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アルゴリズム偏重のSNSで企業が振る舞うべき2つの方向性_仮説の手前 34

SNSのタイムラインが、その人の興味関心に合わせたアルゴリズム偏重になってから、いろんな意見を目にするようになりましたが、SNS・エンタメ等の「時間を奪い合う」プラットフォームが増えるほど必然的にたどり着くことかと思っています。

これまでのSNSは「人の発信の集積」がタイムラインに流れてくることが基本でしたが、フォローしているものがすべて「今の自分にフィットする情報」かはわかりません。一昔前なら、ダラダラとスクロールすること自体がエンタメになりえたわけですが、これだけコンテンツが増えプラットフォームも増えれば、ひとつのタイムラインに「一度に」滞在する時間は自ずと配分されます

なのでプラットフォーム側としては、その時間内でどれだけ「中毒性を生み出し留まってもらうか」が(マネタイズとセットになる以上)最重要KPIであり、いかに「労せず眺め続けられるか」をデザインできた方に軍配が上がるゲームでもあるわけです。よりその人の「欲しいものをピックして立ち止まらせるか」に行き着く先が「アルゴリズム偏重」であるのは当然の流れかと思います。

そのアルゴリズムにプラットフォームなりの「色」が出ると面白いのですが、そのあたりがうまくフィットしていないと思えてしまうが故にネガティブな声も上がるのかと思います(まぁその辺はどこも改善してくるのだと思います)。

また、アルゴリズム偏重を推し進めるもうひとつの要因に、そもそもSNSののもつ人と人とのつながり(フォロー・フォロワー)自体が、インターネット的な良さ(見知らぬ人ともフラットにつながれる)を覆い隠すくらい面倒なことの方が多くなった、というのもあると思います。

フォローしているユーザーが少なければ、必然的に流れてくる情報は減るのでプラットフォームの利用価値は下がります。そうなれば必然的にコンテンツを「引っ張ってくる」必要があるわけで、そうなればそもそもフォローしなくても楽しめる設計にした方がユーザーにとってもヘルシーな場になって楽しめる、ということなのかなとも思うわけです(TikTokなんかはそうですよね)。

それはそれとして、そう考えると、これまで10年以上「企業アカウントはフォロワー獲得を大きなKPIとすべき」という目的そのものが崩れてきます。さらに言えばせっかく(あの手この手で)獲得したフォロワーがほぼ意味がない、という状況も近い将来起きることでしょう。

もともとエンゲージメントがしっかりついているほどのブランド力のあるアカウントならまだしも、そういうアカウントは稀で(中の人の才能orブランドそのものが強い)、多くのアカウントは選択を迫られる状況に陥ってくると思っています。

ここでいうSNSは主にTwitter、Instagramとnoteです。noteも最近アルゴリズムに舵を切ってますね。現状の「ホーム画面」を見ると、これからに期待、といったところです。

noteについては今回は省きますが、こんなことを感じています。

話を戻します。

アルゴリズム偏重を受けて企業アカがどうしたらいいのか、個人的に今感じていることはこんなことです。

本来的には、わざわざ企業がSNSアカウントを立ち上げてまで運営する目的は、ただコンテンツを発信して多くの人に届けることではなく、こちら側の発信に対して、発話を中心とした自発的なアクションで「広まっていくこと」です

その積み重ねが「アカウントフォロー→企業への愛着」を生むことになるわけです(理論上は)。その循環の維持・拡張していくために多くのアカウントがわざわざチームまで作り、企業の「顔」としてそれぞれのSNSの色(ユーザーのプラットフォーム利用時のマインド)に合わせた発信を続けているということです。

要はSNSは、企業側からしたら「発信拠点」でありながら、受け手の「発信起点」にもなり、その先における「対話地点」にもなるという、なんとも可能性のある一石三鳥な場所なんです(本来的には。多くの企業は「広告的」な役割に終始してますが)。

このメリットだらけ(に見える)のSNSをより使い倒すためには、フォロワーを抱えさえすればいいというのが、これまでのSNSのゲームルールでした。なのでフォローしてもらえるまでの苦労(多くは広告費とバズのための企画費)を積極的に買っていたということです。

ただ、この「アルゴリズム偏重」の潮流は、そのゲームを一変させてしまいました。要はフォロワーをあの手この手で集めても意味がない(アルゴリズムによって投稿の表示が減りリーチができない)ということです。

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確たる根拠はないけれど「そうかもしれない」と思うことは、日々の生活や仕事の中で結構あると思うんです。普段は通り過ぎてしまうそういう感覚が後々顔を出してはヒントを与えてくれることも。正解やノウハウばかりが並ぶSNSでは発言することに気が引けてしまう「なんとなく」を月に2回を目処に書き残していきます。読んだ方々にとって、日常の「小さな兆し」に気づくきっかけになれれば。

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