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トイレがあふれて大変なことに

帰宅したら娘は和室に移動して静かにしていました。買い物はしていません。夕飯はあるもので済ませたい。何があったかなあ。面倒だから今日もカレーにしてしまうか。娘の分はビビンバもあるな。いつもはフライパンで炒めて石焼ビビンバ風にするけど面倒だからご飯にそのまま載せるだけでいいか。でもその前に、昨日の夜に全部食べずに取っておいたココナッツサブレを食べてもらうか。

「ココナッツサブレ食べる〜?」

和室で静かにしている娘に声をかけます。

しばらくするとゴソゴソと動き出す音がして出てきました。

「本当、なんか食べるってことだけ反応するよね。あれ、なんでパジャマのズボン履いてないの?」

「トイレ、つまった」

「ん? ああ、流れた?」

「流れてない」

マジか。

「わかったから、パジャマのズボン履いたらココナッツサブレ食べていいよ」

「んあ」

さて、つまったトイレを見に行くか。

どれどれ。

うわっ。

これは……。

便器のフタは開いていて、中には大量のトイレットペーパーと血とうんこ。床はびしょ濡れでたっぷり汚水を含んだマットがなんだか無惨に丸められています。

これはひどいな。

トイレ内の床だけでなく廊下まで溢れていました。これは本当にひどい。ひどすぎる。

便器の中身は満杯状態です。これ以上は水を足してもどうにもならないはず。娘は流れない状態で何度も水を流して溢れさせたうえで床を拭いたトイレットペーパーをさらに便器の中に投入するからもうどうにもならないところまで行ってしまったのでしょう。これは一度だけでなく何度か溢れさせているのかも。よく見ると便座の外に茶色い線が。最低だ。

「あのさあ、トイレットペーパー沢山使いすぎるのやめてよ〜」

娘がトイレをつまらせるのはトイレットペーパーを大量に使いすぎた時です。これでもかと使うのです。マジやめてよ。

トイレのスッポンことラバーカップを使ってまずは便器の汚水を流します。なんというか、もう水に漬けたどろどろの紙粘土みたいな感じで、そこに血の塊やうんこが混ざっているのです。最悪です。

落ち着いて、ラバーカップをゆっくり押して、しばらく止めてゆっくり引いて。それを何度か繰り返すうち、どろどろのパルプのような汚物がスコッと流れて。それでもすんなりは流れません。どれだけトイレットペーパーを使ったんだ。今朝の段階ではホルダーのペーパーは替えたばかりで予備のペーパーも設置されていたはず。予備が無くなりホルダーのペーパーももうすぐ無くなりそうです。ということはつまりトイレットペーパーひとつ分以上突っ込んでるってことか。それはつまるよ。なんてことしてくれるんだよ。

とりあえず何度か水を流しつつラバーカップをざっと流します。ダメだ、しっかり掃除しないとラバーカップにくっついたうんこが取れない。でもその前に汚水が染み込んだマットをなんとかしなければ。

土曜日に洗濯したばかりのマットを持ち上げ、便器の上で絞ります。手袋しておけばよかった。後の祭りです。しっかり絞ってから洗面所へ運んで水に漬けておきます。予想はしていましたが、マットにもうんこが付着していました。勘弁してくれよ。

トイレに戻ってトイレットペーパーで床の汚水を拭き取ります。汚れたペーパーは便器の中で溜めずにこまめに流します。ここまで夢中で匂いもけっこうひどいことに気がついていませんでした。うんこだな。トイレットペーパーで何度も拭いてから泡ピタをスプレーしてさらに拭きます。ニオイ取りと殺菌消毒効果なのでこれで大丈夫なはず。便器の外側も必死で拭きます。だいぶキレイになってきたかも。もちろん便座も拭き取ります。裏側に汚水で柔らかくなった便がたっぷり付いていました。泣ける。泣かないけど。

トイレの床は何度かに分けて全部拭き取りました。匂いは泡ピタのおかげか、だいぶおさまってきた感じです。よかった。

洗面所に移動してマットを手洗い。付着したうんこは微量でした。よく洗い流してから洗濯機に投入。パジャマのズボンも洗濯機の近くに脱ぎ捨てられていました。トイレが溢れて慌てた時に汚水が付いてしまったんだな。これも手洗いしてから洗濯機へ。洗濯乾燥の標準コースですすぎ回数を増やしてから洗濯開始。

トイレに戻ります。匂いがまだするのは廊下にまで溢れた影響でしょう。泡ピタとトイレットペーパーでさらに拭いてから雑巾と床用のマイペットでこするように拭き取ります。おお、匂いが消えた。やっぱり原因はここだったのか。

匂いの残っていたラバーカップを洗います。柄の部分までよーく水で流して、カップの中も念入りに。なんとかキレイになりました。

私の足もシャワーでしっかり流しました。手も石鹸でゴシゴシ洗って流してすっきり。

汚水がつまっただけでなく便器から溢れ出した時の娘の絶望を思うと悲しいような面白いようななんとも言えない気持ちです。もうダメだッとか思ったんだろうなあ。可哀想だけど不思議とおかしさもあるんだよな。トイレがつまって床まで溢れたぐらいだと面白さのほうが上かな。

とっくにココナッツサブレを食べ終えた娘は私が夕飯を用意するのを待っているようです。でもその前に大事なことがあります。

「トイレ行っといで。つまってからトイレ行けなくて困ってたでしょ。すっきりしといで」

トイレから戻ってきた娘はいい笑顔でした。

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