見出し画像

Twitterで見かけていたズミクニさんの本が発売に

すみません、まだ買ってないです。

改めて思うけど、出版てやっぱ夢のある事業だと思いました。自分はすっかり業界の底辺で気持ちも荒んでいるわけですが(いや、そうでもないか)、当事者が書く(描く)ことでポジティブな結果を得られるという意味で、出版という事業はやっぱり夢あるよ。うんうん。

もうだいぶ前だけど、太郎次郎社エディタスという出版社がホームレスの写真集を出したことがあって、これもなんというか、自分はちょっとというかかなり出版の意義を感じさせられた本でした(と言いつつ買ってないんだけど)。

今の世の中のクリエィティブ信仰みたいな方向性に対して自分はちょっと鼻白む部分もあり、なかなかまっすぐに受け止めるのが難しかったりします。中退だけど東京藝術大学美術学部にも行っていたので(その前の東北大学理学部も中退だッ)、なんというか芸術に本気の奴は間近で見てたんですよね。(元)妻(東京藝術大学音楽学部卒)も私も芸術と真剣に(でもないか)向き合う連中のすごく近くにいたのに最終的に自分たちはそういう生き方と距離を取らずにいられなかったというか本気で渦に飛び込むには色んなものがまったく全然足りなかった(特に足りなかったのはつべこべ言わずに手を動かすことですが)、そういう悲しみ(でもないか)みたいなものを抱えていました(その割には(元)妻には「あんたは中退だけど私は卒業してるから」とマウントされていましたが)。

そういう意味で、クリエイターを支える出版という仕事は私の中で何かひとつ意味を持っているようで持っていないようで、出版の仕事と言っても私の場合は裏方系の実務系の仕事一筋なのでなんかそういう実感もあまりなく、ただ、たまに他社さんの本などで「おおっ」と忘れかけていた何かを揺さぶられたりすることもあったりなかったりなのです。

まあでも、本当、夢のある仕事だと思います。夢はないけど夢はあるみたいな。小零細の現実は夢どころじゃなくて大変だったりするのですが、まあ、なんというか、それでもやっぱり夢はある、みたいな。いや、どうかな、よく考えるとわからないな。あんまり夢のない話も多いからな。そして私自身はどちらかと言うとのレベルではなく明らかに夢の無い話をし続けている、実際仕事でも夢みたいな話はしないです。なんというかあんまりウェットなのは疲れちゃうから。

とか、そんなことを思いつつも、やっぱり、出版が、なかなかチャンスを得られないクリエイター(という言葉が苦手なんだな)の、一歩となるきっかけを、生み出す機会になるのであれば、それは、やっぱり、夢があると、そう捉えても良いのではないかと。

そんな風に思います。

改めて、思っています。

ズミクニさんの本ですが、KADOKAWAはメディアファクトリーからの伝統というか「コミックエッセイ」のジャンルに強いうえに、内容も常に攻めてるというか広げているというかなので、書店のコミックエッセイのコーナーで確実に展開されるはずです。精神科医によるしっかりとした監修がついているので新聞などの書評で取り上げられる可能性も高そうです。というか、そこまで考えての監修だろうな。やるな。なので、刊行直後よりも書評が出てから読者層が広がるタイプかもしれません。コミックエッセイが直接刺さる読者の手まで広がるためにはそうしたステップが不可欠な気がします。エラそうなことを書いていますが私自身は中小零細出版社の実用書の販売しか経験がないので本当のところはわかりません。すみません。ですが、KADOKAWAは大手でちゃんとした出版社なので、そのあたりはしっかり対策を練っているはずです。「出版社は何もしてくれない」とか「出版社から出すより自分で直接やったほうが売れる」「そもそも売れないのは出版社が悪い」などという方がSNSなどで悪目立ちしていることも少なくないのは事実ですが、売れる売れないはあくまで結果論だったりします。KADOKAWAは信頼して任せられる出版社だと思います。これが中小零細だとマジで販促も宣伝も配本もダメダメだったりするところもあったりなかったりなので(自分も他人のことは言えませんが)。

◇ ◇ ◇

今日の最後にこのリンクを載せるのは自分に対して厳しすぎる気もしますが歯を食いしばって載せときます。『シネシネナンデダ日記』、全然売れてないです。第三書館、ある種の歴史を作った出版社だけど、こんままフェイドアウトなのかなあ。オレがもうちょっとバリバリ元気だったら引き継ぎますよとか言えたのかとか夢想、しねえなあ、しないしない、しないよ。

いただいたサポートは娘との暮らしに使わせていただきます。ありがとうございます。