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チームは管理せずに乗せればうまくいく

いつぞやの会議のときのことです。会議室には10人程度いたでしょうか。月に一度の定例会と称して、各々メンバーが一ヶ月やってきた活動を報告する会でした。

淡々と会議は進み(質問はありますか?の声に手が挙がらない会議です)とある方の番になり報告を始めました。

詳細の内容はここでは控えますが、僕は素直にその施策がとても良いと思ったのと、その施策を出すまで(おそらく)相当試行錯誤したんだろうなと思ったので発表が終わった後に手を挙げました。

その時に言ったことをかいつまんでまとめると「この施策はこれから世の中の“主流になる可能性”があります」「この施策はもっとよくなっていきます。たとえば〇〇という会社ではこういう結果が出ています。この施策はその“入口”だと思います」といったようなことでした。

この発言をした意図は、「主流になる可能性」ということで、その人がこのテーマにおいて精通していることをその場にいるメンバーに教えるためであり、他社の事例を引き合いに出し、「入口」と言ったのは、この施策はまだゴールではなく伸びしろがあることを本人に教えるためです。

会議が終わり、その報告をした方からメールが届きました。そのメールには大変な思いをしてやった施策を認めてもらえて嬉しかったという感謝と(その施策に至るまでやったことまで丁寧に書かれていました)、実はまだ悩みながら手探りでやっているから、紹介された事例を見て改めて施策を考えてみたい、というとても前向きなものでした。

マネジメントの話になると、「細かく管理する」ことと「信頼して任せる」ことがいわば対局論として出てきます。実は僕は両方ともとても苦手なんです。

僕自身が外に出て動いていたい人種なので、座して待つような管理もできないし、任せたところでそれは一時の信頼であって、後で必ず口を出したくなってしまうというわけで、まぁどちらも向いてない(僕にマネジメントの資質がないというのはここでは置いておきます)。

ここからは僕の個人的な見解であり、前段の話の続きです。

「管理する」ことも「任せる」ことも大切な要素だとは思います。ただ、それだけでは同じ理由でチームが弱体化する可能性があると思っています。

それは「足が止まる」ということです。もう少し言えば「臨機応変力」が弱くなるということです。

もう少し説明します。

「この仕事の進め方でやっていれば大丈夫だから」という管理の仕方は、暗黙的にそのやり方しか「認めない」ということと受け取られることがあります。

ただ同じ作業だけを繰り返して成功すればいいのですが、変化の激しい現代において(雑な言い方になりました)同じことだけ続けることは、ほぼ不可能です。

管理型のやり方で縛られるのはマネジメントされる側だけではありません。むしろマネジメントする側がそのやり方に固執することの方が多いように思います。

そこから起こる最悪のシナリオは、変化が起こるたびに管理方法を作り上げることで、結果として「手続き」過多な職場ができあがってしまうことです。

反面、ゴールだけ与えて「さ。あとは任せるので頑張って」というやり方は、新しい知見を社内外に常に求められ続ける人なら合うのですが、これ自身結構がとてもタフなやり方だという欠点があります。要は自己批判と自己研鑽をやり続けられるだけの体力がないと続かないんですね。

よく起こるのは、自分のフィットするやりかたで進めることになり、視野狭窄に陥ります。なまじっかこのやり方で一度うまくいってしまうと、そのあと変化が起きた際「このやり方でうまくいきましたから」と固執し、新しい手法を取り入れられなくなってしまいます。

今挙げた事例はいささか極端過ぎますが...冒頭の僕の会議での発言は、新しいチャレンジが素晴らしいことであることを褒め、このテーマは「任せます」と背中を押すとともに、具体的な企業名を挙げることで伸びしろがあることを示し、この後の施策は僕も「見ます(管理します)」と言っていることになります。

管理するor任せるというマネジメントではなく、両方バランスをもってコミュニケーションすることが必要だということです。

長くなりました。

個人的な感覚でこのバランス感覚を言語化するのであれば、「管理する」でも「任せる」でもなく、「乗せる」ことなのかなと思っています。もっと的確な言葉があるかもしれませんが、今のところこの言葉のニュアンスが僕にはフィットしています。

音楽のリズムに乗るように、チームにもリズムが必要です。それはコミュニケーションが活性化することと同義です。「乗せる」文化のあるチームは自然コミュニケーションが活性化し、前向きな空気が出来上がります。

僕個人の経験からチーム作りのひとつの気づきでした。みなさんのチーム作りのコツを知りたいです。


ありがとうございます。 サポートって言葉、良いですね。応援でもあって救済でもある。いただいたサポートは、誰かを引き立てたたり護ったりすることにつながるモノ・コトに費やしていきます。そしてまたnoteでそのことについて書いていければと。