3万人のデザイナーの中から8人の女性と1人のおじさんが選ばれた経緯
会員数300万人のSpoonflowerのメールマガジンで8人の女性デザイナーと1人のおじさんデザイナーが特集されました。3万人以上いるテキスタイルデザイナーの中からなぜ彼らが選ばれたのか、その舞台裏をお話しします。
朝、メールをひらいた瞬間自分のむさくるしい顔写真が出てきたので、おじさんは椅子から転げ落ちました。
それがこのメルマガ(和訳は下に):
9人のアジア系+太平洋諸島のアーティストが記事で紹介されています。
おじさんは知らなかったのですが、アメリカでは5月はアジア・太平洋諸島系米国人文化遺産月間(Asian Pacific American Heritage Month)。1978年、カーター大統領の時代に制定された祝日です。
世界最大のテキスタイルデザインコミュニティーSpoonflowerは今回、この祝日を拡大解釈し、世界中のアジア系デザイナーと太平洋の島々に暮らすデザイナーにスポットライトを当てようと企画したのでした。
メルマガに紹介された女性たちは皆、個性豊かなテキスタイルデザイナー。
カナダのJackie Taharaさんはビビッドな色で優しい世界を伸び伸びと描く売れっ子デザイナー。
2020年夏、おじさんがテキスタイルデザインを独学で始めてみようと思ったきっかけは、何を隠そうこのジャッキーさんのデザインに感激したからでした。
シドニーのCecilia Mokさんのデザインはゴージャスなのにどこか奥ゆかしい。香り立つような色づかい。
ニューヨークの2児の母Miki Araki-Dulyさんはデザインも手作り雑貨も優しさがにじみ出ています。
Aia Uenoさんが選ぶ配色は渋めなのに華がある。そして優しい。イラストの空気感もいいですよね。
Hitomi Kimuraさんの繊細で清々しいシンプルさ、とても癒やされます。
RJさんは香港の現実に屈せずがんばる陽気なデザイナー。藍染めも得意な日本通の女性です。
ハワイのKendra Medeirosさんは、大自然へのリスペクトが半端ない。土地からもらったパワーを謙虚にデザインしている姿勢に惹かれます。
Brandie Cazimeroさんは元ミスハワイ。デザインもきらきらしてますね。
そして、もうひとり。
彼女たちのように色づかいも洗練されていないし、子供の落書きのようなデザインばかり作っているおじさんが、なぜか記事の一番上で紹介されています。
なぜ?
自分でもよくわかりません。
デザインがちょっと変だからかな。
他のデザイナーたちから「Kawaii!!」「So cute!!」などのコメントをしょっちゅうもらうおじさんですが、じゃあその柄を着ておまえ街を歩けるのかと問われると、うーん、ちょっとね。いや、面の皮の厚いおじさんならふつうに歩けるかな。
ちょっと変なデザインでも毎日作り続けると「変」が個性になる。コンプレックスが魅力になる。万人受けはしなくても一部のファンがつく。今回おじさんに白羽の矢が当たったのは、Spoonflower社内におじさんのデザインを気に入ったマニアックなスタッフが潜んでいたからかもしれません。
Spoonflower社ブランドマーケティング担当のJessieさんからおじさん宛てにインタビューの打診が来たのは4月下旬でした。メールで3つの質問に答えて顔写真を送ってくれますかと。その質問とおじさんの回答がこちら。
日本の文化は
あなたの作風に影響を
与えていますか?
あなたにとって
絵柄の物語性とは
他のアーティストに
アドバイスがあれば
‥‥てなことを書いてブランドマネージャーのJessieさんに送ったおじさんでしたが、自分は小さく紹介されるだけだろうなと思っていました。
Jessieさんから「アジア系で誰かおすすめのデザイナーいない?」と聞かれたのでふだんからInstagramなどで交流している5人のデザイナーを推薦しました。残り3人はJessieさんが見つけてきた人たちです。
おじさんが一番うれしかったのは、メルマガ掲載をきっかけに尊敬するカナダのジャッキー・タハラさんとの交流が始まったこと。ヌートバー選手のお母さんのように陽気で優しい女性です。おじさんが悪乗りして「センセイ!」と呼ぶので
ジャッキーさん、笑い転げています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?