7月11日~7月12日までの米主要企業決算【週後半決算振り返り】

■7月11日(木)

◆ペプシコ (PEP)

木曜、ペプシコ (PEP) は第2四半期の決算を発表しました。全体としてそこそこの決算でした。

第2四半期のEPSは2.28ドルであり、予想を0.12ドル上回りました。

売上高は225億ドル (前年同期比+0.8%) で、予想を1億ドル下回りました。

●2024年度の見通し

同社はオーガニック売上高成長率を約+4%と予想しています。これはコンセンサス予想の+3.91%を上回っています。

為替の影響を除いた調整後EPSの少なくとも8%の増加を見込んでいます。

また株主への総還元額は約82億ドル (配当72億ドル、自社株買い10億ドル) を予測しています。

これらから2024年度のEPSが少なくとも8.15ドルになると予測されています。
コンセンサス予想の8.16ドルをわずかに下回っています
が、2023年度のEPS 7.62ドルから7%の増加となり、前年比で着実に利益を伸ばしています。

同社は言わずと知れたペプシなどのブランドを展開する飲料メーカーですが、長期的には上昇トレンドにあるため良い銘柄だと思われます。

また先日の米国CPIがインフレ減退を示したこともあり、市場がインフレ→デフレへと関心を移らせつつあることから、これから先株式市場が下落した際の資金避難先として同社が選好される可能性も十分考えられます (飲料は不況の影響を受けにくいため)。


◆デルタ・エアラインズ (DAL)

同日、デルタ航空 (DAL) は第2四半期の決算を発表しました。全体として悪い決算でした。

第2四半期のEPSは2.36ドルで、予想を0.02ドル下回りました。

売上高は154億ドル (前年同期比-1.2%) で、予想を3億ドル下回りました。

今期の営業キャッシュフローは25億ドルでした。

負債とファイナンスリースの支払いは14億ドルでした。
また四半期末の総負債とファイナンスリース残高は180億ドルでした。

投下資本利益率 (ROIC) は13.1%でした。

また同社は2024年度第3四半期の予想も発表しています。

第3四半期のEPSは1.70ドル~2.00ドルとのガイダンスが発表されました。なおコンセンサス予想は2.06ドルでした。

売上高は前年同期比で2%~4%の増加が見込まれています。これはコンセンサス予想の0.38%増加を上回っています。

営業利益率は11%~13%と見込まれています。

●2024年度の見通し

また同社の2024年通期の見通しにて、EPSは6ドル~7ドルとのガイダンスが発表されました。なおコンセンサス予想は6.57ドルでした。

2024年通期でのフリーキャッシュフローは30億ドル~40億ドルと見込まれています。

同社は決算のミスもさることながら、来期以降の見通しもやや弱気となる関係で株価が伸びにくい状態が続いています。
コロナショックにて航空業が打撃を受けてから急回復するも、2022年のインフレにより燃料代が高騰するなどで収益が悪化、旅客の増加も想定より鈍いために同社は苦しんでいます。

今後、原油価格の低下やFRBの利下げなどで収益が相対的に改善、更に旅客も増加する兆候が見えれば、動意のない現在の株価にもポジティブな動きが出てくると思われます。


◆コナグラ・ブランズ (CAG)

コナグラ・ブランズ (CAG) は第4四半期の決算を発表しました。全体としてそこそこの決算でした。

第4四半期のEPSは0.61ドルで、予想を0.04ドル上回りました。

売上高は29.1億ドル (前年同期比-2.3%) で、予想を2000万ドル下回りました。

同社の今期調整後EBITDAは、四半期で5億7700万ドルでした。

純負債は84億ドルで2024年度を終了し、前年比8.5%の純負債削減を達成し、会計年度末の純レバレッジ比率は3.37倍となりました。

●2025年度の見通し

2025年度のEPSは2.60ドル~2.65ドルと見込まれています。
なおコンセンサス予想は2.69ドルであり、同社のガイダンスは下回っています。

オーガニック純売上高は2024年度比にて-1.5%~横ばいとのガイダンスが発表されました。
これはコンセンサス予想成長率の0.89%を下回っています。

営業利益率は15.6%~15.8%と見込まれています。

フリーキャッシュフロー転換率は約90%と見込まれています。

設備投資は約5億ドル、支払利息は約4億1500万ドルと見込まれています。

同社は食料品やスナック、外食産業向けの製品を提供していますが、株価チャート上では動意が見られず下落トレンドの最中に位置しています。
また2025年度のEPSや売上高のガイダンスも市場予想を下回ることから、当面は上値の重い展開が予想されると思われます。


■7月12日(金)

◆JPモルガン・チェース (JPM)

JPモルガン・チェース (JPM) は第2四半期の決算を発表しました。全体としてそこそこの決算でした。

第2四半期のEPSは4.40ドルで、コンセンサス予想を0.11ドル下回りました。

売上高は502億ドル (前年同期比+21.5%) で、コンセンサス予想を45.4億ドル上回りました。

貸倒引当金は31億ドルでした。なお同指標は前期の18.8億ドルから増加、前年同期の29億ドルからも増加しています。

純金利収益は227億ドルでした。なお同指標は前期の231億ドルから減少し、前年同期の218億ドルから増加しています。

純利益は181.5億ドルでした。なお同指標は前年同期の144.7億ドルから増加しています。

総貸出金は1.32兆ドルであり、前期の1.31兆ドルからわずかに増加しました。

総預金残高は2.4兆ドルであり、前期の2.43兆ドルからほぼ不変でした。

●各セグメント別の収益と純利益

消費者・コミュニティバンキング部門 (CCB) の収益は177億ドルで前期比横ばい、前年比で3%増でした。
純利益は42.1億ドルで前期比13%減、前年比21%減でした。

商業・投資銀行部門 (CIB) の収益は179億ドルで前期比2%増、前年比9%増でした。
純利益は59億ドルで前期比11%減、前年比11%増でした。

資産・富管理部門 (AWM) の収益は52.5億ドルで前期比3%増、前年比6%増でした。
純利益は12.6億ドルで前期比2%減、前年比3%減でした。

バーゼル規制でも重視される普通株式等Tier1比率は15.3%でした。なお前年同期は13.8%でした。

株主資本利益率 (ROE) は23%でした。なお前年同期は20%でした。

有形自己資本利益率 (ROTE) は28%でした。なお前年同期は25%でした。


※当記事はファンダメンタルズにおいて事実の正確さを満たすために尽力していますが、万一事実と異なる点等ございましたらお気軽にご教示ください。

※企業決算は売上高やEPS、ガイダンスを考慮し、更に市場の反応とトレンドなど総合的な観点から「良い」「そこそこ」「悪い」と三段階評価としています。
この評価は飽くまでも個人の評価であること、見る方によって十人十色の受け止め方があることをご了承ください。

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