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求職者にとってハッピーなのは、非効率でカオスなエージェントって話

こんにちは。ぶっちゃけエージェントの鈴木です。

最近、弊社のROSCAfreelanceというサービスを通じてご面談をする機会が増えているのですが、その中で感じることがあります。

それは、「求職者にとってのハッピーと、(利益追求をする)会社にとってのハッピーは両立しない」ということです。

世の中一般的には、

「漠然と大手のエージェントはなんとなく安心感がある。」
「求職者に求められてるから業績が伸びている。」
...etc

と思われがちですが、意外とそうとも言い切れないんです。

このnoteでは、僕が業界で3000社以上のエージェント会社を見てきた経験から、大手・中堅エージェントが求職者のためにならない理由と、求職者にとって良いエージェントのポイントをお伝えしたいと思います。

大手、中堅のエージェントはほとんどが分業

まずは、大手・中堅エージェントが求職者のためにならない理由について深く言及していく前に、業界の現状についてお話していきましょう。

世の中には大小問わず、正社員転職・フリーランスエージェントが無数に存在します。各社「マージン公開!」「求人多数!」「高額求人あり!」等様々なコンセプトを打ち出していますが、共通する1つの特徴があります。

それは、「事業規模が拡大するほど分業化が進んでいく」という特徴です。

例えば、わかりやすい例でいうと大手エージェントでは、クライアント/エンジニア担当を分けたり、正社員/フリーランス部門を分けたりしてますよね?

これには理由があって、分業化を進めることによって、社員にインストールするべきノウハウが絞られるため、企業側の教育リソースが大幅に削減されるためです。

そのため、新卒の社員も早いタイミングで戦力化もでき、企業にとってはハッピー。どんどん採用を進めて組織・事業拡大をしていける。という寸法です。ただ、この分業制、エンジニア目線からすると大きな2つのデメリットが存在するのです

人材担当と、クライアント担当がわかれるデメリット

まず、人材担当とクライアント担当が分かれることによるデメリット。それは、「マッチングの質が著しく落ちる」という点です。

例えばキャリアアドバイザーとしてエンジニア担当しかしたことがない社員がいるとして、エンジニアがどういう希望を持っているのかを把握する能力には長けています。

しかし、その候補者が「クライアント企業からどう見られるか」という視点が欠けてしまいます。これの一体何が問題なのかというと、「希望を実現するためのプランが練れない」ということです。当然キャリアアドバイザーとして経験を積んでいけば、今のスキルを生かした方が採用されやすくて、スキルチェンジやチャレンジングな要素が多ければ採用されにくい。というのはわかってきます。

ただ、クライアント企業の細かいニーズはわからないので、選考を通過するための具体的な作戦が立てられなかったり、会社やチームの雰囲気を考慮したマッチングは当然できません。

結果、1件1件の提案の精度の低くなってしまい、それをエントリー数でカバーするようなブローカー案件紹介(2,30件案件を送りつけて大量にエントリーさせる方法)がエンジニアに対して取られるわけです。

正社員転職と、フリーランスをわけるデメリット

もう一つデメリットが、正社員転職の部門と、フリーランス部門を分けることによるものです。それは「自分の専門としている雇用形態に誘導される力が働いてしまう」という点です。

どういうこと?って感じですよね笑
ご説明します。

要は、正社員転職エージェントに相談したら、仮にフリーランスの方が本来の希望とマッチしていたとしても、「正社員転職しましょう!」と営業をかけられてしまう。という話なのですが、1点事例を用いてご説明いたします。

これは実際に僕が面談させていただいた方の事例なのですが、そのエンジニアさんは下記のようなニーズを持って、弊社のフリーランス媒体経由でご登録いただきました。

・エンジニア経験は1~2年程度(Javaメイン、Pythonちょっと)
3~5年後を目安に海外で将来仕事をしたい(家族と海外で暮らすため)
・そのためにフルリモートで、金額70万以上稼ぎたい

将来に備えて、フリーランスの働き方を、と正社員で勤めている会社を退職し、フリーランスエージェントをいくつか巡っていたようです。

ただ、この方絶対に正社員で転職した方が良い方だったんです。なぜなら、将来海外からフルリモートで仕事を受注するためには、Webサービス系の働き方が柔軟な企業から案件を受注する必要があるので、スキルチェンジが必要です。そして、今の経験では即戦力を求められるフリーランスの働き方では既存のスキルを生かしたJava案件しか受注が難しい。であれば、一度正社員で転職して経験を積んだ上で、Web系のスキルへ転身し、そこで初めてフリーランスとして活動を開始するべきだったのです。

と、雇用形態の垣根を取り払えば、多くの可能性が見えてくるのですが、フリーランス専門エージェント(正社員転職も同じですが)には、「自分の所属している組織のために活動する」という見えない力が働いてしまうのです。

そのため、本来自分にとってベストな選択が「隠される」「そもそもキャリアアドバイザーが気が付かない」というリスクがあるのです。

事業拡大と、分業のジレンマ

ここまで分業するといいことないよ!とずっと話してきたのですが、とはいえ事業拡大をするにあたって、分業するのって当たり前の選択肢なんですよね。(どっちやねん笑)

というのも冒頭にもお話をしたのですが、分業制を取らないと、社員の教育コストが跳ね上がり、採用ハードルもぐっと引き上げないと行けないんです。

理由としては明確で、まず分業制を取り入れれば、下記図の1セグメントだけインストールすればいいのですが、分業しない場合全部インストールしなければならないので、教育コストが4倍になります。

フリーランス

さらに、それぞれのセグメント、特に正社員とフリーランスは、業務内容や時間軸が大きく異なります。実際求職活動をする自分の立場に置き換えるとよく分かると思うのですが、正社員の転職先を探すときは、選考回数も2~3回あるのが通常ですし、1~2ヶ月スパンで動く方が多いですよね。一方でフリーランスは、1回の面談で合否が決まったりもするので、1~2週間程の短い期間で参画が決まったりします。

エージェントの立場でこの2つのセグメントを横断して、業務を行っていくには、非常に高いタスク処理能力、業務設計能力が求められるので、採用水準を引き上げなくてはいけません。

以上の理由から、事業・組織を拡大していくという目的から考える(企業として当然っちゃ当然なんですが笑)と、分業制を取らないのは愚策ともとれるのです。

いやあ、もどかしい。

ROSCAは業界で最もカオス(境目がない)エージェント

そんな業界のもどかしい事情がある中で、一切分業を行わないという暴挙(笑)をとっているのが、ROSCAなんです。

会社規模をそんなに大きくしなくてもいいから、目の前のエンジニアさんに徹底的に寄り添ったエージェントを作ってみたい。効率はたとえ悪かったとしても、エージェントとしてのあるべき姿を追求して今の組織を作りました。

シームレスキャリアという概念も提唱し、垣根のないキャリア提案を今まさにこの瞬間も行っています。

一見、そんなきれいごとだらけのボランティアみたいなエージェント成り立つの?なんて声も聞こえてきそうですが、意外とこの考え方がとても反響があって、ご相談いただいたエンジニアさんがめちゃめちゃ高い確率で、弊社経由でお仕事を探してくれるので成り立ってるんです。

大手エージェントじゃない、僕らのような小規模エージェントだからこそできる取り組みですが、関わった方全てに、全ての選択肢からベストな提案をする。そんなROSCAですので、もしキャリアにお悩みの方がいらっしゃれば、是非一度お話しましょう!

最後までお読みいただき、ありがとう御座いました!

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