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人情は、この苦しさを救わない

昨日見て「これにするか」と思っていた冷蔵庫が売り切れていました。違うの選ぶの面倒だよ。でも冷蔵庫無いと困るから急いで買わないと。いちおう今の冷蔵庫は冷凍庫が使えないだけで冷蔵庫としては、冷えはイマイチですが使えています。でも急に冷えなくなったらと思うと怖いから牛乳とか玉子は入れておけません。昨日で全部使い切りました。今、入れてあるのはソースやマヨネーズ、チューブのショウガやニンニクなどと梅干しや沢庵、キムチなど、納豆、瓶詰めのオイルサーディンなど。ピッチャーには水を入れてあります。冷えてはいます。

洗濯乾燥機最高などと思っていましたが、家電の王様はやはり冷蔵庫ですね。つくづく身にしみています。それにしても、この時期に狙っていた冷蔵庫が売り切れるということは、世の中あちこちこの暑さで冷蔵庫の調子がおかしくなっているということなのかもしれません。今年の夏は本当に厳しいからなあ。

娘の生理は終わったようです。ずっと続いていたのではなく、長かった前回が終わってから間を置かずに軽めに次が来たのではないかと思います。そういうことだと、昨日、娘が「日本語もわからない奴は死ねぇええええ」と暴れていたのも生理直後の状態だったのでしょう。そう思うことにします。

(元)妻は昨日の電話で「急に出てってからもうすぐ2年になる」などと言っていました。娘の独り言を聞かないで寝るとよく眠れるそうです。わかるわー、その気持、すごくわかるわー。出てってすぐにいい仕事を見つけたのに今年の正月に辞めてしまって、今は別の仕事をしています。お金が足りないので無心の電話をしてくるわけです。「人生でこんなに貢いでもらったのあとにも先にもないわ〜」などと言っていました。そのせいでこっちは冷蔵庫を買うのも悩んでいるというのに。まあでもこちらは家を出てった親不孝者の娘の心配をしている親の気分です。そろそろ金足りなくなってるだろうなと思うと電話が来るのです。まったく手間ばっかかけやがって、しょうがねえなあ。

若い頃に愛読していた『苦の世界』という小説があります。宇野浩二の自伝的小説で、うだつの上がらないままいい年齢になった主人公がわがまま放題でヒステリー持ちの妻に振り回されながら、たまに会う生活力のない遊び人の友人たちと浅草の遊園地に行ってカワウソに餌を上げたりメリーゴーラウンドに乗ったり安酒をあおったりする、ペーソスとどん詰まり感溢れる愛すべき小説です。その中に調子いいことばかりを嘘で固めた登場人物がいて「おまえはこれみたいだな」などと言われて憤慨した覚えがあります。当時、小説を書こうとしていた私が考えたペンネームは「鵜子氏男(うのこ・うじお)」です。『苦の世界』の作者の宇野浩二から拝借しました。若い頃の自分は本当にバカだったなとつくづく思います。

この小説には続編がありますが、残念ながらそちらは読んでいません。

『苦の世界』、若い頃は何度も読んだのに、もうしばらく読んでないなあ。今読んだらまた違う味わいがありそうです。久しぶりに読んでみるかな。

今、アマゾンのレビューを見て「オレみたいなこと書いてる奴がいる!」と思ったら20年以上前に自分が書いたレビューでした。

「人情は、この苦しさを救わない」

なに言ってんだ、オレ。

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