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マイナス金利解除の時期は? 第一生命経済研究所エコノミストは2024年前半も予想!

どうも、モゲ澤です! 先日、第一生命経済研究所の藤代さんをスペシャルゲストに、今後の金利動向についての対談(※)を行いました。

※今回の対談は全3回の第1弾! インタビューの模様はYouTubeでも配信しています。

変動金利は日銀の金利政策の影響を大きく受けるので、とくにマイナス金利政策がいつ変更されるのか・・・などは気になるところですよね。エコノミストの予想を伺うことができましたので、このnoteではその対談のダイジェストをお届けします!

YCC再修正と今後の利上げ見通しは?

藤代さんとは以前にも対談したことがあり、当時は日銀が長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)を修正する前でした。YCCの解除はサプライズ的にやるしかなく、それ故に当てるのは相当難しい・・・というお話を伺いました。

その後、2023年10月に日銀はYCCの再修正を行い、長期金利が1%を超えることも容認する状況になっています。

10月31日の金融政策決定会合でYCC運用の再修正が決定

今回はこれを踏まえて、藤代さんが現在どのように考えているかをお尋ねしました!

YCC修正はマイナス金利解除につながっていく

――藤代さんは10月の金融政策決定会合の決定をどのように見ていますか?

結論としては予想外でしたが、「予想外なことになるだろう」というのが私の予想だったので・・・(笑)。というのも、YCC修正が行われるのが事前にわかってしまうと、それ自体によってYCCが崩壊してしまうリスクがあります。前回のYCC修正のときもそうでしたが今回も直前まで態度をハッキリさせなかったということです。

発表内容には大きなサプライズはなく、「長期金利を1%に厳格に抑える」というこれまでの方針のうち、「厳格」を「メド」に変えたものでした。1%を厳密に守らなくなったということは、ある意味でコントロールをやめているということですよね。

私としてはYCCが事実上なくなったも同然という受け止め方をしています。市場に委ねる方向になったという方針転換です。

――藤代さんの見立てだと、YCCは実質的には形骸化したということですね。では、マイナス金利の解除が「本丸」でしょうか?

私としては、マイナス金利を解除した後に、インフレを抑制するための利上げが本当の意味での「本丸」だと見ています。-0.1%からゼロにもっていく段階では、経済や金融市場への大きな影響はないというのが現在の考えです。

0.1%の金利上昇に大騒ぎする必要はないと思っていますが、利上げする方向に金利が動くのは象徴的ですので、しっかり予想していきたいと思います。

――マイナス金利が当たり前に感じられるようになった時代に金利が復活してくることになりそうです。とくに一般消費者には大きな心理的な影響があるのではないかと思っています。

全く同感で、日銀も神経質になっていると思います。7月のYCC修正でも、実質的には利上げであるにもかかわらず、「YCCの柔軟化」という表現をしています。「緩和の状態を長く続けるためにそうします」という建付けでしたね。

-0.1%がゼロ金利になればマスコミが「変動金利が上がる!」などと報道して大騒ぎになり、家計も繰上返済や消費抑制といった反応をしてしまうと思います。日銀もそのような状況は望んでいないので、「利上げしたけれども、これにより賃金が持続的に上がるなど日本経済が良い方向に進む状況を作り出せる措置であり、引き締めではない」というメッセージを出してくるでしょう。

マイナス金利がいつまで続くのか

――そうなると、中立金利(経済を温めも冷やしもしない金利)がどれくらいかという話にもなってきます。金融政策決定会合後の記者会見でも話題になっていましたが、「中立金利よりも低いうちは緩和的」という説明もできそうです。

私もそう思いますが、日銀は中立金利がどれくらいと考えているか、きっと具体的には示さないと見ています。米国連邦準備制度理事会(FRB)は2.5%を中立金利と示していたり、1~3年先の見通しを公表したりしていますが、全く当たっていないんですよね。ですので、言及しても「1%以下」のような言い方になるのではないでしょうか。

――藤代さんは中立金利がどれくらいだと思いますか?

1%くらいではないでしょうか。1年くらい前までは0.5%程度と思ってはいましたが、企業の賃金や価格の設定への行動がずいぶん変わってきたとは思います。国際通貨基金(IMF)が示している実質の均衡金利は-0.3%程度ですが、そこに物価上昇の影響などを加味してもそれくらいでしょう。

――先ほどは「本丸」がゼロ金利の解除という見解を伺いましたが、多くの方はまず、いつマイナス金利が解除されるのかが気になっているはずです。ズバリ、いつ頃に解除されると考えていますか?

2024年3月で30%程度、2024年前半までで60%程度の確率で解除になる・・・と予想をしています。ただ、2024年内となる場合もありえますし、金融政策にはしばらく手を付けない可能性もあります。

2024年前半にもマイナス金利解除と考える理由

――2024年3月か前半か。それだともうすぐですね。その予想の理由を教えてください。

賃金が上昇していることが大きいです。ただ難しいのは、それだけで政策が決まるとは限らないのです。

裏の理由は、政治と為替だと思います。これらは金融政策変更の基準ではないと日銀は言っていますが、円安の一因が日銀の金融政策にあることは一般にも知られています。0.1%程度を動かしても実際の経済に与える影響はそこまで大きくはないので、政治や為替の圧力、輸入物価上昇などによって金融政策が影響を受ける可能性はあります。

――そうなると、2024年の春闘の動向が注目されますよね。3%といった大幅な上昇でなくても、2%付近に上がり、実質賃金のマイナスを脱する見通しがたてばマイナス金利解除・・・というシナリオでしょうか。

そうですね。昨年は3%程度の要求を掲げて2%程度で着地しました。今年は3%以上の要求が出れば、おそらく2%くらいの着地点になるのではと思っています。

日銀が参考にしていると思われる毎月勤労統計(一人あたりの賃金)では、賃金上昇は2%弱で、日銀が理想とする3%には届いていません。そうだとしても、「マイナス金利という極端な緩和を続けるほどではない」という説明がなされるのではないでしょうか。

異なる意見も住宅ローン選択の参考に!

藤代さんはマイナス金利解除が2024年にはあるかもしれないという予想でした。私は先日のnoteで解説したようにもう少し先だと考えており、このように意見が割れることもあります。

これからもいろいろな意見とともに住宅ローンにかかわる情報を紹介していきますので、ぜひご自身の状況に合った選択の参考にしていただければと思います!

今後も金利情報やお得な住宅ローン情報を発信していきますので、ぜひフォローやスキ!をいただけると嬉しいです♪

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