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【読書メモ】ジョブ・クラフティングの実践的入門書:『50代からの幸せな働き方――働きがいを自ら高める「ジョブ・クラフティング」という技法』(高尾義明著)
高尾義明先生の最新のジョブ・クラフティング本を読みました。私も50歳が見えてきた年頃でもあるので共感できる部分も多く、またジョブ・クラフティングについての解説もさらに進化されていて興味深く拝読しました。ジョブ・クラフティングについて知りたい、実践に活用してみたい、という方々にオススメの一冊です。
ジョブ・クラフティングとは何か
最初に、ジョブ・クラフティングの定義からみていきます。ジョブ・クラフティングのオリジナル論文であるWrzesniewsk & Dutton(2001)での定義は過去のnoteでも何回か触れてきました。本書でもそちらに触れながら、内容を咀嚼した上で高尾先生は以下のように解説しておられます。
ジョブ・クラフティングとは、「働く人たち一人一人が、自らの仕事経験を自分にとってよりよいものにするために、主体的に仕事そのものや仕事に関係する人との関わり方に変化を加えていくプロセス」のことです。重要なポイントは、①「主体的に」変化を加えることと、②変化の目的を「自分で」考えることにあります。
①「主体的に」変化を加えることと②変化の目的を「自分で」考えることという二つのポイントでまとめられているのがわかりやすいですね。
3つの次元の整理
このように定義されたジョブ・クラフティングは、業務クラフティング、関係性クラフティング、認知的クラフティングの3つの次元から構成されます。それぞれを並列的に眺めると理解が難しいのですが、変化の対象と変化の性質という二つの軸で整理した以下の図が大変わかりやすいです!
![](https://assets.st-note.com/img/1720344030315-LXFXdw07K7.png)
このマトリクスを理解しておけば、ジョブ・クラフティングの3つの次元のポイントを整理できるのではないでしょうか。
ミドル・シニアだからこそジョブ・クラフティング!
こうしたジョブ・クラフティングの特徴を踏まえると、ミドル・シニア層こそジョブ・クラフティングを発揮しやすいと高尾先生はされています。
仕事において、自分にとって最善であるかということも判断軸に含めて、自分で取捨選択していこうという姿勢は、経験を積んだミドル・シニア層だからできるジョブ・クラフティングです。その仕事に求められている成果と遵守すべきプロセスをわかっているからこそ、自分らしいひと匙を入れることができるのです。
多様な経験を積んでいるから、ジョブ・クラフティングを発揮できるという側面があるのでしょう。本書のタイトルが「50代からの〜」となっているのも納得です。
なお、上記引用箇所にある「自分らしいひと匙を入れる」という表現は、ジョブ・クラフティングを高尾先生がたとえる際に用いられるものです。この表現は編集者およびライターの一田憲子氏の言葉を借りたものだそうで、本書で両者は対談されていて、こちらも大変興味深い内容ですのでぜひお読みになってみてください。
自分でできるジョブ・クラフティング研修!
タイトルにもあるように、本書は極めて実践的な書籍です。というのも、高尾先生が開発されたジョブ・クラフティング研修のノウハウが惜しみなく披露されているからです。これで1日の研修をデザインできます!という書かれ方はされてませんが、重要な要素が散りばめられているため、企業研修を開発・実施してきた方なら充分に読み取ることができます。
たとえば、自身の価値観を表出するための「価値観カード」について高尾先生は翻訳されたそうで、高尾研究室のサイトから日本語版を無料でダウンロードできます!以下のサイトの「価値観カード日本語翻訳版」です。
この手のワークは、ジョブ・クラフティングでも活用できる上で、キャリアに関するワークショップでも重宝しそうです。引用を明記した上でありがたく活用させていただこうと思います!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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