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2019年4月、中国人と周って気づいた中国のリアル

こんにちは。アサヤマ(@taasayan)です。

有給をとって3週間くらい中国をバックパッキングしてきました。
周遊コースはこちら

北京 → 上海 → 深セン → 香港 → マカオ → 珠海 → 武漢 → 成都

誰かが中国はデジタル領域で日本より5年進んでると言ってたり、
中国人の友達がこんなこと言ってたり

ネット上でもいろんな情報は見てたけど、実際の中国がどんな感じなのか気になってました。

ラッキーなことに、アメリカのオレゴン州立大学でクラスメートだった中国人チェンが中国に帰国して暇だということで、一緒に回ってみることにしました。

武漢出身のチェン

既出の情報も多いと思いますが、備忘録として気づいたことをnoteにしてみます。

マップ

GoogleやFacebook系やLINEなどもろもろのドメインが規制されてますがVPNを使えば旅行の必需品、Googleマップも使えます。

ただ、中国だと地図の精度がなぜかめちゃくちゃ悪く、僕が宿泊したゲストハウスは川に沈没してることになってました。

そもそも中国人がGoogleマップを使わないのでレビューがなかったり、お店がGoogleマイビジネスに登録されていなかったりなど、中国では「Google is God」ではありませんでした。

代替品として、中国で最も使われている百度マップがオススメです。
ARナビゲーション機能も実装されてました。

ただ中国のアプリは基本的に中国語のみ。
中国語がわからない場合にはAppleマップをオススメします。
VPNなくても使えるし、レビューなどの情報量も多く、地図も正確です。

決済

2014年くらいから中国ではQRコードによるモバイル決済が浸透し始めました。

日本でも最近、LINE Pay, Pay Pay, メルペイなどが使われるようになってモバイルペイメントが話題になってきましたね。

中国ではAlipay、WeChatペイの2大ペイメントが使われています。

これらのアプリは中国の銀行口座がないとお金をチャージできないと聞いていたのですが、日本出国直前に「友達から送金してもらえばチャージできる」という情報が!

そこでチェンに送金をお願いしてみたのですが、「銀行口座による認証がされていないアカウントには送金できません」というエラーメッセージが出てしましまいました。

なら、中国の銀行口座を作ってしまおうと思い、北京についてから6つくらいの主要銀行を回ったのですが全て断られました。。。

諦めてしばらくコインじゃらじゃら、札束ぐしゃぐしゃの生活です。

一週間後くらいに、友達からの送金を再トライしてみると、なぜかAlipayはできるようになっていました!!!
※WeChatペイは相変わらずエラーが出ました。

どうやらAlipayやWeChatペイは頻繁に仕様を変えるらしいです。

実際にAlipayを使えるようになって中国の街を歩いてみると、ガチで全ての場所でAlipay, Wechatペイを使えました。
めちゃめちゃローカルなお惣菜屋さんみたいなところでも “どこでも” です!

中国のQRコード決済にまつわる噂として強烈なのが
「中国ではQRコードで物乞いをする」
という話です。

都市伝説だと思っていたのですが、深センの地下鉄駅構内で目撃しました。ガチでした。

お金が必要な理由について書かれた画用紙とQRコード

チェン「現金持ち歩いてる人ほとんどいないから、QRコードじゃないと物乞いもお金集まらないYO」

深センのケンタッキーフライドチキンでは顔認証で購入できるようになっていました。

このデバイスで一度AlipayやWechatPayのアカウントを顔情報と紐付けると、その後は顔と暗証番号のみで購入できるようになります。

もはやデバイスレスで楽ちんです。

中国のQRコード決済についてはShaoさんという深セン在住の方の記事が面白いのでオススメです。
https://twitter.com/shao1555/status/1113472835370909697
https://twitter.com/shao1555/status/1112752414250033152

シェアサイクル

中国ではシェアサイクルが超超発達しております。

アプリ上で近場にある自転車を探して、自転車に記載されているQRコードを読み取ると解錠できます。(都市部はガチで道の至るところに自転車が置いてあるのでもはや地図上で探す必要もありませんが)

主要なサービスはMobike, ofo, Hellobikeの3つ。

どこにでも自転車があり、短距離移動時にサクッと乗れる体験は強烈に便利です。
香港、マカオにも数日行ったのですが、シェアサイクルがないことが非常に不便に思えました。

ただ、最近の中国シェアバイク企業の経営はかなり雲行きが怪しいみたいです。

シェアサイクルサービスは自転車の回収や整理、メンテナンスに膨大なコストがかかります。
また、競合と差別化しにくいサービスであるため、プロモーション費用がかさみ、料金も値上げしづらい(Mobikeは1ライド13円くらい)、単独での黒字化が難しいビジネスモデルなのです。

2018年には経営難のMobikeが海外から完全撤退、テンセント系の美団に事業売却し、ofoは最近破産報道がされるなど経営難が続いているようです。

チェンはサービス登録時にofoに預けたデポジットが、サービス退会申請をしても返ってこないと憤っていました。

裏路地など色んなところでofoやMobikeの残骸の山が散見されます。

そんな中、二級都市を中心にサービスを展開してきた水色のHellobikeが最近人気のようです。比較的新しい車体が多いのでチェンはHellobikeを毎回選んでました。

配車アプリ

中国の配車アプリは滴滴出行(ディディチューシン)というのが主流です。
2016年にはUberの中国事業を滴滴が買収しました。

低価格の相乗りサービス「順風車」を提供していましたが、2018年の相次ぐ乗客女性の強姦殺人事件以降、相乗りサービスを停止しているようです。

相乗りサービスのプロモーションに男女の出会いを連想させるようなクリエイティブを使っていたことが大きな批判を受けました。

それ以降、中国国内での滴滴離れが進んでいるようで、最近では南米や日本など海外市場への展開を進めているそうです。

今年2月にはHellobikeを運営している哈囉出行が車の相乗りサービスに進出しています。
https://36kr.jp/18697/

電車

・地下鉄
北京や上海、深セン、成都などの大都市では地下鉄が発達していて、東京と変わらず快適に移動ができます。
乗車券もAlipayやWechatPayで購入することができます。

上海では乗車券を買わなくても完全にアプリのみで乗車ができるようになっていました。
https://itunes.apple.com/jp/app/metro%E5%A4%A7%E9%83%BD%E4%BC%9A/id1202750238

・高速鉄道
中国は広いです。
北京から深センに移動するのも北海道から沖縄まで行くみたいな距離です。
そういった長距離移動時に活躍するのが高速鉄道です。

日本の新幹線と変わらず快適な空間でした。(隣の人がバリカンでヒゲを剃り始めたりして割とカオスでしたがw)

日本では東北新幹線の「はやぶさ」「こまち」が320km/hで最速ですが、僕が乗ったやつは431km/hとかぶっ飛ばしてました。


スーパーマーケット

Alibabaが運営する「フーマーフレッシュ」というスーパーマーケットに行ってみました。

このスーパーではECと実店舗が融合していて、アプリから注文し決済するのが基本です。

従来から生鮮食品のECを実現するにあたって、冷蔵施設のコストや配送のスピードなどが問題だったのですが、フーマーフレッシュはスーパーマーケットの実店舗を配送拠点、冷蔵施設にすることでこれらの問題を解決しています。
なので構造は超シンプル。

生産地 → フーマーフレッシュの店舗 → 消費者

配送してもらう場合流れはこんな感じ
①アプリで商品を選び決済

②注文が入ると水色Tスタッフが注文商品をピックアップ

③配送レーンにのっける

④店舗外の配送車へ向かい、配達

店舗から半径3km以内であれば最短30分で配送してくれます。

もちろん店舗で直接買うこともでき、購入したものをその場で調理してくれて食べることもできるます。

ロブスターみたいなの食べた

また店舗の商品に記載されているQRコードを読み取るとアプリ上の購入ページに飛び、産地や簡単なレシピ例などが表示されます。

レシピ動画


生鮮食品はものによって品質が大きく異なるので、ユーザーとしては「実物を確認したい」というニーズが大きいと思われます。

フーマーフレッシュでは、近くの店舗で実物を確認しながらアプリ注文して配送してもらえるという体験がユーザーに刺さっているようです。

普通のスーパーとして利用するつもりで立ち寄った人も、フーマーフレッシュ専用アプリをインストールすることになるので、その後の配送サービス利用に流れていくのではないかと思います。

カフェ

チーズティーがWechat映えすると人気を読んでいる喜茶(HEYTEA)や

コーヒーチェーンのLuckin Coffeeなどでは、Wechatや専用アプリ上で事前に注文することができます。

注文から受け取りまでの流れ(Luckin Coffee)

Luckin Coffeeは席がなく、スタッフも2人くらいのコーヒーカウンターだけの小さな店舗が多かったです。

・店舗開設コストも低いので一気に店舗を増やせる
・アプリ上のログからグロースごりごりできる

中国ではテイクアウト専用のティーショプ(ミルクティー、フルーツティーなど)がいたるところにありますが、コーヒーの人気はあまり高くないらしいです。

International Coffee Organizationによると日本人一人あたりの年間消費量は90杯くらいであるのに対して、中国では3杯程度と圧倒的に少ないです。
参考:http://www.ico.org/documents/cy2017-18/icc-122-6e-emerging-markets-south-and-east-asia.pdf

しかしここ数年、Luckin CoffeeやStarbucksの人気から急激に消費量が伸びていて巨大な市場になることが見込まれているそうです。

デリバリー

中国ではとにかくデリバリー文化が進んでいます。
デリバリーアプリの二大巨頭がウーラマ(餓了麼)とメイトゥアンワイマイ(美団外売)です。街を歩けば30秒に一回くらいロゴ入りのバイクを見かけます。

ランチ時にテーブルが3つの小さなレストランに行ったのですが、お客さんは僕たちしかいなく、ガラガラでした。

なのになぜか店員さんが忙しそうにせっせとお米をせっせとパックに詰めていました。
しかもかなりの数!

聞いてみたところ、これらは全部デリバリーアプリからの注文対応で、これから配送するものだそうです。
なんとこのお店の売上の8割がデリバリーによるものだそうです。
そこまでとは!!!

信用スコア

こういったサービスの運営元の多くがアリババやテンセントといった超巨大企業か、その子会社であったり、資本関係にある企業によるものです。

アリババは、収集した大量のデータを元に芝麻信用という中国国民の信用度スコアリングをしています。

このスコアが高いと、特別なサービスにアクセスできたり、デポジットが免除されたり、シンガポールなどでビザが免除されるなど社会的な利益を享受することができます。
逆にスコアが低くなるとサービスや決済が利用できなくなったりするなど生活が相当不便になります。

チェンはこのスコアを心配してハローバイクの駐輪場所を気にしたり、ホームステイ先のご家庭でも家族間でお互いの信用スコアを確認しあったりしていました。

このツイートのこうみくさんの記事にもあるように、芝麻信用スコアによって「良い行いをすれば自分に利益として返ってくる」という考えが中国人の中に強烈に芽生え始め、人々の行動に大きな影響を与えているそうです。

お人柄

テレビの報道などを見ていると「中国で日本人は嫌われている」というイメージを受けることもありましたが、3週間くらいバックパッキングして、中国の家にホームステイもさせて頂いて、そんなことは1回も感じませんでした。

お世話になったチェンの家族

むしろ、日本人というと、興味津々にいろんな質問をしてきてくれることが多かったです。

一見愛想が悪いように見えたりすることもありますが、多くの中国人の方はヘルプフルです。

ゲストハウスの洗濯機がWeChatペイでしか支払いができず困っていると、スタッフが代わりに洗ってくれて、「お金は大丈夫よ」と言ってくれたり、
地下鉄の終電を逃して始発まで駅構内の床で寝ていると、心配してくれた老夫婦が声をかけてくれたり(何言ってるのか全然わからなかったけどw)
などなど中国人の優しさ、温かさにも触れられた旅でした。

そして中国語が話せない僕のために色々と面倒を見てくれた友達のチェンに感謝ですな。

終わりに

2019年4月の中国はこんな感じでしたが、中国はとにかく変化が早いので1年後には大きく変わっているかもしれません。
今回行けなかった魅力的な都市がいっぱいあるので、また休暇をとって行ってみたいなと思いました。

おしまい

アサヤマのTwitter:@taasayan

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