サルでもわかるNISA講座 その12 「投資信託の目利きになる術 PART 1」

NISA口座では投資信託のほかに、個別株とかETF(上場投信)とかREITとかインフラファンドとかいろんな商品を自分のタイミングで売買できるけど、ここでは積立購入を前提としているので投資対象は投資信託にフォーカスね。

数多い投資信託の中で何を選べばいいかってのは難題だよねえ。ありがちなのは「みんなが買ってる人気銘柄」かな。まあそれでもいいんだけど、できればもう少し積極的に自分の大切なお金を投資するもんくらいは自分で選んだ方がいいかな。

投資において一番大切なのは、自分の常識を信じること。誰も10年、20年先のことなんか分かんないわけ。それを分かったかのように言ってる奴は、「分かってないのに分かっているふりをしている嘘つき」か「分かってないのに分かっているつもりになっている愚か者」のどちらか。将来を占うクリスタルボールなんて誰も持ってない。だから投資で大切なのは、自分が日頃生活して感じている感覚で、何が自分にとって「正しいらしい」か。その「らしさ」を見分けることなんだよね。まあその感覚を自分の投資に落とし込むのは少し慣れが必要なんだけどね。例えば、なぜ自分がオールカントリーを買わないかの理由ってのは以前述べたけど、その前提条件は別に金融の知識がなくても持てる感覚だと思うんだよね。でもそれが正しいかどうかは神のみぞ知るなわけ。だからオールカントリーが自分とって正しいらしければそれは「買い」でもいいわけ。自分で判断したんだったら、それは正しい投資行動なんだな。

それが本質的なポイントなんだけど、もう少しテクニカルな話もしとこうか。将来のパフォーマンスを占うことは不可能だけど、過去のパフォーマンスからそれを予測しようという努力は無駄ではない。投資信託の選別で、過去のパフォーマンスのデータで重視すべきはトータルリターンとシャープレシオね。

あ、「投資信託を選ぶ際に何に注目すればいいですか」の話になってるんだけど、純資産残高は気にしなくていいし、信託報酬は二の次。

「純資産残高が少ない投資信託は繰り上げ償還のリスクがあるので避けましょう」ってよく言われるけど、それはパフォーマンスが悪い場合にあり得る話だな。パフォーマンスがよければ必ずお金は寄ってくるので、パフォーマンスがいいのにずっと純資産残高が少ないままで運用手数料等のコストをカバーできなくて繰り上げ償還しますってことはないわけ。だから自分が買った投信のパフォーマンスが悪くて繰り上げ償還になるんだったら、さっさと手仕舞った方がいいから、別に憂慮すべきことではない。逆に純資産残高が大きければ大きいほどいいかというとそうでもなくて、投資信託は市場規模に見合ったサイズってのがあるわけ。市場規模に対してあまりにも大きいファンドが動くと買う時には相場を自分で上げてしまうし、売る時には逆に下げてしまって不利益に働くんだな。「池の中の鯨」だな。市場がニューヨーク証券取引所みたいに巨大であれば、それは心配する必要ないけど。そしてアクティブ運用の場合、ある程度小さいサイズの方が、ファンドマネジャーにとって銘柄選定に自由度が高いということもあるので、必ずしも「大きいことはいいことだ」ってのでもないんだな、これが。

運用者に支払う信託報酬は、インデックス運用を含むパッシブ運用は「安ければ安いほどいい」でいい。但し、アクティブ運用の場合、信託報酬が少々高くても抜群のパフォーマンスを出していればそちらの方がいいということもある。データで注目すべきトータルリターンは、キャピタルゲイン/ロス+分配金の運用成績なんだけれど、信託報酬ほかの事務手数料込み。なのでトータルリターンがよければ、ある程度信託報酬が高いことは許容できるということ。但し、トータルリターンはあくまで過去の実績なのに対して、信託報酬は将来のコスト。なので低いに越したことはないってことね。

トータルリターンとシャープレシオの話はまた長くなるので次回ということで。

(Face Book 1/30/24の投稿を転載)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?