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補聴器を病院で買うか、眼鏡屋で買うか。

「補聴器つけても聞こえない」お年寄りのご夫婦が受診しました。シグニアの充電式、耳穴式を両耳お持ちでした。最近、群馬県のメガネ量販店で推しの充電式です。「片耳15万円ですが、両耳だと25万円にオマケします。」と言われて、両耳購入しました。Air Podsのように充電器に2つの穴があるので、左右の耳用とも入れないと、見た目も悪いです。この補聴器自体は、軽度の難聴者には良い補聴器です。本体は大きさ決まっていて、耳に入れるイヤホンのみ大中小で調整します。オーダーメイドより価格が抑えられた補聴器です。

充電式は格好いい

両耳買うと、片耳づつ買うよりお得ですよ。

これが殺し文句で、つい両耳まとめて買ってしまいます。しかし、この患者さんは、「若い頃に片耳は中耳炎をこじらせて全く聞こえません。」と言います。当然、聞こえない耳には補聴器つけていません。残った耳も中等度の難聴で、もっと出力が欲しいです。

私は二人に聞きました。「お店で聴力検査はしなかったの?」しませんでした。検査すれば、片耳聞こえないのは分かります。自己申告しなかったお年寄りがいけませんか? 検査しないで売りつけた販売員がいけませんか? 補聴器技能認定者がいると謳っている、眼鏡屋さんですよ。

病院では、必ず聞こえの検査をします。

その人に合った補聴器を合わせるためです。高価な補聴器売っても、自分の給料には反映しないので、患者さんが、年金暮らしか、今も社長さんかで、補聴器を決めています。ふつう片側の耳にしか売りません。高いほど良い補聴器ですが、仮に2倍の金額の補聴器にしても、聞こえは1.2倍くらいしか良くなりません。裕福か貧乏か、予算を聞いて決めています。「病院で高い補聴器買ったのに聞こえない」と投書されるのが嫌なので、機能豊富だけど高い補聴器、新しいけど高い補聴器、充電式の補聴器は、病院では売りにくいです。

メガネ屋さんの利点

世界の色々な補聴器メーカーの補聴器を取り揃えていること。しかし、お店によって、シーメンスだったり、オティコンだったり提携しているメーカーしか置いていません。コストコの補聴器、安くて性能も良いですが、アメリカの有名メーカーしかありません。補聴器専門店には色々ありますが、それでも販売員の好みのメーカー推しがあります。病院では、日本製のメーカーが多いです。

日本製が良いか、海外製が良いか

自分が歳をとってつけるなら海外製にします。機械の取り扱いに慣れているからです。iPhoneとの連携など、日本の老人にはいらない機能です。機能が多くても、世界がマーケットなので、数の原理で格安です。日本製は日本でしか売れないので、販売数が一桁違います。性能良くても安くなりません。うちの親には、ボタンがひとつしかない日本製にします。

私のおすすめ

  1. 若くて補聴器つける病気なら、補聴器専門店で高性能の高額補聴器

  2. 年寄りの老人難聴は、初めは病院の補聴器外来で安い補聴器

  3. 買い替えする5年後は、年寄りもランクアップして少し高性能の補聴器

  4. 買い替えで良い補聴器を試してみたい時は、先生に相談してからメガネ屋さんで試聴してみる


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