見出し画像

20240212 空砲(一時五十分)


三鷹に住んでいたころ、毎週土曜日は吉祥寺LOFTにはいっていたヤマハ音楽教室までエレクトーンを習いにいっていた。だいたい父に車で送ってもらっていたが、小学生3年生くらいになって確か母親と自転車でふらふら走って向かったこともあったようにおもう。いまその道をあるいている。4年生になって仙台に引っ越すタイミングでエレクトーンはやめた。練習が本当に嫌だったし、もう二度と鍵盤なんて触らないだろうなあとおもった。 (不思議な落書きと都市の情緒、吉祥寺の自販機にもふつうに落書きがある)ライブハウスで毎回ドリンクを交換するタイミングをまようが)村上さんがMCで源ちゃんに「バンドやめないでくださいね」って言っていたのを聞いて、そうとう込み上げるものがあった。高校時代にLOSTの「約束」などを聴いて金木犀の芳しい榴ヶ岡公園に爆死し、その流れで明日照らすにも出会ってしまい、当時つきあっていたひとに会って水戸の保和苑あたりをとことこあるけば、その背景にずっと村上さんの声が鳴っている状況があったから)海北さんの声、村上さんの声、音楽の良さとかそんなトリビアルなことじゃなくて、記憶に滲みてしまった声と街についてずっと考えていた)あまりにもお腹が空いていたので、ライブ後すぐにファミマにはいって適当につくね串みたいなのを買って、ぱくつきながら無意味に三鷹まで歩く。落書きがあって、車庫入れに苦戦している青い車があって、たまに中央線の通過する音が聴こえる。「きらきら輝いて目に浮かぶんだよ」(夜の吉祥寺のはしっこだ)むかしすごく信頼していたひとにCDを渡してみたら「わたしはもう年をとってしまったから、こういう若々しい音楽は素直に聴けない」と言われた。高倉くんとちがって、うすぎたねぇおとなだから。その気持ちもよくわかった。)とても仲の良いともだちが居なくなって、もう二度と会えなくなったとき、「そういえばあのあと、結局セブンスター買えたのかなぁ」とかそんな、いまとなってはどうでも良いことをふと思ってしまうこと。いまとなってはどうでも良いことをふと、そんな風にだれかを密かにおもうこと


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?