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1010benja, Kaleah Lee…最近のおすすめ 5 Best Songs:2024-7

最近の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 Best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。

Spotifyのプレイリストも更新してます〜


1010benja

アメリカ・カンザスを拠点に活動するアーティスト/プロデューサー、1010benjaがデビューアルバム『Ten Total』をリリース。2017年ごろから活動していて、Pitchforkは彼の才能に昔から目をつけていたみたいですね。先行シングルから追っていましたが、アルバムの1曲目からすでに爆発的な才能を秘めていると確信できるような始まりで、ゾクゾクしました。全体的に2000年代のR&Bのムードに、現代的なヒップホップのドリルやトラップなどを掛け合わせてサウンドが特徴的で、そこに彼の独創的で狂気じみた音楽性が交わることで、中毒性の高い作品に仕上がっています。メロディアスでエモーショナルなハイトーンボイスから矢継ぎ早なラップのフロウまでをこなす幅広いスキルも素晴らしく、彼の歌声が入ることで、より郷愁を誘う感じが加わっていいですね。個人的にはRalphie ChooBilly Lemos、Jim-E Stackなどに通ずるような、類い稀な才能を持ったプロデューサーであり、ソングライターだと感じています。


Kaleah Lee

カナダ・バンクーバーを拠点に活動するプロデューサー/SSW、Kaleah LeeがデビューEP『Birdwatcher』をリリース。SearowsやLeith Rossといった新進気鋭のシンガー・ソングライターとともに去年ツアーを回ったりと徐々に注目を集めています。主にアコースティック・ギターのストロークと彼女の浮遊感のある澄んだ美声が絡み合った弾き語りスタイルで、その隙間で生まれる余韻が心地良く、酔いしれるよう。全体的に静寂でメランコリックなムードでありながらも、優雅で心に平穏を与えてくれる作品に仕上がっています。Adrianne LenkerからPhoebe Bridgers、Skullcrusherなどに通ずるような洗練されたアーティストかと感じます。


de clair.

スウェーデンのシンガー・ソングライター、de clair.がデビューEP『hiding mountains in the palm of my hand』をリリース。Leonard CohenやBob Dylan、Björkなどのクラシックなアーティストから影響を受けてきたという彼女。今作で作り上げる音楽性は、フォークを中心にアンビエントやニューエイジなどをミックスさせたもので、奥ゆかしく柔和なサウンドがとても心地いいです。特に彼女の伸びやかで優美な歌声は心に安らぎを与えるよう。全体的にミニマルなサウンドデザインで、彼女の歌声に焦点を当てつつ、そこを囲うようにノスタルジックなピアノや温もりのあるアコギなどが溶け合い、シネマティックなムードも生み出しています。Okay KayaやUma、Cocoなどが好きな人には刺さるアーティストかと思います。


Cousin Kula

UK・ブリストルを拠点に活動する5人組バンド、Cousin Kulaが新作アルバム『Vitamin D』をレーベル〈Rhythm Section International〉からリリース。私は今回で初めて知ったのですが、ジャケットとは反する洗練された音楽性に惹かれました。
サイケデリックやソウル、ジャズ、ファンクなどを取り入れた、異国情緒も漂うグルーヴィーなサウンドがとにかく最高。そこにメロウなファルセットヴォイスも加わることで、陶酔的でメロディアスな雰囲気を作り出しています。Toro y Moiのチルウェイヴから、King Gizzard & The Lizard Wizardのサイケさ、Khruangbinのエキゾな感じ、BAD BAD GOOD NOTばりのグルーヴ、それらを組み合わせた独創性の高いサウンドには痺れました。


Ethel

フランス・パリを拠点に活動するアーティスト、EthelがデビューEP『The Burden Of Fever Dreams』をリリース。特にSamphaやJames Blakeなどから影響を受けているそうで、今作でもビートや上物のエレクトロニックサウンドが磨き抜かれています。
幻想的で夢見心地な歌声に、幽玄でとろけるような電子サウンドが溶け合い、終始陶酔的な作品に仕上がっています。R&Bやエレクトロニック、IDM、ヒップホップなどを織り交ぜた、ダークでY2Kなムードを含んだ音楽性は、FKA TwigsやJoji、Wetなどを彷彿とさせます。これでデビューEPなので今後もさらに伸びていくこと間違いなしでしょう。


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