を成長させる

  • 新しいつながりを作る

  • 社会と自分がよりよく適合された世界を探る

カジュアル面談をすることで、外の世界を知り、その知識を今自分がいる会社に生かす
そんなカジュアル面談の活用の仕方もすごく良いのではないかと思います。

今の会社で何かうまくいかないからカジュアル面談でその原因を探る。
そして、他社の在り方を知り、今の会社でうまくいっていないことをうまくいくように工夫できるようになる。

今の会社で何かもやもやしていることがあるからカジュアル面談を通してそれが何かを探る。
他社でも類似の課題を抱えていることを知り、今置かれている状況に納得し、気持ちを新たに仕事ができるようになる。

そんな利用のされ方も素敵なんじゃないかと思います。

こうしたことが実現するためには、カジュアル面談をする会社側も、なんとしてでも採用したい、といったスタンスではなく、広く緩くつながりを作る機会としてカジュアル面談をする、というスタンスをとれるとよいのではないかと思います。僕自身も今後、採用と関わる立場になった場合、そのようなスタンスでカジュアル面談をしたいと思っています。

転職活動をしない人もカジュアルに話そう!

今回の体験を通して強く思ったことは、転職を考えている人も、考えていない人も、知見を広げるため、成長をするためにどんどんカジュアル面談を利用したほうがいい、ということです。

採用という局面に限定されずに、どんどんお互いを紹介しあい、自分の価値を知ったり、お互いを高めあったりする。そういう中で自分にピッタリな場所が見つかったのであれば、それが自然と転職につながる。そんな世界が理想なんじゃないかと思っています。

フィードバックも相談も可能です

今回たくさんの企業の方々に貴重なお時間を割いていただいたことには本当に感謝しております。カジュアル面談および選考に関するフィードバックはテキストでさせていただきましたが、もし情報として不十分だと感じた企業様、いらっしゃいましたら、お時間いただけるようであればもっと丁寧に対面でフィードバックできますので、その場合はDMにてご連絡ください。

また、転職を考えている、とかカジュアル面談を利用してみたいと思ってるがどう活用するのがよいかピンと来ていない、とか、そういう方がいらっしゃいましたら、今自分はホットな感じで相談に乗ることができると思いますので、ぜひお声掛けください。
一応、Meetyでもテーマを作成してみました。こちら

で、今の転職活動の状況は?

数社まで絞り込んでいる状況です。
素晴らしい会社がたくさんあって絞り込むのが本当に難しいです。
フェーズ的には最終コーナーを回ったくらいのところにいるのかなと考えています。

転職先が決まりましたら、
どこに転職したか?
なぜそこに決めたか?
について、また書きたいと思っています。

長文お読みくださりありがとうございました。

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