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歌謡曲レコード その11 来夢来人(79)/小柳ルミ子 イメージを覆したディスコ歌謡

この記事を作っている最中、筒美京平氏の訃報が飛び込んできた。数多くの名曲を世に送り込んでくださった名手であり、わたしが中でもおおいに気に入っている1曲がこの「来夢来人」である。

小柳ルミ子のイメージを良い意味で裏切ってくれるディスコ調の曲。「来る夢、来る人と書いて来夢来人」という頭に残るサビの歌詞とメロディ。よく意味は分からないw ただ、なにかカッコイイ。ディスコノリなアレンジと、この和風な歌詞のミスマッチが心地よい。

小柳ルミ子にとっては念願の筒美京平メロディだったが、その難しさに度肝を抜かれたと後に語っている。京平氏曰く「ルミちゃんは、歌を食べちゃうの。だからうんと難しい曲でルミちゃんを唸らせたい」と。その言葉どおり、リズムは変わるし、転調はするし、下から上までジェットコースターのようなキーの応酬。並の歌手ではやり遂げられない超難解であろうこの歌を、当時の小柳ルミ子はきっちりそれに応えている。ダリダのごとく煌びやかな衣装を纏い艶やかにうたう姿に歌の難易度をスルーしそうになるが、真っ向勝負に挑んでモノにした歌唱は全編聴きどころで本当にカッコイイ。

口ずさむ程度でもかなり難しいことに素人でも気づかされるのだが、それでも口ずさまずにはいられない。そういうところが筒美京平節なんだろうな。

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