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ブランドたらしめることは「空席」にある_仮説の手前 28

「自分にしかできないことをやる」「自分のポジションを作る」
働いていると、こんな煽り文句をいつも浴びせられるわけですが、実際のところ求められていることは「拵えられた枠内」でいかに「抜きん出るか」といった話に終始するケースをよく目にします。

それはつまるところ、目新しいことは、それが正解なのか、もしくは、現時点ではわからないけれどなんとなく可能性を感じるものなのか、ジャッジする物差しがないことが要因かと思います。物差しがなければ、頼るのは個人の感性になってしまうが故、「公平さ」を担保することを前提とする組織では避けられがちです。というわけで「オリジナルであれ」という号令は呪いにもなってしまうわけです

そうであれば、物差しのある「前例」に則った評価基準のみで働けばいいのか、と言えば、もうそれは時代的に難しいのだろう、というのはなんとなく気付いている。そうは言っても、属人的な感性に頼った判断でいい・悪いを決められるほど余裕がない、という大きな壁が今度は立ちはだかることになります。だったらやっぱり「わかりやすい基準」に立ち戻った方がハッピーかも、となる。まさに禅問答です。

これは組織内の話に限らず、個人で働く人たちも同様で、結局わかりやすい物差し(それはたとえば実績であったり、SNSのフォロワー数であったり)を拵えられてしまうという問題はつきまとってきます。この物差しの厄介なところは、そのわかりやすさ故に、早く・強力に惹きつけてしまうところです。繰り返すようですが、結局のところ「拵えられた枠内」でいかに「抜きん出るか」という話に立ち戻ってしまうわけです(数のゲームを否定しているわけではありません)。

翻って自身を振り返ってみると、どうしても物差しの中でレースをするのが苦手だということが社会人になってすぐわかってしまった。なので、ずっとそこから離れるためにどうしたらいいかを考え続けてきたように思います。おかげで幸いにもこれまで比較的「物差し」からは距離を置いて仕事をすることができています。

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確たる根拠はないけれど「そうかもしれない」と思うことは、日々の生活や仕事の中で結構あると思うんです。普段は通り過ぎてしまうそういう感覚が後々顔を出してはヒントを与えてくれることも。正解やノウハウばかりが並ぶSNSでは発言することに気が引けてしまう「なんとなく」を月に2回を目処に書き残していきます。読んだ方々にとって、日常の「小さな兆し」に気づくきっかけになれれば。

仮説の手前

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