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正しい文章のテンプレートは無い

自分はライターとして複数のクライアントと取引をしている。継続的に案件いただいているのはだいたい10社。全てWebメディアだが、マーケティングから歯科や介護まで割と多岐にわたっている。

取り組む媒体、業種、クライアントによって要求される作業も違えば、文章の中身も違う。エッセイと違い、情報を探している人に対して専門的な立場から情報を提供するというスタンスがほとんどなので、記事からわかること(結論・結果)を先に示し、その後本論、そしてまとめへと進んでいく。


自分もそうだが、Webライターの人たちはこれまで文章の仕事に関わっていなかった未経験から始めている人が多いように感じる。あくまでTwitterで交流している人たちを基準にした個人的感覚だが。

その前提がありきになるが、Webライターの先輩諸兄は我々未経験者にとって、ありがたいことに様々なアドバイスをくれる。その中にはもちろん文章の書き方もある。

どのアドバイスも大変参考になるものばかりだ。自分がコンサルを受けている中村洋太さんもそうだし、取引しているクライアントが書き方の見本として提示していただいたブログ「ゴウ・ライティング」の筆者佐々木ゴウさん、ブログ記事の書き方と言えばこの人と言われる「マナブログ」のマナブさん等々。

他にももっと身近な人も、それぞれが感じたこと、経験したことを元に文章の書き方のアドバイスを発信してくれている。

僕個人としては、ライターやブロガーではないがキングコングの西野さんやアル代表のけんすうさんの文章の作り方も好きで参考にしているのだが、そのようにして自分の文章の書き方が出来上がっていく。


だがこの文章の書き方に関して「型」が完成することは、ライターとして活動を続ける以上、一生無い気がする。常に書き手は改善をするし、読み手の感性も変わってくるからだ。

さらに、複数のメディアを書いているからこそ感じるのだが、全てのメディアが同じ書き方を要求してくるかというと全然違う。

箇条書きを推奨する場合、見出しh2~h4まで使う場合、リード文や最後のまとめにはお決まりのパターンがある場合、まとめの項目はあえてコラム調を指示される場合、文体は読み手のレベルに合わせてという理由であえて口語調にする場合。

それぞれのメディアでそれぞれの正しい文章の書き方がある。以前、こんな記事を書いたのだが、Webライティングの仕事は基本、広告としての記事を書く仕事だ。

だから自分らしく文章を書くのではなく、求められる記事を作らなければいけない。自分の中でどんな要求にも応えられるような、文章の引き出しを持っておく必要がある。

だから一つの文章見本(テンプレート)にこだわってしまうと、あまり上手く記事が書けない。

例えば僕の例で言えば口語調で書く記事。これまで学んできたことだと、どんな記事でも基本的に口語調で書くことは禁止されるのだが、読み手が文字を読むことになれていないからという理由で「口語調で書いて」と文体の指定が入る。

求められるものを書けるかどうかは、大事なのは形ではなく「読み手に伝わる」ことだ。

小説のように書き手が読み手に提示するような「作品」ではなく、クライアントの要望に応えるための「広告記事」にはとにかく読み手にわかりやすくが基本となる。

正しい文章はクライアントやその記事の読者によって形が変わる。だからテンプレートは存在しない。

一つの書き方に依存しない柔軟な書き手は、きっと貴重な存在になれるだろう。


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