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【中高生のあなたへ】テーマとアプローチを分けて、大学の学部を考える。

今夏、3週間にわたり読売中高生新聞でインタビューを連載いただきました。2歳からの25年ほどを紐解いていただきました。3連休の合間にでも、ぜひご覧ください。

中高時代に続き、最終回では、ハーバード時代を深掘りしていただきました。そこで伝えたかったのは、テーマとアプローチの話。もちろん大学進学しない方もいると思いますが、もし大学に進学するのであればぜひ高校時代に考えてほしいことです。
*芦屋市では、大学の受験料や入学金の支援を行っています。詳細は投稿の最後に。


学部選び、悩みますよね。

「大学で学びたいことは何?」日本で大学進学する場合は、必ず聞かれる質問です。それは、日本の大学に進学するなら、ほとんどの場合で事前に学部を決める必要があるから。そもそもそれってどうなの?と思わなくもないですが、今の仕組みでは、「学部選び」で悩む高校生はとっても多いはず。
良く言われるのは、「得意科目から考えなよ」「将来何になりたいの?」「興味のある分野から選べばいいよ」といったところでしょうか。でもそれが、難しい。
私も高3だった10年前、めちゃくちゃ悩みました。もともと高2では理系で、高3で文転したのは、将来やりたい仕事がどちらかと言うと文系寄りだったからでした(結局大学で理転しました笑)。そんな状態で何学部?と聞かれても正直困っていたんです。

あなたの興味は、テーマ?アプローチ?

そこで気づいたのは、自分の興味は「テーマ」「アプローチ」に分けられるということ。
例えば、私が興味のあったのは「環境」「エネルギー」でした。そうするとすぐに「環境学?」と思ったのですが、当時ハーバードに存在していたのは「環境工学」と「環境政策」の2種類。そこで初めて、「環境」はテーマで、「工学」「政策」といったアプローチが別にあるんだということに気づきました。興味のある「テーマ」を深掘る道具が、「アプローチ」というイメージです。

例えば「教育」に関心のある人、いますよね。でも、必ずしも「教育学部」に全員がぴったり合うわけではない。 先生になりたいなら教員養成系(教育学部の中にあることも)だけど、教育の政策をやりたいなら政治学、教育効果を数字で分析したいなら経済学。そもそも教育って何のため?と考えたいなら哲学。人の成長を学びたいなら、発達心理学もありですよね。 だいぶ端折ってしまっているので専門家の方からすると、なんと雑な!と思われてしまうかもしれませんが、伝えたかったのは「教育に関心=教育学」だけでは必ずしもない、ということ。

どんな方法で自分の興味を深掘りしたいのか、ぜひ考えてみてください。

最近は、学部の種類も多様化しています。自分の見つけた学部が「テーマ」の学部なのか、「アプローチ」の学部なのか、まずはそこから考えてみてください。最近は「テーマ」の学部も増えてきている印象です。1つのアプローチに限定されていない分、様々なアプローチを複合的に学べると言えるかもしれません。 もしどうしても迷ったら、大学の先生に直接聞いてみるのも1つだと思います。大学に入って、想像とまったく違った……ということのないように。

経済的な理由で大学進学できない人を減らしたい。

とはいえ、そもそも経済的な理由で進学を諦める人がいるのも事実です。そこで芦屋市では、経済的な理由で大学等への進学を諦める高校生が一人でも減ればとの思いで、大学の受験料や入学金の支援を行っています。 今年度からは、「大学等入学支援基金事業」を拡充。対象を拡大し、より使いやすい制度に変えています。今年度受験を考えている方は、ぜひ早めにお問い合わせください。

この制度は、故荒巻シヅ子様からのご寄附によって成り立っています。想いを次世代に繋げるのが私たちの使命です。本当にありがとうございます。


高校3年生のあなたは、受験勉強が本格化する頃ですよね。どうか心と身体の調子に気をつけて。自分にぴったり合った場所に出会えるように、心から応援しています。

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