コードのお話

先日行われた #ぎふでま2 (詳しくは↓の記事を参照)で私が代打演奏できた種明かしと申しますか、

そこで活用したコードの知識っていうかちょっとしたコツみたいなものを書いてみようと思います。
以下、例示するものについてはCメジャースケール(ハ長調)もしくはAマイナースケール(イ短調)、ピアノの白鍵だけで成り立つドレミファソラシドを使用します)

前提:ダイアトニックコードのお話

いわゆるドレミファソラシド(CDEFGABC)という「単音での音階」がありますよね。
そのそれぞれに付随していく「和音での音階」みたいなものというか、
ここに上がっている音だけでドミソというコードを作った場合に成り立つコードの事です。
コード名と度数を順番に書いていくと

C Dm Em F G Am Bm♭5
Ⅰ  Ⅱm  Ⅲm  Ⅳ  Ⅴ  Ⅵm   Ⅶm♭5

Aマイナースケール上でのコードは

Am  Bm(♭5) C Dm  Em   F   G   Am
Ⅰm Ⅱm       Ⅲ Ⅳm Ⅴm Ⅵ Ⅶ Ⅰm

となります。
ここでは基本の3和音(そのコード名になってる音を1音目とした場合、3音目と5音目を合わせた和音)を使います。
ギターでもピアノでも順番に弾いてみると、ちゃんとドレミファソラシドがそのまま和音になって聴こえる事にちょっと感動します
よくできてるなぁと。
この仕組みが以下のお話をする上での前提です。

コードはグループ分けできるというお話

人間の学校にも「よくできた優等生」とか「いつも落ち着きがない子」とか「普段大人しいのにちょっと不安定な子」みたいなのがいるように、
コードにもこういうグループ分けができちゃったりします。
細かい解説は省くのでそういうもんなんだと思ってください(投げっぱ)

まずは優等生グループのトニック
ジャーンと鳴らした時にその曲の根幹を司れる安定感があります。
まずはキーとも言われるⅠ度のコードが含まれます
C Em Am (Ⅰ Ⅲm Ⅵm)

次にちょっと不安定なサブドミナントグループ
Ⅰ度のコードと連続で鳴らすとちょっと不安定というのがわかると思います
F Dm (Ⅳ Ⅱm)

最後に一番不安定なドミナントグループ
これはトニックグループのコードに繋げてやっと安定する、という性質があります。
小学校の時に一礼するときに先生がピアノで
ジャーン、ジャーン、ジャーン
って弾いてませんでした?
あれはC→G→Cと弾いていて、あの2つ目のジャーンがドミナントのⅤのコードです。
G Bm♭5 (Ⅴ Ⅶm♭5)

なぜ数字の若い順番に書いていないかというと、
このⅠ Ⅳ Ⅴ(ここではC F G)が基本中の基本になっていて、
このコードだけで曲もできてしまうからです。
スリーコードと言われていて、ブルースとかパンクなんかは
本当にこの3つだけで作られている曲が多くあります。
一度この3つだけをジャンジャカ鳴らしてみてください、
最終的にⅠに落ち着くとちゃんと曲になってますwww

よくあるコード進行のお話

コード進行って言われるといろいろあるように思いますが、いわゆる売れ線の曲ってのは耳馴染みが良いメロディーな訳で、それが乗っているコード進行にも耳馴染みの良い売れ線みたいなコード進行があるわけです。
私が弾き語りを通じてコピーした時にも気付いたんですが
「また出てきた!またこのコード進行やん!」的な。
そのストックを増やすと一気にコピーとか作曲とかが捗ると思います。
代表的なコード進行を数個挙げてみます。

①カノン進行
個人的に思うキング・オブ・コード進行。J-popの名曲にアホほど出てきます。
Google先生に【カノン進行 名曲】みたいに訊いてみてください。
C→G→Am→G→F→Em→Dm→G→C
Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅴ→Ⅳ→Ⅲm→Ⅱm→Ⅴ→Ⅰ

②循環コード
コード進行って循環するもんやろ、みたいなツッコミは置いといて、
1625とか1645とか言われるもので文字通りその度数で進んでいきます
C→Am→Dm→G C→Am→F→G

③1音ずつマイナー進行
これの呼び方とか合ってるかわからないですが、やたら出てくる進行です
わかりやすいようにマイナーで例示します
F→G→Am (Ⅵ→Ⅶ→Ⅰm)
これの応用でⅠmから逆に下がっていったり、発展形(?)で
F→G→Em→Am (Ⅵ→Ⅶ→Ⅴm→Ⅰm)
がありますが、この発展形でいろんな曲のサビが弾けるようになったりします。

④丸の内進行(余談)
その名の通り丸の内サディスティックで有名になったコード進行です。
昔からソウルミュージックで使われている定番の一つなんですが、上記の曲で有名になっていろんなところで使われ始めましたよね。
CがキーになってるのにCが出てこない、ちょっとイキった進行ですww
正直わかりやすいものではないので「こんな感じなんだな」くらいで思っていただければ十分です(ここだけ4和音使います、申し訳ないです)
FM7→E7→Am7→Gm7→C7

上の理論を組み合わせてみる

ここではカノン進行を例にとってみます。
先日代打で弾いたチェリーのAメロが説明できるようになっています。
キーはC、ここで例に挙げているもので弾けます。

まずはカノン進行
C→G→Am→G→F→Em→Dm→G→C
Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅴ→Ⅳ→Ⅲm→Ⅱm→Ⅴ→Ⅰ

これに先ほどのグループ分けの理論を使ってみます。
トニックグループでEm(Ⅲm)はC(Ⅰ)に
サブドミナントグループのDm(Ⅱm)は(Ⅳ)に、それぞれ置き換えると
C→G→Am→G→F→C→F→G→C
Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅴ→Ⅳ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ
となり、これで完成です。

そして、なぜ私がしつこく数字による度数を書いてきたか、というと
度数で理解すると移調が簡単になるからです!!
元々演奏予定で練習していた等身大のラブソングという曲はキーがB♭、
で、上記そのままのカノン進行の亜種なんですね。
だから元から練習していたコード進行を1音上げるだけでそのままチェリーの代打演奏ができたというわけです。
簡単なタネでしょ?www

耳コピの手順

「じゃあお前はカノン進行だとか1音繋がり進行だとかをどうやって判断しとるんだ!」
「チェリーはサビもあるし、お前Cメロはホテルで練習したとか言ってたじゃないか!」

と言われそうなので、私がコード進行を耳コピしている時の手順を書いていこうと思います。

①まずは何を置いてもベース音

まずは耳を澄ましてベース音をコピーします。
ベースのフレーズではなく、コードを鳴らした時に核であるコード名となる音です。
曲のメロディーが落ち着く所(Aメロの入りやサビの最後)のコードでその曲のキーがわかったり、
大まかなコードの流れがわかります。

ただ、分数コード(C/Gみたいなやつ)がある場合は要注意です。
その場合はCを取ったりGを取ったり、歌ってみてメロディーの流れに合ってる方を採用します。

②コード進行として考える

ベース音の流れがわかったら自分の中にストックしているコード進行を取り出してきて当てはめます。
ストックが少ないうちは最初のダイアトニックコードの表に従って音を重ねてコードを採っていくと良いと思います。

ただ、妙にメロディーに合ってないなよなぁと思う所が出てくるんですよね。
そういう場合は先ほどのグループ分けの理論を活用したり、
ダイアトニックだとマイナーになるのにメジャーコードに変えてみる
(例:C→Dm→G→CをC→D→G→Cに変更してみる)
等、細かい調整をします。

③3和音から4和音へ
いわゆるセブンス(7th)を入れます。
この7thというのが曲者で、ただ7番目の音を入れるとメジャー7thなります。
Cに回帰しようとするGをさらに不安定(?)にするG7にするには
7番目の音の半音下の音を入れる必要があります。
何故かはわかりませんww
深い事は考えないで、いわゆるセブンスのコードがあるという事がわかっていれば全然大丈夫かと。
最初から4和音でコピーできたらこの作業はいらないですね。

④特殊コードを入れる
先ほどまでは出てきませんでしたが、
覚えておくといろいろ助かるコードをここで書いておきます。

それはディミニッシュコードです。
ディミニッシュコードは4つの音で構成された4和音で、
全ての音の感覚が1音半間隔です。Cならば
C・D#・F#・Aという並びです。
ベース音が半音ずつ上がっていってる場合、
例えばF→G→G#(A♭)→Aと上がっていってる場合は
G#の所で是非ディミニッシュコードを試してみてください。
結構ハマります。

大雑把になりますが、私がやっている作業はこれを繰り返して、
自分の中にコード進行のストックを加えていきましたし、
作業のスピードも随分とアップしました。
最初はもうしんどい作業で疲れるのですが、やる価値はあるかなと思っています。

まぁ、今はネット上にコード譜とか落ちてるので、
最初はそれを見ながら「なるほどね」と理解を進める事もできます、
それでも十分にコピーと分析になるので一度試してみてください。

最後に


いかがだったでしょうか?
こんな感じで私はすこーしだけコード進行のストックが多かったり、
ちょっとしたコツみたいなものを持ってるだけだったりします。

種明かしになりましたでしょうか?
そして少しでもコピーや演奏のご参考になりましたら幸いです。
そんな事くらい知ってたわ!と仰る方には長々と失礼いたしました。

もし何か疑問やネタになりそうなことがありましたら、
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