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集団を「企業」「チーム」「コミュニティ」「クラスタ」の4つで捉える

こんにちは!
コミュニティデザイナーのてぃらです。

今回は「集団」について詳しく深掘り、それぞれの特徴や構造パターンを深めていくべく、記事を書いていきます。

普段コミュニティを生み出す立場として企業のプロジェクトに関わっていると、集団の形はいずれの場合も「企業(組織)」「チーム」「コミュニティ」「クラスタ」の4パターンに集約されることが最近わかってきました。

「集団を組織する」といってもそれぞれの目的によって設計するプロセスにおいて全く別のアプローチが必要になります。

今回はその初級編として、まずは「企業(組織)」「チーム」「コミュニティ」「クラスタ」の4パターンにおける概要を整理していきたいと思います。

それではいってみましょう!

企業(組織)

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組織は「役割の分業」により機能します。

所属する個人それぞれは「職務」というドライな役割を起点に機能的に繋がっています。
そのため個々の個性を活かすというよりは、組織にとって全体最適となる仕組みづくりから成り立っている構造のため、個人の関係性に焦点を当てずとも成り立ちます。ただし、意思決定はトップダウン型に移行するため、スピード感はやや鈍ります。

また、分業制によって役割の明確化、マニュアル化が可能であり、所属する個人がプロフェッショナルである必要はありません。

つまり、誰でもできるポスト(役割)として設計すればするほど、組織全体の持続性や生産性は向上することになります。

組織の例
・中〜大企業(社員100名以上)
・公的機関(自治体など)
・病院、大学

チーム


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チームは「共通の目標・目的」により機能します。

所属する個人それぞれは「目的達成」における役割を起点に有機的に繋がっています。
そのため個々の強みを発揮する設計から個別最適を起点に全体最適を生み出します。よりスピード感が求められる場合に適しているでしょう。

いわゆる「目的達成への道筋」に対する変動性(ピボット)が高いため、所属する個人は変化に強く柔軟であり、かつ職務におけるプロフェッショナルであることが前提となります。
(ここでいうプロフェッショナルは「自律」と「協働」に加えてレジリエンスの高さから判断します)

ある目的に対して各領域のプロフェッショナルが集うことで、組織以上にスピード感を持って価値創出に挑戦することが可能になります。

チームの例
・スタートアップ企業(社員1〜100名)
・社内ベンチャー
・チーム開発
・チームスポーツ(サッカー、バスケ等)

コミュニティ

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コミュニティは「共通の価値観」によって機能する。

所属する個人それぞれは「価値観共感」というある種の自己受容(自分の価値観をわかってほしいという社会的欲求)を目的とした行動を起点に有機的に繋がっています。

「自分の気持ちや考えを理解・受容してほしい」が根本にあるので、所属する個人がプロフェッショナルであるかの有無はそもそも問われません。

所属するメンバーそれぞれに寄り添った質の高いコンテンツや理念を提示することによってコミュニティの熱量は高まっていきます。

また、所属するメンバーは「自分はここにいていいんだ」という居場所的価値を求めるため、「安心・安全」を感じれるか否かが良いコミュニティであるか否かを左右します。

コミュニティの例
・宗教
・ファンクラブ
・オンラインサロン
・福祉施設(患者向け)

クラスタ

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クラスタは「共通の趣味・境遇」によって機能します。
所属する個人それぞれは「※偶発的に一致した項目」を起点に機能的に繋がっています。
(たまたま同じクラスだった、たまたま出身が一緒だった、等)

前提として所属する個人は明確な意思を持っておらず受動的です。
そのため個々のニーズではなく所属環境のニーズ、つまり「流行」によって形成されることが大きな特徴になります。

ただし、偶発的な出会いをきっかけに絆が深まり始め、コミュニティやチームに変容していくケースもあります。

つまり、クラスタはあくまでさらに上位概念であるチームやコミュニティを生み出すきっかけとして作用する集団であるとも捉えられます。

クラスタの例
・アイドルオフ会
・あまり活動しないサークル(大学)
・タピオカブーム
・同じ地方出身

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回紹介した4つの集団を整理すると


①組織
→「役割の分業」によって成立する

②チーム
→「共通の目的・目標」によって成立する

③コミュニティ
→「共通の価値観」によって成立する

④クラスタ
→「共通の趣味・境遇」によって成立する

こういったイメージになります。

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さらに細かく整理すると、下記の図のような感じです。

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「集団」という抽象的な概念を「企業」「チーム」「コミュニティ」「クラスタ」の4つで捉えてみると意外なヒントが見つかるかもしれませんね。

それではまた!

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