中之島的備忘録 10月15日木曜日
何が反射しているのかわからないけれど、
小さな粒々が、眩しい。
建物の陰に隠れて、太陽の光がいったいどこを照らそうとしているのかを、そっと確かめてみた。
次第に楽しい気分になってきた。
ピントは合ってなかったけど、なにしろ、とても久しぶりにこんなにも楽しくなってしまったものだから、むやみにシャッターを押し続けたら、ベンチに座っていた、髪のとても長い女と目が合った。
割合からすると、白目の部分のほうが多め。
私は目を逸らして、何気ないようにして、女の横を通り過ぎた。
女のぴっちりとした目は、私の動きをずっと追い続ける。
私は、ぜったい女のほうを振り向かなかった。
公園内は、薔薇が咲き乱れていて、いつもより若干、人も多くいた。
そしてやっぱりどの人もみんな、いつもより少し楽しそうにしていた。
誰も何も真実を語ろうとはしなかったけれど、私にはちゃんとそれが分かっていた。
リュックをおろしながら、白いシャツの男が、私の過ぎ去るのを横目で確認していた。
あのリュックの中に、
今からおこるであろういいことのアイテムが入っているはずだった。
長くつるんとした形状のプロパンガスのボンベが、二十三本、トラックで運ばれていく。
がたがたがた。
プロパンガスが揺れてぶつかり合う。
園内には、いつまでもゆっくりとした時間が流れていた。
空は高く、馬も鳥も亀も私も、肥ゆる。秋。か。
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