会社の携帯
客の気はコロコロ変わる。
昨日は買うと言っていたのに今日は買わないと言っている。なんてことはザラにある。
勝負は一瞬。買うといった瞬間を逃さずその場で決めるのだ。
これが商談の成功法。
これを学んでから僕は客からの電話にはすぐに出るようにしている。
なぜなら、もしその電話が『商品を買いたい』という話だった場合、『後からかけ直す』では勝負の一瞬を逃してしまう可能性があるからだ。
これはある日の出来事。
朝起きて、顔を洗って歯磨きをして、卵かけご飯をかき込んで、スーツを着終わったころ。
リビングのテレビ台の上で充電している、会社のガラケーが怪しげに光っているのに気がついた。
客から着信の合図だ。
喉を『コホン、コホン』と2回鳴らす。
これは第一声で声が裏返らないようにするためだ。
そして、今起きたとは思えないような高テンションで電話にでる。
しかし、数秒返答がない。
もう一度元気よく名前を言う。
すると客は、半分怒り口調でこう言った
『間違えたわ!ごめん!』
今日も営業は楽しい。
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