サルでもわかるNISA講座 その10       「株フォビアの投資戦略」

日銀は、物価安定目標として年2%のインフレ率を掲げてます。今年初めJPモルガンのリサーチは日本の長期的なインフレ率は1.4%と予想しました。これらはどういう意味があるんだろうか。日銀の目標通りだと、今日100の価値のあるお金が来年の今日には98しか価値がなくなるわけだから、今日の1000万円は20年後には実質的価値が668万円になっているということ。もう少しコンサバなJPモルガンの数字を使っても754万円。一生懸命桶に水を貯めても、その桶に割れ目があってチョロチョロ水が漏れているイメージね。じゃどうすればその割れ目をふさぐことができるか。

インフレに強い投資は株式というのは金融の常識。「でもなあ、株はやりたくないなあ。親の遺言なんだよ『株はやるな』って」という人もいるかもしれない。そういう人はどうすればいいんだろうか。

変動利付国債を買うというのは一つの手。10年満期の個人向け変動利付債を国は毎月発行しています。金利は「半年ごとに10年国債の利回り x 0.66」でリセット。金利が上がれば利率が上がるので、インフレ→金利上昇にもある程度の抵抗力あり。っつーてもなあ、国債の利回りの6掛けの金利ではインフレには勝てんだろうなあ。

で、選択肢の一つとして紹介するのが物価連動国債ファンド。物価連動債ってのは、債券の一種だけど、満期時の元本がインフレ率に応じて増減するという構造。アメリカで1997年に発行が開始したTreasury Inflation-Protected Securities(TIPS)を模したものなんだけど、日本では2004年に発行されたのが最初。デフレで一旦発行が中止になった後、2013年から発行再開。それまでは機関投資家しか保有できなかったんだけど、2015年からは個人も買うことができるようになったという国債。でも最少購入単位が1000万円なので個人はなかなか買えない商品だな。期待インフレ率よりも実際のインフレ率が高くなれば価格が上昇するというもの(詳しくは財務省のホームページをご参照ください)。それに投資する投資信託が売られていて、これがなかなか面白い商品。株ほどは儲かんないけど、ボラティリティ低いので比較的安定的なパフォーマンス。インフレに対するピュアなベットとしてお勧めできるもの。これに金(ゴールドね)を組み合わせるのもインフレに対抗する投資としてはいいんではないでしょうか。

(Face Book 1/26/24の投稿を転載)

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