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【統計のキソ】二次因子分析と通常の因子分析との使い分けはどのように行うのか?

「先行研究での分析が二次因子分析だったので二次因子分析をしてみました!」という説明は不十分です(→過去の自分への戒めです)。通常の因子分析と比較した二次因子分析の特徴について理解した上で、意図を持って選ぶ必要があります。豊田先生の『共分散構造分析[Amos編]―構造方程式モデリング』を参照しながら、二次因子分析のポイントを備忘録としてまとめておきます。

二次因子分析とは何か

まず、二次因子分析とは何かというと以下のような上位の因子と下位の因子との関係性を明らかにしたものと言えます。

(例)二次因子分析

豊田先生の書籍の表現を引用すれば以下のようになります。

2次因子分析は、通常の因子分析において想定された複数の因子を、より少ない数の因子によって説明するモデルです。
『共分散構造分析[Amos編]―構造方程式モデリング』66頁

つまり、下位の因子を用いて分析することを目的とするのではなく、上位の因子に基づいて分析することを目的として行うモデルです。では、なぜこのような分析が求められるのでしょうか。

因子間相関が強い場合に二次因子分析を用いる!

先日の別noteで、因子分析では因子間相関を確認するということを述べました。この因子間相関の結果を踏まえて、豊田先生は以下のようにご説明されています。

通常の因子分析(斜交モデル)を行って、因子間に強い相関関係が認められたときには、さらに上位の因子を想定して、因子間の関係を説明することができます。通常の因子分析における因子を1次因子とよび、その上位に想定された因子を2次因子とよびます。
『共分散構造分析[Amos編]―構造方程式モデリング』66頁

因子間相関の値が高い場合には、因子レベルで他の変数との関係性を見るのではなく上位の因子(=全体)と他の変数との関係性を見る方がより適切です。言い過ぎかもしれませんが、因子間相関が高くて因子レベルでの分析は難しいかもしれないけど概念としては用いたいという場合に二次因子分析を行うということなのかもしれません。

間違っていたら後日更新するかもしれませんが、一旦はここで止めておきます。


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