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行政って必要なの?って思ったこと

先日、行われたオンラインでの対談で考えたことを散文的に書いておきたいと思います。コロナ時代の選挙活動ということで、オンライン配信で伝えるということをお手伝いしています。その中で、甑島で活動しているヤマシタケンタさんとの対談の司会をさせていただきました。

噛み合わない議論

前半戦から、うまく話が噛み合わないなぁという展開になりました。
地域経済やコミュニティとしてのビジネスという話と、県政というコミュニティの話は、おなじ「地域」としても、捉え方や前提があっていないのでどうも話がギクシャクしています。

同じくファシリテーションをされていた方のブログがこちらです

そのなかで、県って必要なのという話がありました。

対談の中で、県知事候補はこう述べた。「市町村のレベルではできない範囲のこと、空間的広がりであったり、事業領域的広がりであったり、そして金額的なことであったり、そうしたことを、20年50年といった長期的な視野で進めていくことが県の役割だ。それは何のためかというと1つしかない。県民全体の幸せのためだ。」

質問者の意図は地域コミュニティの助け合いがあれば、政府や自治体は必要ないのではないかと言うことでした。

「補助金に頼らないまちづくり」、それが大事だというのは簡単なのですが、会社経営の状態だけをみて、黒字赤字といっていても仕方ないのだと思います。会社をとりまくその町に繋がる道や航路、その従業員が受けることができる医療福祉などのサービスなどが前提とあって、地域社会のなかのビジネスができて、そのなかにコミュニティがあるからです。

集めたお金をいくら使っているの?

行政が、財産の再分配をしています。税金をあつめて、必要なところに使うという意味です。その分配方法を決めるのが、行政・政治です。
政治ができることは2つだけで、予算のつけたりへらしたりすること、ルールをきめること、この2つだけです。

最近、注目されているヤフーの安宅さんの話の中で、ひとりあたりの行政予算が住んでいるところで約8倍も違うという話がありました。鹿児島は離島も多いので一度調べてみると良いと思います。

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ちなみに、鹿児島県出水市にある桂島の人口は8人(平成27年国勢調査)しかいません。そんなところに住んでる人は早く本島に引っ越したら良いのに!という人もいると思います。場所は調べてみてください。

短期的な行政コストだけを考えればスマートシティ化して、コストをさげた町にすることは当然だということも簡単です。「使わない道はなくしてしまえ」というのも簡単です。でも、それをしてこなかった。

そこには、経済的な価値だけでないもの、作りたい地域、作りたい未来に投資してきた結果なのだということです。

圧倒的な不平等な再分配が行われていることをまず知っておくことが重要だと思うのです。

行政ってなに?

<地方創生>というキーワードが出てきて5年間、あるひとは、地方創生とは「人口政策である。東京一極集中を是正して、消滅可能性都市が存続させる」といってみたり、「地方創生とは、地域の稼ぐ力をつけることだ」といってみたり、「関係人口が大事だ。移住と観光の間の関係をつくることが地域を存続させるのだ」といってみたりと、経緯をみてもリーダーが言っていることはどれも正しそうだけど、どれも違うようにも思えるのです。

僕自身も会社をやっていたり、地域のしごとをしていたりすると、「大きな政府か小さな政府か」と言った議論になることが多いのですが、そのときにいつも立ち返るのは、大学時代の恩師、金子郁容先生の「コミュニティソリューション」という考え方です。

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ものごとの解決の手段として、ビジネスによる交換がなりたつ、基本的には企業がおこなうマーケットソリューション、ルールや権限によって決めるガバメントソリューション(基本は政治による再配分)、そして地域住民や当事者が互助することによるコミュニティソリューション、この3つに分けることで理解しやすくなります。

例として、公園の清掃活動を挙げたいと思います。近所の公園の遊具やベンチがゴミで溢れていました。この問題を解決するために、どうすればいいか。

1つは、この公園を利用する人から、入園料を取りそのお金で清掃員を雇いきれにすることです。(マーケットソリューション)2つ目は、公園を公立化して、税金であつめたお金で行政が清掃会社に委託したりしてきれいにすることです(ガバメントソリューション)、そして3つ目が、公園を利用する人がそれぞれで協力しあったり、ルールをつくって利用をする方法です。(コミュニティソリューション)。

どれが正しいと言うわけではなくて、それぞれ三つが物事の解決するための手段として時と場合によって選ばれるということです。

そのひとつが行政であり、県政だという前提です。

経済的な価値以外な評価方法

地域活動を評価する方法ってありますでしょうか?
経済的にいくら投資していくら儲かりましたか?というのであれば、銀行だったり、ベンチャーキャピタルができるので、そうではない価値基準を行政は持つ必要があるのでしょうか。

この対談のなかでは、そのひとつとしてSDGsがあげられていました。
17の目標と169のターゲット(ターゲットがそれぞれ数値になっていて検証可能)が示されており、これが経済界でも行政でも注目されています。これらは、経済的な価値ではないビジョンへの数値目標なのです。

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自治体・行政のトップに必要なことは、どんな地域にしていくのか、そのビジョンを示し、そこに導くための方法を知り実行できる必要があるのだと思います。

※次回、鹿児島県知事選で個人的に思うことやどういう状況なのかを私個人的な視点から取り上げたいと思います。




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