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顧客のことを知らなかった元エンジニアが、現場ドリブンのカミナシに入社した経緯


はじめに

はじめまして、カミナシでPMをやっているtakasuといいます。

カミナシには2023年3月に入社し、ちょうど半年がたちました。少しずつ業務にも慣れ始めてきたこのタイミングで、あらためて「なんでカミナシに入ったんだっけ?」を振り返ってみるべく、入社エントリを書こうと思います。初心忘るるべからずってやつですね。

振り返りを始める上での前置きとして、前職での業務を説明しておくと、開発まわりのことはなんでもやる要員(エンジニア)として、サーバーサイド、フロントエンド、プロダクトデザインなどを周囲の手を借りながら、浅く広く手を出すような働き方をしておりました。
そんな人間が、カミナシで働くに至った経緯を振り返ってみます。

顧客を知らずに開発をしていた

前職では、約3年の時間を1つの事業に費やしてきました。それは立ち上げからクローズまで開発に携わった会議改善サービスです。

入社前から、ほとんど毎日何度も行うにも関わらずうまく運営できない会議に対して強い課題感を持っていたこともあり、前職の事業責任者からの誘いを受けて「時間がかかる割に成果が出ない会議っていうものが、なんとかなるなら一緒にやってやろうじゃないか」と、課題もソリューションも決まっていない中で参画することを決めた記憶があります。

そこから1年半ほど時計の針を進めたある日、事業責任者の退職の一報が社内を飛び、社内は慌てふためきました。
その退職は単に1つのポジションに欠員が出たというだけではありません。
当時は目の前の開発生産性を重視するために、すべての顧客コミュニケーションを事業責任者に集約していました。
その結果、残ったメンバーは顧客のことを何も知らない。初期からいる自分でさえ、会ったことがある顧客は1名のみといった状況でした。
これから事業を伸ばすには何をどうすれば良いのかという指針を失ってしまった。そんな自分たちがすがったのはプロダクト作りの基本に立ち戻ることでした。

「誰のどんな課題をどうやって解決するか」
その基本に立ち戻った時に、誰も何も言えない状況でした。会議の課題がたくさんあることは知っているんです。でも、自分たちがどの課題を解くのか、それを一言で言い切ることはできませんでした。
これまで何を目指してサービス開発をしていたのか…という後悔は大きかったものの、立ち止まっている時間(とお金)がなかったので、解くべき課題を探しに、会議改善したい!という顧客候補の方々にお願いして、商談という名のヒアリングをしてまわりました。

抽象的な課題設定

そんな中で定義した課題が「社内の会議の生産性が低いこと」。
今振り返ると「抽象的すぎる…!」と心の声が漏れ出てしまいます。

この課題を要素分解をした上でソリューションを当てていくというプロセスをとっていたのですが、課題が抽象的だとソリューションをどれだけ当てても、課題が解決されたか、もしくは課題が良くなかったか、といったことがわかりづらくなってしまう。それに気づかないままサービスを作りはじめていました。

その結果、顧客からも一定の共感は得られるものの、大きな売上は立てられない。内容そのものが間違っているわけではないから、「そんなことに困っていない」といった課題への否定の声も上がってこない。
サービスを使ってもらうとNPSやユーザーヒアリングからも、一定の価値を提供できていることが測れていました。しかし、受注率が跳ね上がるとか、顧客の社内で一気にエクスパンションするとか、そういった売り上げに直結する大きな変化を生めない。クリティカルに現状を変える一手が見つからない。そんな状態でした。
当時は「この大きな課題を解決するにはまだ機能が不足している」という話をしていた記憶があります。出口のないループに脱出する術を失っていたようです。

目の前の顧客の課題に向き合う

この後、課題設定の再定義など舵を取り直そうとしたのですが、最終的には大きな成長曲線を描ききれずに事業撤退が決まりました。
そこからは、もくもくとクローズ作業をしながら、何があればこの状況をより良い方に変えることができたんだろうか…と考えるような時間を過ごしていました。

その中で、たどり着いた答えが「ああ、解くべき課題が抽象的すぎた…」ということでした。(あくまで個人的見解です)
自分たちがいずれ解きたい抽象的な課題があることが悪いわけではないですが、最初に解くべき課題をもっともっと具体的にしないとだめだったと思っています。

抽象的な課題設定からプロダクト作りを始めてしまったことで、価値提供するために課題を構成する複数の要素をまとめて解く必要があり、その結果、それぞれの要素が課題解決にどれくらい寄与したかの検証が難しくなり、また検証を進めるためにも、長期の開発期間を必要としてしまいました。
より具体的な課題設定から始めることができれば、解くべき課題が定まり、解決策もよりシャープなものとなるため、価値検証が短期間で実施しやすい。結果として、課題や解決策が間違っていた時にも、早期に軌道修正の判断をしやすいはずです。

目の前の顧客に向き合い、より具体的に、これを解くことができれば顧客に価値提供できる、そういった課題を設定することから始めないと、良いプロダクトを作ることは難しい。
そんな学びを元に、次の挑戦の舞台では、目の前の顧客にきちんと向き合い、顧客が本当に困っている課題の解決に取り組みたい。その軸で企業を探そう…と言う中で出会ったのがカミナシでした。

左じゃなくて右をやるべきだった

課題解決の先にあるもの

カミナシの取り組んでいる課題を知った時は、確かにお客さんがものすごく困っていることは理解できるんだけど、現場での業務へのドメイン知識がなかったため、課題への共感は難しいなと思っていました。

そんな中、COO河内さん(ユッケさん)とカジュアル面談をさせていただく機会があったのですが、その他の面談をした企業と比べても、カミナシのビジョンはその解像度が高く、ビジョンを実現すると、現場の人たちの働き方がどのように変わっていくのかを想像ができ、とてもワクワクしたことを覚えています。

カミナシに出会うまでは、ビジョンってその会社の標語くらいのものなんだと思っていました。(反省してます)
ビジョンは目の前の課題を解いていくことが、将来どこに繋がっているのか、どこを目指しているのかを表しているんだ、と知りました。
そうしたら、入社前に顧客課題に共感できるかはそれほど重要なことではなく、それよりも、課題解決の先に何を達成しようとしているのか、それに共感できるかが重要なんじゃないか。面談・面接を進める中で、そのように思えるようになったこともあり、最終的にカミナシへの入社を決めるに至りました。

最後に

前職でやりきれなかった、目の前の顧客にきちんと向き合い、顧客が本当に困っている課題の解決に取り組むこと。そして、その結果として事業を伸ばしていくこと。これらはまだ実現したとは言い切れません。
本当に困っている課題は何なのか?課題を解決することで価値は生まれるのか?課題は解決できたのか?顧客に価値を提供できたのか?といったことを一つ一つ明らかにするべく、日々挑戦の毎日です。

末筆ながら、カミナシのサービスやビジョン、向き合っている課題などに少しでもご興味を持っていただいた方はぜひぜひカジュアルにお話しさせてください!
PMも絶賛採用中です!


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