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パンデミックを抑えるのは互いを避けることではなく、協力し合うこと。アリババ財団が69ページに及ぶ 「新型コロナウイルス感染症対策ハンドブック 浙江大学医学院付属第一病院の臨床経験(日本語)」を公開。みんな読もう!

中国にいる友達からリマインドがあって、リリースされたばかりの新型コロナウイルス感染症対策ハンドブック 浙江大学医学院付属第一病院の臨床経験を見ることができた。オンラインで公開されていて、誰でも読める。アリババクラウド上で配布されている。英語、イタリア語、スペイン語、フランス語、日本語で対応されていて、日本語のリンクはここだ。

Covid-19対策のプロが平易にまとめた医療機関向けガイドブック

フルカラー69ページの立派な報告書は、実際にCovid-19の治療に当たった浙江大学医学院付属第一病院(アリババのお膝元だ)のスタッフを中心にまとめられたものだ。
前書きにはこうある。

これまでの約50日間で、当院は確定診断された104名の患者の治療にあたりました。そのうち、重症、危篤患者は78名でした。医療スタッフは非常に大きなストレスと危険の中で、医療スタッフ感染ゼロ、感染患者の診断見落としゼロ、危篤患者死亡ゼロという3つの奇跡を成し遂げました。

これはまさに奇跡であり、宝です。新たな疫病に最も早く襲われた中国では、隔離や診断・治療、防護や回復ケアまですべてがゼロからのスタートでしたが、このハンドブックを出版することで、この特殊な戦場で戦っている他の国々の医師や看護師が私たちの経験から多くを学び、わたしたちと同じように手探りで対処せずにすむことを願っています。

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医療機関向けとは言え、内容はわかりやすい

医療機関向けとは言え、内容はわかりやすい。図や箇条書きも多用されている。

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これは確実に感染者がいる病院内に向けたもので、日常生活を送るためのものではないが、「感染症対策とはどういうものか」を僕みたいな素人が知る訳には立つ。
(一般向けには日本の東北大学が中心になって◆新型コロナウイルス感染症市⺠向け感染予防ハンドブック[第2版PDF]が配布されている)
プロがプロに向かって書いたものだけあって、記述は明快で具体的だ。

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僕らがこれを読んで素人診断するのはやめたほうがいいが、「感染症対策とは何か」「今はどういうことができているのか」などの理解を深めるやくには、充分経つ。消毒についての記述は一般生活でも有用だろう。

なにより、きちんとしたプロの情報を、なるべく最適な形で届けてくれる、日本語にも翻訳してくれたのは、ありがたいことだ。重たいPDFでも、アリババクラウドに置いてくれたなら安心できる。

デジタル技術で来院を減らせ

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デジタル大好き中国の編集だけあって、デジタル化についても有用な対策を書いてあるのはすばらしい。改めて、「病院に行く人が増えすぎないように、様々な手段で減らす(最適化する)」ことが大事なんだな、と理解できる。
アリババがこの部分にあるような病院の予約システムを作って外国に提供する、みたいなことも始まるだろう。

パンデミックを抑えるのは互いを避けることではなく、協力し合うこと

具体的な記述ばかりのこのマニュアルで、謝辞に込められたメッセージが最高に熱い。この謝辞だけでも、読む価値はあるんじゃないかな。。。

今回のパンデミックは、グローバル化された人類が共に立ち向かう戦いです。今こそ、この戦いに勝利するために、リソースや経験、また得られた知見を分け隔てなく共有しなければならないと考えています。パンデミックを抑えるのは互いを避けることではなく、協力し合うことだからです。この戦いは 始まったばかりです。

とにかくみんな読もう。読む人を増やしたくて、このエントリを書きました。日本語のリンクはこちら。


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