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暮らしの愛用品

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本、カメラ、文具、靴——その他、日々の暮らしを支える、長く使える愛用品を紹介します。
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2022年10月の記事一覧

革製品を洗える石けん「M.モゥブレィ・サドルソープ」

 実家の荷物を整理していて、懐かしいかばんを見つけた。厚みのある上質なヌメ革と帆布からなるブリーフケースだ。  これはぼくがリーガルシューズに勤務していたときに通勤かばんとして使っていたものだから、購入からかれこれ15年以上は経過したことになる。当時まだ22歳で社会人に成り立てのころだから、だいぶ無理をして買ったはずだが、購入時のことは覚えていない。今となってはメーカーやブランド名もすり切れて分からなくなってしまった。が、放置していたにもかかわらずほとんど傷みがないところを

高度経済成長期からビジネスマンの足下を支えてきた、リーガルの No.2504

 ある日、鏡に映った自分の姿が、子供服を着た大人のように見えて嫌になってしまった。『日々の100』の著者・松浦弥太郎氏が同書で語っていたことは、こういうことだったのかと、しみじみと腑に落ちたのだ。  夏はだいたいTシャツとジーパン、それにスニーカーで過ごしてきた。が、40歳を目前に控えた大人が、それらを相応に上品に着こなそうと思えば、実は難しいスタイルだと思い知ったのだった。  そこで久しぶりに靴を新調した。リーガルの定番商品「No.2504」である。  ぼくがリーガル

【肥後守】一生物の風格がただようV金10号割込ナイフ

 ナイフがアウトドアの象徴であった時代は、もうとっくに過ぎ去ってしまった。  現代のアウトドアは凝った料理や焚き火をしないのであればナイフの出番はない。  それでも、多くのサバイバルテクニックが刃物の携帯を前提としていることから、緊急時の装備として、小型のナイフを携帯している人は少なくないことだろう。そして今、広く普及しているのは西洋式のスポーツナイフである。  肥後守は純日本製のナイフだ。  ある世代にとってはとても懐かしい、当時の日本の生活に密着していた、和式折り