【Vol.3】ライター中村洋太さんへのインタビュー
昨年のことになるが、ライターコンサルをされている中村洋太さんに、コンサルの一貫でインタビューさせていただいた。これはその時の学びを連載していく企画で、今回が3本目の記事になる。
▼前回の記事はこちら
中村さんにお聞きしたのは、はじめてインタビューする時の心構えについて。しかしインタビューをしながら、中村さん自身の人柄や考え方が素敵だと感じたので、今回は中村さんの考え方にフォーカスして書かせていただく。
有名メディアでの執筆経験や実績を多く持つ中村さんが考える、人に喜ばれるインタビュー論や、ライターコンサルにかける想いなども語っていただいたので、是非最後まで読んでいただきたい。
インタビュイー
中村洋太 Yota Nakamura
自転車で世界1万キロ以上を走破したトラベルライターであり、会員数400万人を超すソーシャル経済メディア「NewsPicks」の週間Like数ランキングで、かつて総合1位を獲得。さらには朝日新聞デジタルでの紀行文の連載、ユニクロやソフトバンクのWebメディアでの執筆など、ライターとして数々の実績を持つ。
▼連載内容
Vol.1 インタビューの入り方
Vol.2 インタビューに入る前の準備
Vol.3 ライター中村洋太さん ←本記事
中村さんの思う、「人に喜ばれるインタビュー論」とは
「人に喜ばれるインタビューとはどんなインタビューでしょうか?」
『まず人を不快にしてはいけないし、あなたにインタビューしてもらって良かったよと言ってもらえるようにするのが大事です。そして良いインタビュー記事はライター自身の宣伝にもつながります。なぜならインタビューをされた人は、良いインタビュー記事になれば必ず宣伝したくなるからです。そのような良い記事は、表面的なインタビューではできません。心から相手に敬意を持ち、尊敬の念を持って行う必要があります。まとめた質問事項だけを用意して、なんとなくいい記事になればいいかなんて思っているインタビューは、本質的ではないです。』
『本質的なインタビューは、相手の心の奥底に入っていくような試みです。答えている本人すら、その問いかけは考えたこと無かったなと、その人自身が自分のことをはじめて知るようなインタビューができれば、これはいい記事になりそうですねと喜んでくれます。良いインタビューができた時は、改めて自分のことが理解できましたと言っていただけることが多いです。』
「そんなインタビューされたら確かに嬉しいですよね!」
『そうですね。そしてそのようなインタビューをした後、記事の書き手として大事なのは、本人が思考を整理しながら時間をかけてひねり出した言葉を、綺麗にまとめることです。現場ではたどたどしく、迷いながらだした言葉でも、文章化するときには簡潔にかっこよく書き上げる。そうすると、インタビューされた本人はさらに喜んでくれます。自分のインタビューに自分に惚れてしまうような文章が書けると、その人は喜んでシェアしてくれる。そんなインタビューが僕の思う人が喜ぶインタビューですね。』
静かだけど心は熱い人
中村さんは感情の起伏を簡単には見せずに淡々と語ってくれる。僕はどんなことでもすぐ喜ぶし、すぐ落ち込んだりするが、中村さんにはそんな様子は全く見えない。人が喜ぶインタビュー論を語ってくれる中村さんは、口調は静かだが語られるメッセージにはとても熱いものを感じた。何よりも普段から、中村さんの書くエッセイや行動そのものが実にエネルギッシュだ。
だから率直に聞いてみた。
「中村さんの文章や行動には、心を惹きつけられるものがあります。その源は一体何なのでしょうか?」
『10年前に自転車でヨーロッパを一週するときに旅の協賛金を集めたことがあります。そのときに15社と300名の個人から応援していただき旅ができました。その経験が大きくて、旅ができたことよりも、自分が旅をするための資金や応援がなぜ自分に集まったのか、何が良かったのかをいまだに考え続けています。』
時代に求められているのは自然とついてきたくなるタイプのリーダー
『若者の海外旅行離れを少しでも食い止めたい、その為に自分が旅をする。という目標を掲げて、企画書を作って飛び込み営業を繰り返して実践していきました。それで資金が集まったのはきっと、好奇心、違和感、素朴な疑問の3つが僕の根本にあったからですね。どんな小さなことでも行動する理由になり、そして行動すると人がついてきてくれます。』
『これからのリーダーに求められるのは「こうしろ」と命令するのではなく奉仕型のリーダーです。自分から行動し働きかけて人の為になることをする。僕はそのことを種まきと思っていて、色んな人に種をまいています。ちょっとしたことでもこれは役に立つと思ったらすぐ連絡するし共有します。情報の価値には個人差があります。例えば新聞の一面の記事が刺さる人、ネットのニュースが刺さる人、人によって情報の価値が違うのでその人に合った個別の情報が必要です。僕から見て、この情報はこの人にとって価値がありそうだなと思ったらすぐに伝えるようにしています。』
相手が喜ぶか喜ばないかは相手しだい、情報提供はマイナスにはならない
「人に合わせた情報はどのようにして見極めているのでしょうか?」
『人との会話を重ねていくと、なんとなくその人の好きなものや興味のあるものがセットで見えてくるので、その情報をしっかりと覚えておきます。そしてその人が喜んでくれそうな情報が見つかれば、こんな情報がありますよってフランクに送ります。そのときに決して相手が喜んでくれると思ってはいけなくて、相手がどう思うかは気にしてはいけません。もしその情報は知っていますと言われてもマイナスにはならないので、もしかすると知らない情報だったら喜んでくれるかもしれないという可能性を考えて伝えます。とにかく喜んでくれるかもしれないと思って、ひたすらこちらから情報提供しています。』
『そして情報提供しても見返りは求めません。期待すると自分もしんどくなるし、なによりも受け取った相手が重く感じてしまう。それだと全然良い情報提供になりません。ギブ&ギブの精神で届け続けると、長い目でみて良い人間関係ができるので、ふとしたときに自分のことを思い出してもらえる。だからどんどん情報提供するようにしています。』
ここまでの話を聞いていて、中村さんは根っこから人の役に立つことが好きで行動していることが伝わってきた。中村さんの人を惹きつける源は「人の役に立つ」ということを心から思って素で行動していることにあるということがわかった。
経験したことの無いことに対する想像は全く当てにならない
インタビューの中で中村さんはこんな話もしてくれた。僕が個人的にもっとも腑に落ちたし、なぜ行動することが大事なのかの根拠たり得る話だったので紹介したい。
ヨーロッパ一周旅をする前、中村さんは高校生の時から自転車旅にのめり込んでいた。その最初の体験が、自宅から15㎞先の高校まで自転車で行ったときのことで、2時間ぐらいかかるかなと思っていたのが実際にやってみると50分で行けたそうです。
さらにその後ロードバイクを手に入れて30分まで短縮できたとのことですが、このときの一番の学びが、「経験したことの無いことに対する想像は全く当てにならない」ということだったと言います。
やったことの無い物事に対して、多くの人は大人になっても想像だけで数字など使って論理的にあたかも正しいように語るが、それは全く当てにならないと感じることが多い。まず自分がやってみなくては根拠は語れない。
だから常に、自分がやってみなくては本当のことはわからないという精神で、実践しながら考えて動くということを大事にする。高校の時に取った自分の行動で、自分の想像がいかに無意味だったかを知った中村さんの行動力は見習うべきことが本当に多いと感じた。
ライターコンサルにかける想い
話をインタビューに戻そう。
中村さんのライターコンサルについても話を伺った。
「中村さんがライターコンサルで大切にしていることは何でしょうか?」
『正直、自分自身が一番楽しんでいます。そしてビジネスとしてお金を稼ごうと思ったらもっと他のやり方もあると思いますが、僕はあえて非効率と思われる1対1にこだわっています。生徒一人一人のパーソナリティが違うので教え方も変わるからです。』
『僕は自分のノウハウを今まで誰にも教えたことは無かったのですが、人に教えることによって自分のノウハウの再現性を確かめたいという気持ちもあります。失敗も含めて、これまで自分が経験してきたノウハウを使って生徒さんの悩みに答える。そうすることで、その人が問題解決できれば、そのノウハウには普遍性があると思える根拠にもなります。』
『効果があると確信できたノウハウを、また別の人にも伝えていく。この行動は地道ですが、社会を変える小さな一歩にもなると思っています。僕が一人で文章を書き続けるには限界がありますが、生徒さん一人一人がそれぞれ自分の好きな道で才能を開花させていくことによって良い循環が生まれる。そうして僕ではなく生徒の皆さん個人に対して憧れを抱き、自分もそんなライターになりたいと思ってくれる人が増えていく。その循環が良い影響を作り出してくれたらと思っています。』
「確かに!僕にも自分のnoteを読んで、僕と一緒に仕事をしたいという人が現れました!」
『それは素晴らしいですね。とにかく、今いる人達を大切にしたいという気持ちが一番です。コンサル生徒を100人にするぞ、といった人数を増やしたいという目標はなく、それよりも今いる人達に満足してもらうことが大事で、それぞれがより良くなれるように、一人一人の結びつきを強くしたい。そうすることで、皆さんがコンサルを受けて良かったという声が発生し、その結果生徒が増えるというのが理想です。』
僕が中村さんにコンサル受けた学び
僕がコンサルで受けた学びは、少し格好つけた言い方をすると成功するための哲学ではないかと思う。ライティングの技術や、仕事を得るためのノウハウも、なぜそういう考えに至ったのかという成功者のマインドを知ることがとても大事だと思っている。
中村さんの行動や目的意識を見て、どういう考えを持って行動すればどういう結果につながるのかイメージができた。ただ、インタビューの中で中村さんがおっしゃっていた通り、経験したことのない想像はあまり意味がないという言葉通り、行動して自分自身で確かめる必要がある。
そのことが一番の学びだった。
インタビュー記事を書き終えて
今回インタビューをさせていただいたのが、実は昨年の10月末のことだ。正直に言うと「やっと書けた……」という安堵の気持ちが強い。
1本目と2本目はすぐに書けた。だが3本目を書こうと思っていた矢先、ありがたいことだが仕事が舞い込みすぎ、そちらをこなすのに必死で書けず今に至る。
だが時間が経ちすぎたことによって良いことが一つあった。
これは絶対書いておきたいと思ったことなので書いておく。
それは、インタビュー時に中村さんが語っていたライターコンサルへの想いについてなのだが、あの時語っていた通りのことが、結果となって現れていることだ。
2021年の2月時点でコンサル生徒は32名まで増えている。
(インタビュー当時から10名以上増えた)
中村さん本人は宣伝活動をしていない。入ってこられる方はコンサル生徒の活躍や、中村さんの発信を見てコンサルを受けたいと思って来られている。
有言実行とはまさにこのことだと知った。
これからも、中村さん本人と活躍される生徒の皆さんの活動を見て、コンサルを受けたいと思う方はもっと増えるような気がする。
もし、この記事を読んでコンサルを受けようかどうか迷っているなら、まずは30分でもいいので直接、話を聞いてみることをおすすめしたい。
きっと、あなたなりの気づき得られることは間違いないから。
余談だが、この記事を最後に中村さんのコンサルをやめた。生徒でいるといつまでも中村さんを追い越すことができないと思ったから。僕は僕で色んな人と出会い、学びを深め、いつか中村さんやその生徒さん達と一緒に仕事をしたい。今度一緒に何かするときは、今よりもっと成長して驚かせてやる。
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