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90年代の音楽を知らないアナタへ その42 THE SIGN(94)/ACE OF BASE アバ越え!?世界の頂点に!極上のスウェーデンポップ

突然だった。毎週見ていたビルボードTOP40という番組にエントリーしてきたACE OF BASEが何の前触れもなく躍進してきたのである。「ALL THAT SHE WANTS」という曲がクラブヒットしたためエアプレイとセールスが伸び、総合チャートでも赤丸上昇したのである。がしかし、この曲は誰が聴いてもラジオフレンドリーでもなんでもない単調なビートと、ロボティックな女性の声が印象に残るといえば残る。多くの無機質な要素はときに有機物のように雄弁であるように、この曲もまたメロディの美しさと、単調ゆえに込み上げてくるものがクセになる。

「ALL THAT SHE WANTS」はビルボードのヒットチャートをみるみるうちに駆け上がり、ついに全米NO.2という快挙を成し遂げた。当然このバンドにメディアの興味は集中することになり、音楽番組は「ALL THAT SHE WANTS」を流し続けた。

そして間髪入れずにリリースされたのがアルバムからのセカンドシングル「THE SIGN」である。

前作のヒットが追い風となり全米1位を獲得するまでには、さほど時間はかからなかった。クラブダンス色の強かった「ALL THAT SHE WANTS」に比べてこちらはキャッチーなメロディ路線のポップソング。曲を聴いたことない方はまず聴いて欲しいのだが、誰もが好きになる曲ではないだろうか。これがヒットしないわけはない。素直にそう思える。前回の無機質な女性ボーカルも、この曲ではイキイキとして歌を歌っていて、前作の鬱屈したダークな世界感から一変、リスナーにも新鮮で開放感を覚える。

この変貌によるギャップもあり、世界中でACE OF BASEブームが一気に爆発した。世界中のヒットチャートを席巻し、アバ以来の、いやアバを超えた人気のポップバンドとも称されこの94年はACE OF BASEの年ともいわれたのだ。

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