『日本は』ブランド!
日本で生活していると、海外の人から日本のことや私たち日本人のことをどう思われているかわかりにくいと思う…
これまで長くヨーロッパで生活してきて、私が感じるヨーロッパ人にとっての日本人の見え方は、とてもポジティブだと思う。特にイタリア人はあまり差別をしないので、余計そう思うのかも知れない。
以前、新しい企画を始めた時、イタリア人に、あなたは日本人だからうまく行くのよ、私たちコネがない一般イタリア人がやるより、あなたたちがやったほうがうまく行く。と言われたことがある、ここでの「あなた」は日本人というよりも外国人を指すが、全ての外国人というわけではなく、ある限られた外国人をさす。
私はこれまで日本人であることで、損をしたことよりも徳をしたことの方が全然多かった。これは先輩日本人が海外でこれまで長い時間をかけて実績を積んでくれていたからに違いない。
日本ブランドの販売をしていても、特にメンズブランドに関しては、ヨーロッパのバイヤーからの評価は高い。日本のメンズのものづくりは、素材や細かいディティールなど、マニアックなまでに追求されているものが多く、日本人が作ったアメリカンファッションに関しても、細かな拘りが細部に至るまでほどこされている。そういった日本人の細かさや忠実さ、マニアックさが海外にも認められているのだと思う。
中でも児島のジーンズや日本の生地などの評判は高く、JIL SANDERも日本の生地をよく使用している。
以前、スイスやドイツのメンズのショップを車で回って営業していたことがあるが、顧客に見せるために日本のメンズファッション雑誌が多くのお店に置いてあり、日本への憧れを感じた。そんなこともあり、それまで一度も海外の展示会に出展したこともないブランドでも、すでにバイヤーが知っている、ということがなんどもあった。
また日本製品のクオリティーに関しての評価も信頼も高い。これまでは日本製の製品だとどうしても価格が高くなってしまっていたが、2019年にヨーロッパとEUとの間で発足したEPA=日EU経済連携協定で、EUで日本で作られたものに関しての関税が撤廃され、今の円/ユーロの為替ルートでいうと日本製品の価格もだいぶ安くなっており、競争力がかなり増してきた。
これから日本の市場も小さくなっていく中、海外に販路を増やすのにはとても良いチャンスではないだろうか?
Ciao!