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キリエのうた 映画と本

キリエのうたの本を読み終えたので書いてみる。哀れみの讃歌を聴きながら雨があがった湿度が高いほんのり涼しい初冬の街の中、この心地良い雰囲気を表現してみよう。これの最後の方はクラフトビールを飲みながらPCを出して外で書いている。

諸説あるがこれに関しては映画が先で本が後の方が良いと私は思う。内容を理解するためなら本が先の方が理解度は高まるかもしれないが、この圧倒的体験を感じたいなら映画を何の情報もなく先に見た方が良い。

本の方は映画では表現できなかった各々の体験や思いがTEXTの情報として入ってくる。なるほどこうだったのかとか、こういう考えだったのねと言うのも分かるが、本の方は一つの解釈としての参考になる。その他にキリエやルカの名前の由来とか伏線に入っていた内容が公になっているのもなるほどね・・と心地よい。

映画の方は監督の意図は存在するのだろうけれども、観客の取り方によって色々な解釈が可能という広がりがある。原作も脚本も監督も同じ人が担当しているので、お互いの相乗効果というか、はみ出ている部分がリンクしているのを発見できるのが奥が深い思う。何回か映画を見たら気がつかない場面を見つけられるであろう。X の感想には多くの人が言いたい事を書いているが、え!というのも書いてあった(ほくろとか・・、本の表紙とか・・)。

大幅に映画人口の方が多いだろうからここから先は映画の感想:
映画も本も好きか嫌いかは個人の感想なのでどちらでもいいし、私は好きだけど少数派の好きでない人の気持ちはよく分かる。

好きでない人の気持ちを代弁してみると・・・ 長い、あの声がダメ、なんだ話せるじゃん、普通はこうしないでしょ、震災の場面が出てくる、出演者がちょい役で沢山出てきすぎ、プロモーションビデオみたい、時間軸が前後するのと一人二役もあるのでよく分からない・・・

普通はこうするとか、ここの部分はこうした方がいいとか、基礎がわかってないとか・・・言いたい人は言いたい事を言っている。しかし監督はそんなのは百も承知で色々なヴァージョンを考えていて、選択に選択に選択を重ねて多分苦渋の選択もして作り出しているので、言いたい事を書いている人の浅はかなアイディアはとうの昔に候補に出てきている・・・はず。

高評価の人の評判を書き始めて、私のつまらん描写を羅列しても面白くないので途中まで書いたけれどやめた。多くの人が言っていて私もそう思うのは、主人公のアイナ・ジ・エンドの歌とエネルギーだろう。演技が上手いというよりか演技をしているのではなくて、あれは自分の素である表現だと思う。これを見るまでは全然知らない人だったが一気に私の中に存在し始めた。

あとは最初から最後まで岩井ワールドにどっぷり浸れるのもいい。これが大変心地よい雰囲気なんだ。透明感と心が撫でられる感覚。歌やら音楽が浸透していて雰囲気との相乗効果であの世界に引き込まれる。おまけだが、思い出したり曲を聴くと鼻の奥に液体が自然に滲み出てくる感覚が今でもある。

岩井俊二 監督特集をNHKで1時間のドキュメンタリーにてやっていたのを見たが、限られた時間で多くの作品を生み出して独特の世界を構築しているのはすげぇやつだと思う。私事だけど、親戚が関係者なので触った事はないけれど触れている感覚もあって全く違うであろう次の作品が楽しみなのだ。


公開前に私が書いたもの


他の人が書いたnote


本もおすすめ  (え! は別の表紙の方)

X に色々な人が書いた感想  クリック出来たら・・
#キリエのうたの感想たち


かなりな確率で見て損しないと思う、奥が深いぞ





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