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古ボジョレー & ボジョレーヌーボー

ボジョレー ヌーボーは今ではちょっとした日本人ならご存知の名詞。バブルの頃は一部の進んでいる人が格好つけるために解禁日に飲んだものだ。ヌーボーはフランス語で nouviau の事で、英語の new と同じ ”新しい” という意味。アール ヌーボという新しいART という意味の単語を聞いたことがあるでしょう。

ガメイという赤ブドウを使って、フランス中部のボジョレー地区で作られて、今年夏から秋に収穫したぶどうを使ってワインにして11月以降飲めるのがボジョレーヌーボー。普通のワインは何年ものとか言っちゃって、古いほうが良いとされる傾向があるけれど・・・(ま、古ければ良いというワケではないのだが)

このブドウは早飲みでも飲めるとされているので、ガメイを使ってるのだが・・・  だが・・・  一般的に美味しくない。美味しいのを知らないからそう言っているのかもしれないが、私には美味しくないと思う。

ボジョレーではヌーボーだけを作っているワケではなく、普通のワインも作っているが他のは有名ではない。しかしだ・・一度倉庫に眠っていた父親がもらってきた超古いボジョレーを飲んでみたことがあるが、予想外に美味しかったのを覚えている。

そんな時、長野のワイン屋で発見したこれ・・ お店の人は枯れているという表現をしていたが、値段も安い。税込550円だと・・・ ガメイの古いのは予想外の味を出すものがあるのを知っているので1本試しに買ってみる。まずくても安いからいいことにする。でも、向こうも売るからには自信があるようだ。

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調べてみると薄くて有名なボジョレーでもこの MORGON は濃厚で力強いのを作る所だと・・・ そして作ってるGUY BRETON氏は自然派を採用して添加物を入れない派。そして2003年のなので飲んだ2021年から18年前のもの。

飲んでみると・・ 酸っぱいが自然派ならではの味とも言える。私は個人的に好きな味だなと思う。Day2あたりから円やかさも出てくる。後半はオリが浮遊してきて高級感(実は古いから)も醸し出される。調べてみると漢字では 澱 なのね。毒ではないけれど美味しくないのでここは上手く残して上澄みを飲む。こんな感じ↓

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最後には底に溜まっていたこんな塊まで登場・・ 自然派ワインではフィルタリングしてないのが多いのでこの手の不純物の含有量が多いそうだ。

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新ボジョレーもいいけど、古ボジョレーもそれなりにいいですよ・・・というお話でした。

おまけ:ボジョレーヌーボーは、11月第三木曜日0:00が解禁で2021年は11月18日。日本は東経135度を基準にしてるので、世界の大都市の中では日付変更線に一番近い。よって、世界で一番早くボジョレーヌーボーが飲めるということで、0:00の解禁を待って世界一早く飲む・・・という、かなり私にはつまらないお祭をしていた時代もあった。(今でも0:00待って飲んでる人いるのかな??) 一番右が日付変更線、アメリカが一番遅い・・

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ちなみにイタリアの新種は10月30日が解禁日 ノッベロ と言います、日本のは知らない・・ 解禁日を決めたのはどんどん早く出すようになって、品質が下がるから決めたそうです。私はあえて新酒は飲みません、目の前に出てきたら飲みます。

数少ない飲んだ回数の中、今まで一番美味しいと思った ボジョレーヌーボーは フィリップ・パカレ のでした。


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