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90年代の音楽を知らないアナタへ その43 U WILL KNOW(94)/BLACK MEN UNITED メジャーフィールドのゴスペルミュージック

ブラックミュージック好きにはたまらない映画サントラが90年代にはいくつも存在しているが、中でも忘れられないアルバムとしていつの時代にも手放せないでいるのが「JASON'S LYRIC」だ。

今ではあまりきかなくなったけど、90年代は映画のサントラから多くのヒット曲が生まれていた時代である。それも良質なR&Bが揃っているものが多く、サントラだからこその豪華なアーティスト同士のコラボなんかも目玉として収録されていることが多かった。

そんなサントラの魅力の最たるものがこの「U WILL KNOW」ではないだろうか。何が良いって、まずは本格デビューする前のディアンジェロが制作側に参加し、ブライアンマックナイトと共作したのがこの曲であること。さらにアコースティックギターにはレニークラヴィッツが参加。そしてお待ちかね、シンガーとして参加しているのが以下のアーティストである。

テヴィンキャンベル、アッシャー、ジェラルドレバート、ミントコンディション、ジョー、ブライアンマックナイト、キーススウェット、エルデバージ、アーロンホール、アフター7、アルビーショア、ボーイズIIメン、DRS、H−タウン、シルク、トニ・トニ・トニETC...

実力派が揃いも揃ってそれぞれの美声を聴かせてくれている。歌詞の内容は、夢にあふれていた子供時代が過ぎ、大人になった今は立ち向かうべき困難な現実が待ち受けているけど、人生は終わりじゃないし、悲観せずに、前を向いて生きていかなくちゃいけないんだぜ。ていう内容。

これがゴスペルばりなユニゾンの迫力とアドリブの応酬で、ノリのいいミッドテンポながら最後にはぐっと胸に込み上げてくるものがある。

現状、なんでも新型コロナウィルスに関連づけるのは良くないと思うが、毎日緊張感の続く今この困難に直面した人々の気持ちを少しでも軽くするものがあるとすれば、間違いなく音楽はそのうちのひとつなのではないかと感じる。この歌を聴いて、ほんの3分でも現実を忘れることができたなら。逆に現実に真剣に向き合い何かを変える切っ掛けになることができるのなら。

歌が歌えないわたしはその代わりに、この歌を紹介したいと強く思った。

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