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【読書メモ】中年期のキャリアの停滞と仕事の動機づけ:『働く人のキャリアの停滞』(山本寛編著、第5章・今城志保著)

本章では、中年期に特徴的なキャリア・プラトー(キャリアの停滞)についてまとめられていて、停滞状態からどのように脱却することができるのかという方向性が示されます。困難な状況下で発揮されるポジティヴな適応プロセスであるレジリエンス(精神的回復力)を鍵概念としながら、インタビュー調査から生成されたプロセスが提示されています。

キャリア・プラトーからの脱却については、キャリアの危機的状況を実際に経験してうまく対応したホワイトカラーへのインタビュー調査から紡ぎ出されています。その結果図は、復活プロセスという名前で以下のようにまとめられています。

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この図からまずわかることは、キャリア意識がまずあり、そこからキャリア行動が導き出され、環境へと働きかけられる、という大きな流れがあるということです。第1章でキャリア・プラトーには内容プラトー階層プラトーがあることが述べられていました。両者に共通するのは、組織からの期待と自分自身の期待とのズレがあることです。

このズレを解消するためには、キャリア意識とそれに基づいたキャリア行動とが停滞から復活するための肝となるということなのでしょう。また、そうした個人の意識・行動は環境にも働きかけることになり、他者からの支援を引き出すことに繋がるのではないでしょうか。


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