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志は、心の痛みの予防薬。遠い未来を想像すると、近い未来の30倍、情動の調節機能が働く

「仲間はずれ」

とても嫌な言葉ですよね。
誰もが心の痛みを感じた
体験があると思います。

社会的動物である人間にとっては
「仲間はずれ」による排除は
自尊心や自分の存在意義にも
影響します。

そのため、うつ病や他害、
あるいは自殺にもつながります。

とはいえ、深い孤独を感じた状態では
他者に助けを求めることもなかなか
できないでしょう。

でも、そんなときこそ
1人でも簡単にできる
心の予防薬があります。

1. 遠い将来を想像するほど、心の痛みは和らぐ!?

2011年、京都大学 野村 理朗博士らは
とても意義のある研究を
発表しました。

46名の協力者を2群に分けて
まず5分間、次のテーマについて
自由に書いてもらいます。

A群 近い未来条件

今夜もしくは明日、
やりたいことを書いてもらいます。

B群 遠い未来条件

来年もしくはもっと先に
やりたいことを書いてもらいます。

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次、参加者はサイバーボール課題という
オンライン上のキャッチボールゲームを
してもらいます。

キャッチボールは3人組で行いますが
実は残り2人はPCのプログラムです。
このプログラムはあえて、参加者を
仲間はずれにして、ボールを回しません。

事情を知らなければ、ちょっと
ショックですよね。

研究チームはこうした社会的排除を
受けたときの心の痛みについて、
事前に遠い未来を想像した場合と
直近の未来を想像した場合で
どのような違いがあるかを調べました。

結果は面白いものでした。

2. 遠い未来を想像すると近い未来よりも【30倍】、心の調節機能が働く

事後のアンケートによれば、
遠い未来を想像したB群の参加者は
直近の未来を想像したA群の参加者よりも
約14%、心の痛みが減少していました。

さらに、近赤外分光法(NIRS)という方法で
参加者の脳の活動を計測したところ
興味深い現象がみつかりました。

前頭前野腹外側皮質(VLPFC)の活動について
遠い未来を想像したB群の参加者は
直近の未来を想像したA群の参加者よりも
【約31倍】も活性化していたのです。

前頭前野腹外側皮質(VLPFC)は、
社会的苦痛を評価する背側前部帯状回(dACC)や
情動全般に強い影響力をもつ扁桃体の
活動を調節する役割があります。

3. 志は心の痛みへの予防薬

この実験の面白いところは、
未来を想像することと
心の痛みを感じた体験は
直接の関係がないことです。

単に時間的距離が遠い出来事を
想像することで、目の前の体験から
ちょっと離れた状態
を意図的に
作ることができるのです。

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いかがでしたか?

もちろん、遠い未来の出来事は
曖昧な想像しかできないでしょう。
実現する確率は、時間的距離が近い方が
高いに決まっています。

でも、そうした想像はあなたの視野を
広げてくれて、目の前の出来事への
過剰な反応を和らげてくれるのです。

目果てぬ夢・志を持つことは
心の痛みの予防薬なのですね。

本日もお読みいただき
ありがとうございました。

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