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仰げば尊し【とてもスキな投稿】

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思わず胸が熱くなったスキな投稿を集めました。 テーマは例えば、【本への恩】【動物への恩】【人への恩】【文学への恩】など
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2024年6月の記事一覧

母ひとり黒豆を煮て夜を越す

二年ほど前から、母は煮てる。 なにかを、必死で、とにかく煮てる。 ガスコンロの前を陣取り、 車いすのタイヤをガツガツぶつけながら、 汗だくでひたすら鍋をかき回している。 近いうち、ねるねるねるねの魔女として、スカウトされるかと思われる。 煮ている“らしい”という風評なのは、 わたしは実家を離れて暮らしているので。 わたしだけではない。 弟も、ばあちゃんも。 知的障害や認知症のグループホームで暮らしている。 岸田家は三年前に、一家離散した。 ただの一家離散ではない

やや大きくなった鳥獣戯画のごとき犬

最良の友は常に四つ脚以上である。 ──シドニー=ガブリエル・コレット 「わあ、やっと会えたね!」 「この子か……可愛い」 「子犬ちゃん。噂は聞いてたんですよ」 4月からこちら、こういった言葉をどれほどかけられてきたでしょうか。 『鳥獣戯画のごとき犬』という話にも書いたように、4月初頭に大型犬の子犬を家族に迎え、早くも2ヶ月が経過しました。 ありがたいことに犬友達や近所の人たちも笑顔で歓迎してくれ、子犬が新しい暮らしに慣れるための”社会化”は順調に進んでいます。 毎日

愛犬サリーの二周忌をむかえて①

こんにちは。空沙です。 今日6月20日は、家族の愛犬サリーの2周忌です。 16歳で天国に行ってしまったサリーは、シーズーの男の子でした。 サリーに出会って、私は変わりました。 もちろんいい方向に。 人に対して優しくなった気がするし、ずっとわからなかった『愛』という感情を知ることができました。 いくつかの記事に分けて、そんなサリーとの思い出を記事にしていきます。 サリーは、もともと母方の祖母の家で暮らしていました。 しかし祖母が急に入院することになったので、我が家で預かるこ

そんなのつまんない

そんなのつまんないよって わたしを馬鹿にして だるいだけじゃん なんていって 柱にもたれてる これから起こるはずの たくさんの夢のはなしを いままでみたいに きらきらおめめで聞いてくれない そこにいるのに ふてくされてる それこそ そんなの つまんない わたしのだいすきは きみのだいすきとは ちがっているのかな おもしろいこと いっしょにしたいよ それこそ わたしも ふてくされちゃって ホコリの数でも数えていよう ひとつ ふたつ みっつのあたり そっぽをむ

📖【詩211】しやく 789

自分がされて嫌なことは 誰にもしない 自分が言われて嫌なことは 誰にも言わない 気づかずやってしまったら 潔く謝り 想像力が足りないことを 反省します 気まずいことがあっても 自分から挨拶する 返事をする ありがとうと言う ごめんなさいと言う お願いしますと言う それはそれこれはこれと 分けて考えます 無視されるのは 何より辛いと知っている 伝えようとしても 伝わらないのに 黙っていては伝わらない 誰もがそう思う訳では ないのですね 嫌がることをしないで 嫌がることを言