アートを未来にひらく。子育て、若者レーンのインセンティブ設計が必要 #218
先日、上野にある東京国立博物館に行きました。特別展、中尊寺金色堂を観たくて行ってみたのですが、シニアとインバウンド観光客が押し寄せており、入場まで60分待ちで入れませんでした。。。
桜の季節であり、今週末で終了してしまう展示会でしたので仕方ないのかもしれませんが、近くにいた大学生2人も入場を諦めて帰ってしまっていました。
平日ですら、日本の若者は観れないが、暇なシニアたちと海外の方が観れる公共アート施設ってなんやねん、、、というモヤモヤを抱えつつ、考えました。
高齢者のオーバーツーリズムの現場に遭遇し、国の貴重なアート資産を誰にどう見せるインセンティブ設計にするかということは、とても大切な問題だと思います。
アートという公共資産を未来世代が享受できるように、チケット価格、レーン設置などで、若い人を優遇するインセンティブ設計が必要です。
溢れる人の流れ シニアとインバウンドパワー
上野公園は桜の季節でごった返しており、東京国立博物館も多くの人で賑わっていました。
平日の昼でしたが、シニアの方、海外の観光客で溢れており、特別展は入場まで60分待ちというなかなかの状況になっていました。
インバウンドの方は大歓迎ですが、日本人の高齢者が溢れている現状は変えていく必要があると思います。
高齢者の年齢による割り引はソッコーやめるべき
暇で時間のある高齢者が溢れるのは当然ですが、もっとも多く訪れる高齢者のチケットがもっとも安く設定されています。完全に間違っています。
高齢者に資産が偏る日本の現状を考えると、高齢者向けの値段設定を安くするのは愚策です。価格による調整機能も働かないため、今回のような事態が起きてしまいます。
むしろ高齢者のチケットは単価を高めていき、未来世代ほど安く見れるように設計するのが本来あるべき姿だと思います。
高齢者向けの医療費の優遇も問題ですし、公共施設のプライシングにおいても優遇するのは即刻廃止すべきだと思います。
子どもと若者レーンの設置
また、お金の問題だけでなく、若い世代が優先的に鑑賞できるレーンの設置など、公共施設のアートについては、未来世代がより優先的にその価値を享受できるように仕掛けを作るべきだと思います。
昨年からの取り組みが始まった子供レーンだけでなく、40歳以下の世代、とくに10代、20代の方が優先的に鑑賞できる施設設計に変えることが大切です。
国や東京都の資産を誰に優先的に配分していくかという問題だと思いますので、未来ある世代に傾斜をつけて投資していくことが必要です。
医療制度改革よりもハードルは低いので、ソッコー手をつけるべきだと思います。
値上げによる効果 客筋の改善
高齢者向けのプライシングを高めると、当然批判やクレームが出てきますが、アート施設の運営はかなり生産性が上がると思います。
しっかりとお金を払ってでも鑑賞したいというスジの良い客層に変わるため、スタッフのメンタルやオペレーションの合理化にもつながり、働き手の確保もしやすくなります。
高齢者から高く課金して、未来の世代がアートの価値を享受できるようにする方が、社会としては健全です。
学割とかの値段の割引ではなく、若い人は優先的に観れるようにインセンティブを創らないと、未来世代が芸術に親しめず、時間のあるじいさんばあさんだけが公共芸術に触れることができるというヤバいシニアオーバーツーリズムの現場が溢れてしまうので、こうした1つ1つの超高齢化社会のいびつさを解消していくことの大切さを体感しました(笑)
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