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中之島的備忘録 10月21日水曜日

淡いカーマインレッドの遠くに潜む希望を確かめるために、目を細めてみる。

二羽の鳩が、欄干から黙ってそれを待っていた。

蒼白い横顔に、そっと決意の跡。

カッコ良く言えば、明日を待っているのだろう。

私には何も見えないけどね。


マスクをつけている人は、全員、どこかで出会ったことがあるような気がするので、目が合えば微笑みを返すことを忘れない。

   礼儀正しく。

ただし、こちらもマスク着用なため、相手には伝わらない。

まあ、いいでしょ

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咲き乱れる薔薇の間をぬって、トラックが走り抜けていった。


振り向くと、いつの間にか、鳩はもういない。どうやら答えを見つけたらしい。


マリンブルーをすこうし溶かしたみたいな、風の色。

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何年か前、胃癌で手術をして、胃が三分の一になってしまいました。その時はじめて、死ぬのが怖いことに気づきました。それから私の人生は一変し、長年勤めた仕事を辞め、通信の大学で苦手な文章を学び始めました。しがらみから逃れ、三分の二分身軽になった私は、でもまだ今もナニモノでもありません。
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