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フリーランスエージェント業界のマージン裏話

こんにちは。
エージェントとエンジニアの情報格差をなくすべく、日々発信を続けているROSCAの鈴木です。

この会社を立ち上げた理由のひとつにもなるのですが、フリーランスエージェント業界に長くいて感じることがあります。
それは、エージェントが当たり前に知っていることをエンジニアは知らない。そして、知らないことで損をしているエンジニアがあまりにも多い。ということです。

今回はその中でもお金に関わる部分、マージンについてお話します。
少しでも知識をつけて、賢くエージェントを利用できるエンジニアが増えてくれたらと思います。

マージンにまつわる2つの事実についてお話した後、そこにはどういった背景があるのかについてお伝えいたします。

エージェントって平均どれくらいマージンってとってるの?

まず、そもそもの部分についてですが、エージェント業界ってどれくらいマージンをとっているかご存知でしょうか?
正直、フリーランスエージェント(いわゆる"SES"を事業として運営している会社)は東京だけでも数千社はあるので、一概には言い切れませんが、

マージン率でいうと「25~30%
マージン金額でいうと「15~20万(税別)前後」

が中央値となります。(あくまで僕の見てきた観測範囲内ですが)
例えば、自分自身が貰える金額が仮に50万(税別)だとしたら、
エージェントが顧客から受注している金額は65~70万(税別)となるわけです。この金額が多いと見るか、妥当と見るかはエンジニアさん次第ですが、逆算すれば自分がどれくらいの金額で、クライアントから発注されているのか予測することができますね。

単価公開? 税込/税別の罠

最近、受注単価を公開してます!低マージンが売りです!というエージェントも増えつつあります。
ただ、ここについても単価を公開してるから安心!と鵜呑みにしてはいけなくて、エージェントにとって都合のよくない事実が、エンジニアには隠されています。

それは「税込」と「税別」の差額で、エージェントが利益を得ている。という事実です。これは単価公開をしていないエージェントも含めてですが、基本的にエージェントはエンジニアに高い金額を支払っている演出をしたいため、「税込」金額で発注を行うケースが多いです。これ自体は悪いというわけではないのですが、僕があまり気持ちよくないなあと感じるのは、顧客からの税別の発注金額を基準に計算して、税込で支払金額を提示している事実です。

例えば、クライアントが80万(税別)で発注し、15%をマージンで契約したとします。一見、先に記述した平均マージンより、ぐっとマージンが抑えられ、良心的なエージェントに見えますよね?
しかし、その中身を紐解いてみると下記のような構造になっています。

クライアント発注金額:80万(税別)
エンジニアへの支払い金額:68万(税込)(税別換算で、61.8万)

 ※見かけ上のマージン金額:12万
 ※実際のマージン金額:18.2万(マージン率は約22.8%)

これを知ったとき、詐欺じゃん(笑)って正直思ってしまいましたね。ただ、僕の知る限り単価公開/マージン率公開で運営しているエージェントのほとんどがこの形をとっていて、この事実を知らないエンジニアは自分が思っている以上にマージンをエージェントに支払っているという構図が発生してしまうわけです。

エージェントがマージンを高くせざるを得ない理由

なぜ、世の中のエージェントはあの手この手を尽くして、高いマージンをとらなくてはいけないのでしょうか?
ここには僕個人の見解ですが、2つの理由があると考えています。

1つは、エージェント間のエンジニア獲得競争が激化して、集客単価が向上しているという理由です。
皆さんご存知の通り、エンジニアニーズは現在非常に高く、どこの企業も必要としている状況なので、ドライな話、基本的にはエンジニアを獲得できればどこかしらに紹介はできるため収益に直結します。そうなると企業は「集客したのに紹介先がない」というリスクから開放されるので、お金をかけてでもエンジニアを獲得していこうと動きます。この競争の結果、集客単価はこの2,3年で倍近くまで上がっており、1登録獲得するのに5~8万円かけているという話も聞きます。そして、この想定以上に膨れ上がってしまった費用とバランスを取ろうと、マージンを高くする企業が続出するというわけです。

2つ目は、エージェント事業の構造に起因する問題です。平たくいうと、業界には機械的に対応するエージェントが多く、そうしたエージェントは成約率の低いので、1件あたりの成約マージンを大きくしなければ、コストを回収できないのです。
エージェントの事業構造から考えると、基本的に売上に直結するのは「マッチング数」です。このマッチング数を追い求めていくと、大量の案件と大量の人材を獲得してマッチング数を増やしていくという論理になるエージェントが多く(特に大手/中堅以上のエージェントはほとんど)、結果として機械的なエージェントが量産されることとなります。
そしてこういった量産型エージェントは、サービスの質も下がってしまうため、成約になった際の単価をあげなければ採算が合わなくなるわけです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
エージェントからはなかなか聞けない情報なので、(エンジニアの方に話すことはエージェントにとって都合が悪い情報も多いので笑)初耳の方も多かったのではないでしょうか?

エンジニアの方には、この記事を通してエージェントはずるいからもう使いたくない!とは思ってほしくなくて、正しい情報を理解した上でどう活用するかを考えてほしいなと思います。各エージェントにもそれぞれの良さもあると思っているので。

最後に僕が今所属しているROSCAでは、まさにこうしたエンジニア/エージェントの情報格差を一切排除した新しいサービスをリリースしております!


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