日本人の英語力(2)NHKラジオ(2022年3月17日放送)
みなさん、こんにちは。今回は、前回に続き、NHKラジオのレギュラー出演番組「マイあさ!/ 三宅民夫のマイあさ!マイBiz」の「マイ!Biz キャリア&ライフスタイル」コーナーで田中孝宜キャスターとお話した内容を、こぼれ話を含めてお伝えしたいと思います。
今回のテーマは「日本人の英語力」です。
<英語を学ぶ目的意識が大事>
キャスター:では、日本人が英語力をあげるために必要なことは何でしょうか。
九門:前提として、何のために英語を学ぶかという目的が最も大切だと思います。語学を学ぶ緊急性と必然性を強く感じることが必要です。その目的意識が強ければ強いほど、英語は上達します。単に英語ができればいいということではなく、あくまで、自分なりの目的意識があって、自身の専門性や才能がしっかりしていることが大事です。
キャスター:なぜ英語を話したいかがはっきりしていた方が上達するということですね。その上で、具体的にどんなことを実践したらいいでしょうか。
九門:英語力を上げるために1番大事なのは、英語学習を継続させるための工夫です。具体的には自分が好きなことや趣味とリンクさせるのはおすすめです。例えば、私は以前イギリス大使館主催の合唱団で賛美歌を歌っていたことがありました。参加者の半数以上は外国人でしたので、必然的に英語を話すようになりました。また、大学生の時には学外の英語劇に参加して英語でセリフを覚えたり、人前で演じたりしていました。先生もアメリカ人だったので、その期間は英語をよく使いました。また、以前英語を教えた若手社員たちの中には、海外ドラマやTEDの動画にはまって通勤時間にずっと聞いている人や、オンライン英会話で話すのが日課になった人がいました。
キャスター:学習を継続するためにそういう機会を持つことが大切なんですね。
<英語漬けになる機会をあえて作る>
九門:どこかで英語漬けになる機会を持つことも必要です。今は実際に留学したり海外に行くのが難しい状況ですが、日本の中でも休みの時にオンラインで英語を集中的に学ぶ、週末1日だけでも日本にいる留学生や外国人と交流するなど、できることはあります。それ以外にも、隙間時間を活用した「ながら勉強法」も効果的です。朝仕事前・通勤電車の中、在宅勤務であれば1日の中で英語を学ぶ時間を決めるなど隙間時間を使って英語を聞いたり話したりします。ポイントは、生活の中に入れ込むということです。
キャスター:改めて、九門さんは、日本人がもっと英語力をあげる必要を感じているということですね。
九門:海外に関わる仕事に関心があるのであれば、英語が話せることは他人との差別化になり、専門性に英語をかけあわせると、英語が話せるエンジニア、営業などとなります。それを「自分の売り」にでき、仕事の機会や幅が広がります。例えば、ITエンジニアなどは海外で働くと給与が倍以上になることもあると言われます。また、以前、日本語・英語のバイリンガルのアメリカ人で日本のコンサルティング会社勤務の男性が、「アメリカでは日英バイリンガルは大勢いるが、日本では少ないので、若手レベルでも国際的な仕事ができる」と話していました。
そして英語を学ぶことでもっとも重要なのは、自分の価値観が広がることです。言葉を学ぶことは異なる文化や考え方を学ぶことにもつながります。そうした多様な考え方に触れることで、日本の内側からも外側からも日本を見て、世界を違った視点で見ることができるようになります。
キャスター:英語力をあげることで、働き方も変えていくことができるかもしれないということですね。九門さん、ありがとうございました。
九門:ありがとうございました。
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