見出し画像

ありのままを受け入れてほしいなら、まず自分から。『シンデレラ』からの学び

テレビで、ディズニーが手掛けた実写版映画『シンデレラ』がやるというので、観てみることにした。

シンデレラが、あまり好きじゃなかった

正直なことを言うと、わたしはこれまでシンデレラがあまり好きではなかった。エラ(=シンデレラ)を置いてけぼりにして行ってしまった両親も、自分のために周りを蔑ろにする継母や姉たちも、これだけ不憫な目に遭いながら継母たちからの嫌がらせにただ耐えるエラも。
みんな現実に怯えて、何かから向き合うことを避けているように見えていた。

でも、映画を観て、これまでの印象ががらりと変わって。
なぜ両親はエラの傍にいれなかったのか、なぜ継母はエラを愛することができなかったのか、なぜエラが理不尽に耐えていたのか、その答えが見えた気がした。
エラが王子様と再会して幸せになるというゴールのために存在するだけの「駒」ではなく、きちんとそれぞれの登場人物たちが「人」としてそこに存在し、その行動にもキッカケや苦悩があることが分かったのだ。

ありのままの自分を表現するのは、怖い

継母も、エラの両親も、義理の姉たちも、王子様も、臣下や王様も、エラ自身も、恐怖を抱えていた。
継母は、もう自分が愛されなくなるのではと怖がっていた。両親は、エラを孤独にしてしまうことを怖がっていた。義理の姉たちは、有能な妹のことを怖がっていた。
王子様とエラは、どちらも「ありのままの自分を表現すること」を怖がっていた。

ありのままの自分を表現するのは、怖い。
受け入れてもらえないかもしれないし、批難されるかもしれないし、これまで築いてきたものがすべて壊れてしまうかもしれない。
だから王子様はエラと最初に会った時に身分を明かさなかったし、エラもまた、王子様に会いに行く道を選ばなかった。

「もちろん、受け入れるよ。君がありのままの僕を受け入れてくれるなら」

それでも王子様は、結果としてエラに身分を明かし、エラもまた、王子様に会いに行く道を選んだ。
二人が、あれほど恐れていた「ありのままの自分を表現する」ことを選んだ瞬間だった。

エラは、「ありのままの私を受け入れてくださいますか?」と問う。
王子様は、「もちろん、受け入れるよ。君がありのままの僕を受け入れてくれるなら」と答える。

二人は、お互いにありのままの自分を表現することを恐れていた時から、すでにありのあまの相手を受け入れていた。だから王子様は舞踏会を身分問わず女性たちを招待したのだし、エラは王子様が「見習い」と言った時からお城で巡り合った時まで態度を一切変えていない。

きっと、二人がそれぞれ、ありのままの自分を表現することを選んだのは、その「相手を受け入れる」気持ちが自分にあったからだと思う。
ありのままの相手を受け入れることができていたから、ありのままの自分を受け入れてほしいと思えた。王子様はエラを、エラは王子様を信じようと、信じたいと思えたのだろう。

「本当の魔法は、あなたの勇気。」

『シンデレラ』のキャッチコピー。
エラは魔女の魔法できれいなドレスと馬車と従者たちとガラスの靴を用意してもらったけれど、そもそもエラ自身が舞踏会へ行こうとしなければ魔女も現れなかっただろう。

本当の魔法は、あなたの勇気。
残念ながらこの世に魔法はないけれど、「勇気」ならわたしたちの心の中。
ありのままの自分を受け入れてほしいなら、まずは自分がありのままの相手を受け入れる。
そういう一歩が、「魔法」を生み出してくれるのかもしれない。

TOP画像は、ちーぼーさんの写真をお借りした。
シンデレラといえば、ブルーのドレス。映画中はそのドレスにも特別な意味が込められていて、「すてきだなぁ」と思ったので、ブルーのワンピースがすてきな女性を。

感想、コメント、リクエストなどいただけたら嬉しいです。「たかれんのこんな記事読みたい!」があったらDMにどうぞ!