「コロナ禍を生き抜く、串カツ田中の経営戦略」株式会社串カツ田中ホールディングス 代表取締役社長 貫 啓二氏 経営者の輪 財部誠一

「軽い奴だな」
約束の時間に遅刻してきて「すみません」もなく、派手なメガネを地味なものに取り替え、高級腕時計外して黙って広報担当者に渡した。その様子がいつものルーティンであることをうかがわせる。
絵に描いたような成り上がりのチンピラ。
それが串カツ田中の貫啓二社長の第一印象だった。
だがカメラが回り、対談が始まるとガラリと態度が変わる。さすがコロナ禍でも経常黒字(20年10月決算)を達成した経営者である。アルコールを提供する外食チェーンとしては異例の好決算となった理由はどこにあるのか?
じつは第一印象のチンピライメージとは対象的に経営はステディだ。コロナで多くの経営者が学んだ教訓は「キャッシュ・イズ・キング」。貫社長は度重なる外食事業の失敗から「事業の難しさ」を熟知しているという。串カツ田中は実質無借金で上場までたどりついた。
松下幸之助のダム式経営を彷彿とさせる。
「経営のあらゆる面にダムを持つことによって、外部の諸情勢の変化があっても大きな影響を受けることなく、常に安定的な発展を遂げていけるようにするというのがダム式経営の考え方である」

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